11月25日

24日の朝に仕事から帰宅して仮眠をとる。15時ごろ滋賀に住む友人が実家に帰っていたらしく、そのついでに立ち寄ってくれた。先日、仲間と草野球をしたのだけど、生来の運動音痴を遺憾なく発揮し口惜しい気持ちになったので、元高校球児の彼に指導してもらうべく二人で公園へ向かった。

彼はプロ野球選手を夢見る野球少年だったが、高校は普通の公立に進学し、甲子園こそ縁遠いもののサードのレギュラーで4番を任されていたこともある。ある年の甲子園の予選ではベスト8まで進出し、地元じゃちょっとしたヒーローだったそう。これ以上ない人選といえる。

貸してもらったグローブはなるほど革がよくなめされていて、素人の自分でも分かるほど、血と汗と努力が染み付いているのがわかった。

軽いキャッチボールから始まり、だんだん距離を開いてゆく。ゴロやフライの練習もしたり、肘の使い方やグローブの開き方などを教えてくれた。付き合いが長いので言い草こそ一見乱暴だが、なにかひとつ出来るとオーバーに褒めてくれて、自分は彼のそういうところが好きだ。話の面白いところも。

暗くなりかけてきたころに終えて、部屋に戻る。ギャラとして飲み物を奢らせてもらった。

そのあとは二人でたまに行く回転寿司屋に行った。そこは安いくせに、大手100円チェーンの回転寿司屋ではなかなかお目にかかれないネタがあって、しかもあまり混んでないので、なかなかの穴場なのだ。が、しかしそれも数年前までの事で今ではたくさんの客でごった返す人気店になっていた。

1時間ほど待ってようやく入店。
案内されるまでは車の中で将棋をさしたり、お話をしたり、店内にある生簀を見ながら「ブリとヒラマサの違いについて」話したり、ぼんやりと過ごす。

運動してお腹が空いたので12皿も平らげた。茶碗蒸しも。ああいうところの茶碗蒸しはなかなか馬鹿にできない。出汁が効いてて旨いと思う。

店を出て、まだ少し仕事まで時間があったのでスーパー銭湯へ繰り出した。自分と彼は無類の銭湯好きで、会うと何かにつけて銭湯へ行く。町の小さな銭湯も好きだが、せっかくなのでスーパー銭湯。
最近はSNSを中心にサウナがブームらしく、あれの気持ちよさを多くの人が知るところになって嬉しい。

券を買ってフロントに行くと男女ペアのスタッフがいて、男性の方は恰幅のいい力持ちそうな人だった。女性の方は、芸能界でも渡り歩けそうな相当な美人で、アイドルには疎いが長濱ねるという人によく似ていて、ふたりで目を丸くしてしまった。

湯船に浸かりながら「すごい美人だったね」とか「人気者なんだろうね」とかそういう話をした。来店客からも口説かれたりするのかな、とかまあくだらない話を。男の子っぽいなあと思った。

「名前はなんていうのかな」という話になったので、自分が、「たしかヨシムラさんだったよ。名札に書いてあった。正義の義に村人の村で義村さん」というと「義村さんかあ、いい名字だなぁ」と彼は何故だか満足げな表情。

露天風呂に入ったり、サウナに入ったりしてから身体を丁寧に洗い、服を着替えて出た。帰り際もう一度フロントに立ち寄ったが件の女性はもういなかった。きっと帰ったのだろう。

「義村さん、もういなかったな」と
友人が言うので
「ごめん、義村さんは女性の方じゃなくて、隣にいたいんぐりもんぐりみたいな男の人の方だった。小学校の担任の先生に似てたから勘違いしちゃった」
というと友人はぶーたれてた。

岡倉先生によく似てたんだ、義村さん。

それからアパートに戻って、すぐに用意して仕事に出かける。礼を行って解散。
仕事は暇だったが、筋肉痛で足の付け根や肩がキシキシと痛んだ。

朝方帰ってきて、爆睡する。



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