フィルムカメラと僕の夏
夏の訪れを肌で感じた頃、ふと思い立って部屋の片隅で埃を被っていたフィルムカメラを引っ張り出してきた。
中古で安く買ったそいつに、今では一瞬買うのを躊躇してしまうほど値上がりして高価になったフィルムを入れる。
埃を被るくらい使用していなかったことからも推して知るべしといったところだが、フィルムの交換という行為自体が相当に久々であり、おぼつかない手つきでセットするその様はぎこちなく、馬鹿に丁寧で、それだけに我ながらどこか儀式めいて感じられた。
どうにかフィルムを無事にセットし、カ