11月28日

朝に仕事を終えて帰宅する。
玉ねぎのスープとサンドイッチをふたつ食べたところで眠くなった。
携帯の充電器が見当たらないので、おおかた店に忘れてきたのだろう。
取りに行ってもいいが、今はとにかく、一刻もはやく床につきたかったので、充電切れの携帯をほっぽらかして昼過ぎまで眠った。

バンドメンバーとスタジオで練習する夢を見て起きる。

起き抜けに枕元の本棚に手を伸ばし、よしながふみの『ジェラールとジャック』を読む。フランス革命の数年前、官能小説の執筆で財産を築いたジェラールと没落し娼館に売られた貴族のジャックの恋愛話。何度も読んだが、妙にのめり込んでしまって全部読む。

よしながふみはとても好きな作家で、大きく影響を受けている。自分が前に書いた『執事の分際』という歌も同名の作品があってそこから拝借した。身分違いの同性愛の歌で、とても気に入っている。

それからピアノの練習。
「ピンクレディ」のアレンジを考える。
ソロの運指を16分で刻めたら格好良さそうだなと頑張っているが、技術的な問題でなかなかクリアできない。テンポを大幅に落として繰り返し身体に馴染ませる。

15時ごろ外出。

まず商店街を一通り見て品物を吟味する。その足で職場に行き、充電器を取り戻し再び商店街。魚屋で新鮮なイカを購う。今夜はこれを刺身にする。韓国料理屋にも寄って、チャンジャを購う。お店の人に親切にしてもらった。

それから森小路にあるキーカンに寄って古本を漁る。店の主人の好きなものだけを集めた雑貨と骨董と古本のお店。とてもいい雰囲気で近くに行くと寄ってしまう。開高健の『私の釣魚大全』を購入。主人と少し話す。くじ引きの引換券をもらった。

開高健は葛飾のシンガーにたないけん氏に教えてもらった。数年前、中島らもの『水に似た感情』と交換する形でホシヲさんから『オーパ!』を借りて読んだのが最初だった。アマゾン河に棲むカニを恍惚の表情で貪る開高健の写真が特にお気に入り。

それから業務スーパーに立ち寄ったがここでは特に買うものは無かった。
というか、業務スーパーで売ってるものは量が多く、しがない寡暮しではもてあましてしまうこともしばしばなので実はそんなに利用しない。

それから近くの、別の古本屋によって梨木香歩さんの『沼地のある森を抜けて』という本を買った。糠漬けの話らしい。ここの古本屋は良い意味で特徴が無く気軽に立ち寄れるありがたい店だ。
なんとなくレジに持っていくのが憚られるような(エロという意味ではなく)、俗っぽい面白本の類も取り扱っていて気に入っている。お店の人に親切にしてもらった。

それから古着屋に寄って、服を物色。
いい感じの着物があったので寝巻きにしようと思いこれも購入。500円だった。
お店の人に親切にしてもらう。

近くのリサイクルショップに寄って、着物に合う帯を100円で購入。いい感じのソファが9000円で置いてあって、欲しいなと思った。

それからサンディで食品を購う。
増税以降、生鮮以外の調味料なんかはもっぱらサンディで購っている。
最寄りのスーパーより距離があって参るが節約の為やむを得ない。サンディでよく見かける鴨肉のローストが200円くらいで売っていて、あれがかなり美味しいので一度食べてみるといい。切り分けて柚子胡椒やからしをつけて食うのもいいし、チーズやトマトやレタスと一緒にサラダにして食うのもうまい。ビールが進む。

ずいぶん買い込んだ。暮れてきたので、アパートに戻る。さっそく着物に着替えて買ってきた本を読んだりギターを弾いたりしてのんびり過ごす。
仕事を終えた恋人と電話で少し話す。
明日はコンビニの肉まんを食べながら公園で遊ぶ約束があるので楽しみだ。

これから本を読んでお風呂を楽しむ。
せっかくの休日なのだからお湯に浸かって、長く楽しもうと思う。ぽかぽかになったら晩餐だ。
今夜のお菜はイカの刺身に、えのきポン酢、焼き椎茸と焼きトマト、それとチャンジャでビールをやっつける腹づもりだ。途中から焼酎に切り替えてもいいし、熱燗にチェンジしてもいい。

食事が済んだら本でも読みながら朝までぐっすり眠ろう。仲間の幸運でも祈りながら。

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