偏見ノート

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思春忌とルックバック

3年ほど前から曲が出来なくなりつつある。 歌を書き出したころは、頭の中に溢れるメロディーを表現するなんて世の中でいちばん容易いことだったのに、ここ数年はギターを握…

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9月2日

小学生のころ「むかしの遊びを知ろう」という名目で、ある日独楽(こま)が学年全員に配られた。 木で出来た独楽に自由に色を塗り、遊び方をレクチャーしてもらうと、覚束な…

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7月1日

月では 薪を担いだ男が 焚火にあたり 小鳥を乗せた 銀色の船が 木星をまわる 太陽よりも 巨大なドラゴンが 火を吹いて 冥王星では 妖精たちが パーティを はじめる 宇宙の…

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2月1日

前々から疑問というか不満に思ってた事があるんですが"つき指"ってあるじゃないですか。 あれって周囲からの心配度が低すぎるんじゃないかと。思うんです。 誰でも一度や…

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1月24日

6時半ごろに起きて支度を済ませて8時に出勤。 朝飯は職場で簡単に済ませた。 恙無く終わらせ電車に乗り帰宅。 昨夜はライブだった。 持ち時間は15分くらい。 カバーとオリ…

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9月3日

「あなたにいちばん似合う帽子」 チュージーク学園の入学式はあっという間に終わったが、その後のオリエンテーションはひどく退屈なものだった。寮生たちは一か所に集めら…

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7月21日

午前中にサイクルショップに行って自転車を修理してもらった。自転車が壊れたのはかれこれ3ヶ月前にもなるのだが、物臭が災いしてつい先延ばし先延ばしになってしまってい…

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4月11日

言わずもがなの日々が続く。 生来の出不精が功を奏したか、外出自粛に関しては然程困ってはいない。楽器に触れたり、ゲームをしたり、漫画を読んだり、長風呂を楽しんだり…

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1月27日

25日は叔父さんの7回忌で、家族揃って京都へ。 前日から夜勤だった俺は仕事を終えたその足で姉の家へ向かう。一度アパートへ戻らなかったのは、去年開通したおおさか東線…

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1月2日

大晦日は昼過ぎにアパートを出て、まず酒屋に寄った。毎年、父親には少しだけ良い日本酒を贈るようにしている。ふだんいい息子が出来ていないので、この時ばかりは、と少々…

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12月2日

「ぽぽぽぽぽ」 俺は手から大量のいくらを出せる。 珍しいことではない。 科学の発達と人類の進化により、人間はいつのころからか"手からなんか出す"超能力を備えるように…

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11月28日

朝に仕事を終えて帰宅する。 玉ねぎのスープとサンドイッチをふたつ食べたところで眠くなった。 携帯の充電器が見当たらないので、おおかた店に忘れてきたのだろう。 取り…

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11月25日

24日の朝に仕事から帰宅して仮眠をとる。15時ごろ滋賀に住む友人が実家に帰っていたらしく、そのついでに立ち寄ってくれた。先日、仲間と草野球をしたのだけど、生来の運動…

11月22日

10月から11月にかけて参ってた。 今は落ち着きも取り戻して一安心している。健康がいちばんありがたい。家族みんなで頑張ろうと思う。 昨日は朝に仕事を終えて、家で朝食…

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7月20日

気持ちを揺るがす事件が次々に起きて心が疲弊してしまった。 18日の京都のアニメ会社への無慈悲な放火事件。犠牲者は33人。胸が痛い。 どんなに恐ろしく苦しかったか想像…

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6月24日

久しく「ドラマ」というものを観ていない。子どもの頃は毎週楽しみにしていたドラマが常に2〜3本はあったのに、ここ数年、下手したら10年くらいはとんとご無沙汰してしまっ…

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思春忌とルックバック

3年ほど前から曲が出来なくなりつつある。
歌を書き出したころは、頭の中に溢れるメロディーを表現するなんて世の中でいちばん容易いことだったのに、ここ数年はギターを握ってもなかなかアイデアが降りてこず、魚のいない海に釣り糸を垂らすような毎日だった。釣果なき釣行に出かけることにすっかり疲れてしまい、いつしか竿を握る頻度もめっきり減っていった。

