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社長の思い

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八鹿警備保障の代表取締役である田路智洋社長による手記。日々の仕事上の気づきや若社長としての心情を赤裸々に綴ります。
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2018年11月の記事一覧

なぜを5回繰り返す効用

1. 自社の企業理念は「本物の警備をすることで日本における警備業の在り方を変える」である。

これを実現するには何より本物の警備の実現、つまりは警備サービスの質の向上がかかせない。
そのためにはPDCAを回す必要があるのだが、その中で一番大切なのはCの部分、検証である。

きちんと検証すること。その意味は原因を深堀するということ。

でもそれが難しい。とくに深堀がいいかげんになりがち。

2. で

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群集心理に配慮した広報の必要性

1. この前、明石花火歩道橋圧死事件について話した。

この事件は警備業関係者にとっていろんな意味で考えさせられる事件だった。

群衆と化した見物客を交通規制しないと群衆なだれ、将棋倒しといた多数の人命が失われる事態が巻き起こることを前回述べた。

この群衆をどう整理し、イベントなり大規模施設の運営を安全かつスムーズなものにしていくのか。これこそが警備業者の腕の見せ所であったりする。

2. とい

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言い方1つでモチベーションも変わる

1. 自分は自社の明石営業所の責任者なので、いつもは明石にいる。

でもそれと同時に自社の社長でもある。大体電話やPCで済ませられるものはすます。

でも取引先との打ち合わせやアポ、従業員とのミーティングや本社での会議や業務等のため、本社のある兵庫県北部に行くこともある。

その場合は上記営業所を閉めて、緊急用携帯電話を片手に、車で2時間〜2時間半かけて兵庫北部まで移動しなければいけない。

その

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明石花火歩道橋圧死事件について考える

1. 自社は明石営業所があるからということもあるが、警備関係者として衝撃的だった2001年7月21日に起きた明石花火大会における歩道橋圧死事件について考えておく必要がある。

これは、花火大会終了後、大蔵海岸と朝霧駅の間にある国道2号線上の歩道橋の海岸よりの南端で花火見物していた見物客が北側の駅に向かおうとしたところ、朝霧駅から、駅に向かおうとていた観客と歩道橋上でぶつかり、群衆なだれが発生し、1

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自己評価の意義と問題点

1. (1)ゴーン氏が犯行を否認しているのに、多くの報道ではあたかもゴーン氏が強欲な犯罪人であるかのような報道のされ方をしている。

(昔はあれほど日産の危機を立て直した功労者のように崇められたのに、逮捕されると、手のひらを返したように、今回の疑惑だけならまだしも、やれコストカットは悪だからあんなの人間のやる事じゃないとか、人と施設を切ることは誰でもできるだとか、ネットでは言いたい放題である。だっ

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評価に伴うバイアスについて考える

1. 個々最近の隊長会議は従業員意識調査、隊員評価、そして来月は隊長の自己評価表に基づく面談と評価に関する内容が多い。

きちんと職務を遂行したり、管理する真面目な人間であればあるほど、自分の考えや好き嫌い等から距離を置いてものを考えることが困難になるもの。

なので今回はその評価をする側、される側が陥りがちなバイアス(偏見)について考えることで、より公正な評価する環境を作るきっかけにしていきたい

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受け止める事

1. 前日のブログで神戸でのデパートで3000円以上の買い物をすると駐車場代3時間無料の話をして、目先の支出を惜しむことは却って、より大きな支出につながることを言った。

またこの例の話に戻る。

始めは本当に必要なものを買っていた。でもあるときから果たして必要なのかそうでないのか分らないものを買うようになった。

その時の自分の心理としては「これはこういうときに意味があるから」「こう考えればどう

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健全な支出は最大の利益

1. 今、明石営業所があるので、基本的に神戸までは電車でいくのでほとんど利用しないが、昔、買い物しに神戸まで車で行った際、某デパートで3000円以上買い物すれば、1時間500円の駐車代が3時間無料という駐車場を利用し、無駄遣いをしたものだ。

冷静に考えれば,1500円を免れるために3000円を支払っていることになり、1500円の損。

本当にそのデパートで欲しいものがあればお得だが、そうでなけれ

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小さな約束を大切に

1. 「小さな約束を大切にしろ」

事あるごとに親父が自分にいう言葉である。少し耳が痛いが(苦笑)、大切にしている言葉だ。

その約束のことを社会では契約という。

そしてそれは時に会社や従業員の生活に直結するもので、決して小さなものじゃない。

でもそれは小さな約束を守れるかどうかがベースになったりする。

2.(1)契約とは意思表示の合致。

なので原則として契約は契約書なしでも成立する。

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やっちゃったゴーン氏について考える

1.「やっちゃえ、日産」の日産がほんとにやっちゃった。

(1)日産三菱・ルノー連合会長のカルロス・ゴーン会長が逮捕された。

ゴーン会長と言えば、2万人規模のリストラをしたり、工場を閉鎖するなどしてわずか1年で黒字にして、かつて窮地の日産を救った名経営者。

その「コストカッター」の異名を取るゴーン氏が自らの報酬を有価証券報告書に安く計上していたことが金商法上の虚偽記載に当たるとして逮捕された。

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ほめるということ

1. かつて中小企業大学校東京校経営後継者コースで経営の勉強をしていたとき、同期の提案で「褒め言葉のシャワー」を朝礼後に定期的に行っていた。

この褒め言葉のシャワーとは,現在、北九州私立小倉中央小学校勤務の教師である菊池省三先生が提唱したもの。

かつて学級崩壊の危機の時、学校の帰りの会などで、日替わりでその日の主役になる生徒が壇上にあがり、クラスのみんなでその生徒の良いところを伝え合うという活

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セクショナリズムの弊害を防ぐには

1.(1)昨夜から大鹿靖明著「東芝の悲劇」を読みはじめた。仕事終わりがまた楽しみだ。

この本はバブル期から今までの時代背景や歴代社長・役員の経歴や資質に触れながらバイセル取引等を利用した粉飾操作、無謀なウエスチングハウスの買収を振り返り、東芝の経営基盤を揺るがす大赤字に至った原因を考える良書。

その原因についていくつか言及されているが、組織形態が不正を誘発したという点が個人的にしっくりきた。

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万引きGメンから考える警備業務の性質

1. たまにスーパーから保安警備の仕事依頼が来る。その中に私服保安員の仕事がある。

いわゆる万引きGメンと言われるものである。

木の実ナナの2時間ドラマでおなじみ(ちょっと古いか笑)の仕事だが、自社としては今のところ受けないようにしている。

理由は賠償リスクの高さ,である。

2. 例えば,万引きをするふりをして、私服保安員から相談室に呼ばれ、鞄の中身を見せるように言われる。

しぶるなら警

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〝常識〟に向き合う

1.(1) 学生だった頃、シアター711という下北沢の小劇場でタイトルは忘れたが信仰宗教の教組が主人公の劇を見た。

〝原価がタダ同然のこの壺を100万円で売ったのが悪いって、そんなの程度の問題でみんな似たり寄ったりじゃないか。
僕はこれが信者の悪霊を取り除くと本気で信じて売っているんだ。何が悪い…〟

確かそんなセリフだったと思う。

それを聞いた時、当時、司法試験の勉強を始めたばかりだった自分

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