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副題から詩(物語)を書く(練習)

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ある言葉を意識しながらも主題にしないで物語風に詩を書いた作品です
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#ミステリー

題名『記憶喪失』

題名
『記憶喪失』
(裏テーマ・失われた時間)
[10228文字以上あります]

 頭が痛い。

 ここは何処だ。

 ハテ?

 俺は誰だ?

 俺は入院していた。

 二日まえに頭を何か鈍器か何かで殴られて路上で倒れていたところを、早朝に犬の散歩をしていたおばさんに発見されて、その方が通報して下さり、救急車でこの病院に運ばれたらしい。

 そして、気がつくと記憶がなかった。

 記憶障害にもい

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詩『私をさがして』

題名
『私をさがして』
(隠しテーマ・二人だけの秘密)

 高校の教師を今年定年退職して妻との二人暮らしの余生をやっと楽しみ始めたある朝、台所のテーブルの上に私宛の手紙が一通、置いてあった。

「その手紙の差出人の名前、教え子じゃない?」

 妻の言葉が気になり確かめると去年に卒業した高坂蘭だった。

「そうだけど、何でお前が知って、る?」

 妻はその言葉を待っていたように話しだした。

「実は

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詩『10キロの契約』

題名
『10キロの契約』
(隠しテーマ・カラフル)

 今日は少ないバイト代から奮発してピンク色のカーネーションの花を1輪とぼた餅を1個買った。
 子供の頃から貧しさには慣れている。それに私は引きこもりをしていて母と二人暮らしをしていました。そして母が突然に亡くなり、私は生活のためにバイトをしなくてはいけないようになりました。

 5月○日。母の命日です。
 あれからもう一年が過ぎた。

 ゴール

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詩『探偵、金内二悲惨の始まるまえ』

題名
『探偵、金内二悲惨の始まるまえ』
(隠しテーマ・何もいらない)
【*かねないに、ひさん】

 何もいらない。
 私の息子はいつもこう。
 いらない、いらない、何もいらない。

 金田一陽燦(きんだいち、はるあき)、15才。
 父親似でイケメンで頭脳明晰。

 幼い頃から何も言わなくても、して欲しいことをする赤ちゃんだった。私が困った顔を見せるだけで泣きやんだ。特に私の困った顔は効果抜群だった

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詩『離島殴打事件』

(遠くの空へ、から発想して冒頭の数行?を書いたのですが、その責任を取るように続きを書いたら少し長くなりました。細かいことが気になりこれでも納得できませんが続けると3倍に膨れそうなのでやめました。それからこれは、私にとっては詩です。詩の練習です)

題名
『離島殴打事件』
(隠しテーマ・遠くの空へ)

 俺は、遠くの空へ、叫んだ。
「犯人は絶体にー、捕まえてみせるからなー!」

 恋人はドクターヘリ

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