それでも、一年の中で生まれる僅かな曲たちはどれも気に入って

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9月2日

小学生のころ「むかしの遊びを知ろう」という名目で、ある日独楽(こま)が学年全員に配られた。
木で出来た独楽に自由に色を塗り、遊び方をレクチャーしてもらうと、覚束ないながらも次第に骨を得ていく。原色一辺倒で塗り潰された独楽も回転を加えると複雑な色彩を生み出し、クラスメイトと対戦をおっ始めればそれはもう、最高に白熱した。

驚いたことに、与えられた独楽は翌日からも学校に持ってきてよい、という教員からの

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7月1日

月では 薪を担いだ男が 焚火にあたり
小鳥を乗せた 銀色の船が 木星をまわる
太陽よりも 巨大なドラゴンが 火を吹いて
冥王星では 妖精たちが パーティを はじめる

宇宙の すべてが 録された
レコードを 探して
銀河の果てまで 届くように
歌を 歌おう

砂漠の星では キャラバンが 月光に照らされ
魔法のランプを 行商人が 磨いてる
ザンビアの空では UFOが 交信をはじめて
水星の塔へ 一

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2月1日

前々から疑問というか不満に思ってた事があるんですが"つき指"ってあるじゃないですか。
あれって周囲からの心配度が低すぎるんじゃないかと。思うんです。

誰でも一度や二度、つき指の経験ってあるとは思うんですけど、ものすごく痛いじゃないですか。痛くて、顔面なんか青ざめて、冷や汗も出るし、かなり落ち込みますよね。あの鈍い、なんともいえない不快感のある痛み。日常生活においてつき指がもたらすダメージって相当

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1月24日

6時半ごろに起きて支度を済ませて8時に出勤。
朝飯は職場で簡単に済ませた。
恙無く終わらせ電車に乗り帰宅。

昨夜はライブだった。
持ち時間は15分くらい。
カバーとオリジナルを一曲ずつ。
二曲入魂。足跡くらいは残せただろうか。
時短営業の影響もあり、19時ごろには店を後にした。なんだかさみしくなって、特に誰にも挨拶はしなかった。本当は良くないよ。
またすぐ会えるよと祈りながら。

店を出てすぐの

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9月3日

「あなたにいちばん似合う帽子」

チュージーク学園の入学式はあっという間に終わったが、その後のオリエンテーションはひどく退屈なものだった。寮生たちは一か所に集められ、学生の心得なるものをそれこそ暗唱できるほど聞かされて、すっかり参ったよ。

ようやくキャンパスを出たのは夕方に差し掛かるころで、ただでさえ慣れないスーツで全身ガチガチに凝り固まった僕らに待ち構えていたのは気立しいサークルの勧誘だった。

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7月21日

午前中にサイクルショップに行って自転車を修理してもらった。自転車が壊れたのはかれこれ3ヶ月前にもなるのだが、物臭が災いしてつい先延ばし先延ばしになってしまっていたのだった。

と、同時に、壊れた自転車を眺めながら、ここ最近の俺の運動不足ぶりはいくらなんでも度を越してるんじゃないかと思い、それならなにも今すぐ修理せずとも、移動はすべて徒歩で済ませれば運動不足解消にもなって都合が良いのでは、と思い至り

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4月11日

言わずもがなの日々が続く。

生来の出不精が功を奏したか、外出自粛に関しては然程困ってはいない。楽器に触れたり、ゲームをしたり、漫画を読んだり、長風呂を楽しんだり、酒をきこしめたり。そんなふうにしている。

どんなに楽しみな予定も、当日になると俄然億劫になる性質なので、ここしばらくの堂々たるindoorlifeにはいくらかの張り切りも見えた。

だが、職場は営業時間の短縮が決まって、収入は大きく減

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1月27日

25日は叔父さんの7回忌で、家族揃って京都へ。

前日から夜勤だった俺は仕事を終えたその足で姉の家へ向かう。一度アパートへ戻らなかったのは、去年開通したおおさか東線を使えば乗り換え無しで新大阪まで出れて、その方が手っ取り早かったから。

