「寂聴 あおぞら説法Ⅱ」 瀬戸内寂聴
「人間はなぜ生きているのかと子どもに聞かれたら、人を喜ばせるために生きているんだよ、と教えてください。」
「寂聴 あおぞら説法Ⅱ」 瀬戸内寂聴
「寂聴 あおぞら説法」の第2弾
寂聴さんが、51歳で出家されて岩手県の天台寺の住職になり、「寺の復興とは何をすればよいか?」を考えつづけ、「一番大切なことはお寺に一人でも多く参詣者に詣ってもらうことだ」とはじめた「あおぞら説法」。
この本は前回と同じように、すべてが話し言葉で書かれていて、寂聴さんが目の前でお話しされているように思えます。
その中で、何度か出てくるお話がありました。
それが「教育」のこと。
今の世の中テレビや新聞を見ると、日々嫌なことが起こっていて、気が滅入っている方も多くいらっしゃるでしょう。
こういう恐ろしいことが起こることも、「ちゃんとした原因がある」と寂聴さんは語っています。
想像を超えた「事件や事故」、「恐ろしい出来事」が起こるのはどうしてなのか?
それを防ぐことはできないものか?
原因はどこにあるのか?
寂聴さんは、きっぱりと語ります。そのことが、この本でいちばん共感したことでもありました。
寂聴さんは、聴衆にこう語るのです。
人間の欲望は、尽きるものではありません。
欲望は満たせば満たすほど、さらに大きな欲望となって自分を追い込みます。苦しみとなって返ってくるのです。
これには「教育」や「躾」が大切だと、寂聴さんは法話の中で何度も語っているのです。
人間は誰にだって、欲望があります。
自分だけが欲望を満たすのではなく、このように考えると、生きている上での充実感、心を満たすこと。すなわち、「幸せになるのではないか?」と感じた寂聴さんの言葉が
私たちが、神様から与えられた力があります。
それは
自分を幸せにする力ではなく、人を幸せにする力なんですね。
以前、ひすいこたろうさんの本でご紹介した質問です。
あなたなら、どちらが嬉しいでしょうか?
また、やなせたかしさんはこう語りました。
人を幸せにすることは、自分を幸せにすること。寂聴さんは、人をかんたんに幸せにする方法があるといいます。
それが
和顔施(わがんせ)
笑顔の人がいると、まわりの人の心はホッとしますよね?人の気持ちを優しくするもんです。これを和顔施(わがんせ)といいます。
和顔施(わがんせ)で人を幸せにできます。
人生は、「喜ばせごっこ」なのです。
そうすると
つぎに
あなたを幸せにしてくれます!
【出典】
「寂聴 あおぞら説法Ⅱ」 瀬戸内寂聴 光文社