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【ディスクレビュー】Base Ball Bear 『Short Hair』
「キミ」のことしか考えられなくなることって、よほど恋愛を避けた人生を送らない限り、誰しもが経験することなんじゃないかと思う。「キミ」に惚れてしまった瞬間、「キミ」に酷いことを言って傷つけてしまったとき、無性に「キミ」に会いたくなったとき。「キミ」に対する愛で溢れているが故に、時の流れる速度すら、普段とは違った、どこかセンチメンタルなものに感じてしまう。奇妙なものだが、それこそが恋の醍醐味でもある。
もっとみる【ディスクレビュー】KANA-BOON『Honey &Daring』メロディメーカー谷口鮪がリリカルに描き出す、個々の人生を切り取った普遍的なテーマ性が浮き上がる一枚
コロナによる不自由や谷口鮪の休養といった数々の試練を経て、4年半ぶりに届けられたフルアルバム。行き場のない喪失感を祈りに昇華した「Re:Pray」のリミックスver.がオープナーとなり、その他従来よりもダイレクトかつ鮮明に谷口鮪(Vo/Gt)の深層心理が表層化した楽曲が粒揃いな印象。そうした中で《悩める日々に来たる解放》と燦然としたアンセム感を放つ「Torch of Liberty」、至極キャッチ
もっとみるクレナズム『SAKURAドロップス/面影』ディスクレビュー
前作のEP『Touch the figure』でシューゲイザー、ドリームポップの系譜にJ-POPを急接近させ、ポップスの可能性を格段に広げた彼女たちが、今度は宇多田ヒカルの00年代を代表する『SAKURAドロップス』のカバーに挑戦。バンドの更なる変化を予感させる意欲作が、両A面Singleとしてリリースされた。彼らが得意とするシューゲイザーのエッセンスを漏れなく配合し現代版にアレンジした『SAKU
もっとみる【ディスクレビュー】Cody・Lee(李)『LOVE SONG』
今年6月に男性の悶々とした脳内を表現した『悶々』、8月には浮遊感溢れるサウンドが青春映画『サマーフィルムにのって』のエンドロールを彩った『異星人と熱帯夜』をリリースしてきたCody・Lee(李)。前作から約2ヶ月半ぶりとなる新曲で歌われるテーマは"ピュアな恋愛"だ。
Aメロでは尾崎の柔らかな歌声で発せられるコーラス、アコースティックギターの音色が色濃くラブソングチックに染め上げるのと同時に、間奏
【ディスクレビュー】THE KEBABS『セカンド』
"楽しい"の最高到達点を見た気がする。M1からM10まで、ボーカル・佐々木の唯一無二の歌声とともにハイテンションなギターロックが鳴り止まない。ロックンロールをこよなく愛する4人でバンドを結成できた歓びを、この1枚に集約させたようなイメージを受ける。曲名にだってその"楽しい"はダイレクトに炸裂している。2曲目の『チェンソーだ!』なんて、その愉快痛快なタイトルを耳にしただけで楽しげなメロディーが自ずと
もっとみる【ディスクレビュー】ポルカドットスティングレイ『赤裸々-EP』
このEPから滲むサウンドは、"青春性"などという曖昧な言葉で表してしまって良いものなのであろうか。
そう悩まされるほどに、瑞々しさ全開のポップ・サウンドの中には、一筋縄ではいかないポルカワールドが広がっているのだ。
シュワシュワと炭酸が弾ける『青い』、アバンギャルドな世界線に足を踏み入れる『トーキョーモーヴ』。『ダイバー』では、ポップスという結晶体が魔法として溶け出すような、神秘的体験を誘発。
【ディスクレビュー】ハンブレッダーズ『ワールドイズマイン』
今年9月、初のZepp Tokyoでのワンマンライブ"トーキョーイズマイン"を満員御礼にしてみせたハンブレッダーズよる2ndシングル。ダンサブルなサウンドに乗せ、ムツムロアキラは<この世界はきっと 僕らのものなのさ>と闘志を滲ませた歌声で歌う。それが幻想であろうが、稚拙な思い込みであろうが関係ない。衝動の遠心力に身を任せ、ありあまる想像力で<何も持っていないはずの僕ら>をルサンチマンから解放し、熱
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