まだ暗い朝の町を自転車を漕ぎつつ、ぼんやり考えごとをする。コンビニでおにぎりを4つ買った。6時過ぎ姉宅着。一晩中仕事に励んでいたために身体は薄汚れていて、シャワー

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1月2日

大晦日は昼過ぎにアパートを出て、まず酒屋に寄った。毎年、父親には少しだけ良い日本酒を贈るようにしている。ふだんいい息子が出来ていないので、この時ばかりは、と少々奮発する。情けなさと、僅かな誇らしさと、買ったばかりの一升瓶を抱え実家へ。

無事着。荷物をおろしたあとすぐ近くに住む友人の家へ。

三十分ほど車に揺られ香里園にある銭湯に行く。さすがに人が多かった。2時間ほど入浴していくらかのぼせる。

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12月2日

「ぽぽぽぽぽ」

俺は手から大量のいくらを出せる。
珍しいことではない。
科学の発達と人類の進化により、人間はいつのころからか"手からなんか出す"超能力を備えるようになっていた。

腹が減ると、皿の上にたなごころを構える。軽く力めば、ぽぽぽぽぽっと大量のいくらが出てくる。それを炊き立ての白米にのせて、醤油をかけてかっ食らう。もちろん金はかからない。出せる量に制限も無い(やろうと思えばこの世界をいく

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11月28日

朝に仕事を終えて帰宅する。
玉ねぎのスープとサンドイッチをふたつ食べたところで眠くなった。
携帯の充電器が見当たらないので、おおかた店に忘れてきたのだろう。
取りに行ってもいいが、今はとにかく、一刻もはやく床につきたかったので、充電切れの携帯をほっぽらかして昼過ぎまで眠った。

バンドメンバーとスタジオで練習する夢を見て起きる。

起き抜けに枕元の本棚に手を伸ばし、よしながふみの『ジェラールとジャ

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11月25日

24日の朝に仕事から帰宅して仮眠をとる。15時ごろ滋賀に住む友人が実家に帰っていたらしく、そのついでに立ち寄ってくれた。先日、仲間と草野球をしたのだけど、生来の運動音痴を遺憾なく発揮し口惜しい気持ちになったので、元高校球児の彼に指導してもらうべく二人で公園へ向かった。

彼はプロ野球選手を夢見る野球少年だったが、高校は普通の公立に進学し、甲子園こそ縁遠いもののサードのレギュラーで4番を任されていた

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11月22日

10月から11月にかけて参ってた。
今は落ち着きも取り戻して一安心している。健康がいちばんありがたい。家族みんなで頑張ろうと思う。

昨日は朝に仕事を終えて、家で朝食をとったあとすぐにまた出勤した。朝9時の真っ暗なスタジオのソファに寝転んでそこでしばらく仮眠をとる。

17時までスタジオ番の仕事。
途中コーナンで備品の買い出しなどをする。

給料が出て、いくらか暖かかくなった懐に気も大きくなり、た

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7月20日

気持ちを揺るがす事件が次々に起きて心が疲弊してしまった。

18日の京都のアニメ会社への無慈悲な放火事件。犠牲者は33人。胸が痛い。
どんなに恐ろしく苦しかったか想像するのも憚れるほど凄惨な事件だった。
アニメ好きの知り合いが多く、SNSのタイムラインではみんな心を痛めていた。
犯人には強い怒りを覚える。許せない。
自分自身はそんなに普段熱心にアニメを観ないけれど、身勝手な、理由にもなってないよう

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6月24日

久しく「ドラマ」というものを観ていない。子どもの頃は毎週楽しみにしていたドラマが常に2〜3本はあったのに、ここ数年、下手したら10年くらいはとんとご無沙汰してしまっている。
テレビは観るか観ないかでいえば、どちらかといえば観ない方だけど、それでも食事のときとか、とりあえずつけてザッピングくらいはしてるし、いくつか楽しみにしてる番組もある。でもドラマだけはどうも。

今は娯楽が昔より増えて、例えば映

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