マガジンのカバー画像

感想文

87
運営しているクリエイター

#考察

『本格科学冒険漫画 20世紀少年』~考察~

1999~2006年連載(日本)

著作、浦沢直樹

 ※ネタバレ含む

 ケンヂは失踪した姉の娘を育てながらうだつの上がらない生活をしていた。そこに刑事が訪ねてくる。お得意先の失踪、小学時代の友だちの死、それらにかかわる「ともだち」と名乗る男を中心とする宗教団体……。「ともだち」の使うマークはケンヂが小学時代、秘密基地の仲間たちと使っていたマークだった。そして当時ケンヂが書いた「よげんの書」のと

もっとみる

『煙か土か食い物』~恩讐の彼方に今がある~

 2001年出版(日本)
 著作、舞城 王太郎

 サンディエゴに住む腕利きの外科医・奈津川四郎は母親が怪我で入院したという一報を受けて故郷・福井県西暁町へ帰る。そこで起こっていた連続主婦殴打生き埋め事件に母親は巻き込まれたのだ。母親を鈍器で殴り生き埋めにし意識不明に追いやった犯人に主人公は怒りをたぎらせ復讐のために行動を起こす……。

 主人公が好きになれず、肌に合わないなと思いながら読み進めた

もっとみる

『それいけ! アンパンマン』~自己犠牲とは~

 1988年~放送(日本)

 監督、永丘昭典 原作、やなせたかし

 顔があんパンでできたヒーロー、アンパンマンが、悪いことをするバイキンマンをやっつけたり、困っている人を助ける。

  日本人なら誰もが知っているであろう、国民的アニメ。
 子どものころから大好きだったが、大人の観点から作品への思うことを述べたい。
 主題歌の「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という、歌詞には、どこと

もっとみる
島田つきが『愛と幻想のファシズム』について熱く語る日記(蛇足編)

島田つきが『愛と幻想のファシズム』について熱く語る日記(蛇足編)

1987年出版(日本)
著作、村上龍

(筆者が勝手に描いたイメージ画)

 ※ネタバレあり

 はい、第三回目!(第一回目、第二回目)
「蛇足」というのはこの感想についてです。一段落ついていても書きたくなったら書く、そして公開したいときはする、それが筆者のジャスティス。
 今回はトウジの人間性について、ゼロとの関係について、エヴァンゲリオンとの関連についてとかそのあたりを補足していきます。ゼロの

もっとみる
島田つきが『愛と幻想のファシズム』について熱く語る日記(読了編)

島田つきが『愛と幻想のファシズム』について熱く語る日記(読了編)

 小説の感想です。

 単行本 1987年出版(日本)

 著作、村上龍

 ※ネタバレ含む

 面白いです。
 実に現実的な手段で結社「狩猟社」が力を付けていく様が描かれています。もしかしたら、本当にできるかもしれない。そう思える描き方です。たいていは陳腐になる題材を真面目にさばく力は、さすが村上龍だと思います。
 政治や経済の話は、正直自分にはさっぱりわからず、退屈とも言えるんですが、それでも

もっとみる

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』を見て

アニメの感想です。

 2012年公開(日本)

 総監督、庵野秀明 監督、磨砂雪・鶴巻和哉 脚本、庵野秀明 原作、庵野秀明

 ※ネタバレ含む

 『新世紀エヴァンゲリオン』(感想)の再構築作品。

 第三新東京市に襲来する謎の生命体「使徒」と、14歳の少年少女たちが人型兵器「エヴァンゲリオン」に乗って戦う。
 碇シンジ、同じパイロットの綾波レイや式波・アスカ・ラングレーは、それぞれ交流す

もっとみる

『新世紀エヴァンゲリオン』~それでも他人と生きていく~

 アニメの感想です。

 1995年放送(日本)

 監督、庵野秀明

 ※ネタバレ含む

 人型兵器人造人間エヴァンゲリオンは母をなくした14歳の少年少女しか乗ることができない。自分を捨てたと思っていた父にいきなり呼び出された碇シンジは、エヴァに乗って戦うよう告げられる。同じくパイロットの惣流・アスカ・ラングレー、綾波レイ、保護者兼上司の葛城ミサトたちと交流しながら、シンジは自分を見つめ直して

もっとみる

『星の王子さま』~答えを探す旅~

小説の感想です。

1943年出版(アメリカ)
著作、サン= テグジュペリ 訳、内藤濯

 沙漠に不時着した主人公は、不思議な少年と出会う。「王子さま(少年)」は、小さな星で一輪の花と暮らしていたが、いざこざがあって星を離れたのだった。王子さまと主人公は話をするうちに絆を結んでいく……。

※ネタバレあり

 サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』。  
 先日、舞台版を見たので、改めて原作を読

もっとみる