なぜを5回繰り返す効用

1. 自社の企業理念は「本物の警備をすることで日本における警備業の在り方を変える」である。

これを実現するには何より本物の警備の実現、つまりは警備サービスの質の向上がかかせない。
そのためにはPDCAを回す必要があるのだが、その中で一番大切なのはCの部分、検証である。

きちんと検証すること。その意味は原因を深堀するということ。

でもそれが難しい。とくに深堀がいいかげんになりがち。

2. でもその深堀の精度を上げる方法がある。

トヨタ生産管理方式で有名な元トヨタ自動車役員、大野耐一氏が生み出したなぜなぜ分析だ。

(1) なぜなぜ分析とは事故や失敗といった結果に対する直接的な原因の割り出しを5回繰り返すことで、結果に対する真の原因を割り出す分析。

例えば、このブログで度々上げている明石花火歩道橋圧死事故の原因をなぜなぜ分析で答えてみる。
①歩道橋でたくさんの死傷者が出たのは、群衆なだれが生じたから
②群衆なだれが生じたのは、歩道橋上の群衆密度が異常に高かったから
③歩道橋上の群衆密度が異常に高かったのは、一方通行や分断による規制がなされていなかったから
④一方通行や分断による規制がなされていないのは警備員が歩道橋付近に配置されていなかったから。
⑤警備員が歩道橋付近に配置されていなかったのは、何年も使い回されたもの警備計画で実態に即さないものだから

よって、歩道橋上でたくさんの死傷者が出た原因は、何年も使い回された同じ警備計画を使っていたこと。PDCAのPの部分が全くできていないままDに入ったことが真の事故原因ですね、みたいな。

(2) かつて隊長会議でこのやり方を紹介したことがあるが、いまいち定着していない感がある。

なんとかウチの隊員がこの分析が隊長、そして隊員に定着しないだろうか。

それが出来ればいろんな意味で八鹿警備隊員のサービスの質は劇的に上がる。

隊長会議でこれについて再度ふれておくのも悪くないかも。

3. このなぜなぜ分析をする際、留意する事は、属人的要素を考えないということ。

例えば、この事故が発生したのは、誘導する警備員がトロいからといったように結果の発生を人の性格や能力にしないこと。

これをすると、仕事が人頼みになり、本当の意味での会社組織のサービス向上の道から遠ざかってしまう。

そしてこの分析は会社運営、のみならず自分の生活の場面などあらゆる場面でかなり役に立つ分析だと思う。

このブログをお読みのみなさんも日頃の生活で実践してみることをお勧めする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?