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「貧乏人は音楽聴くな!」について

初めに

この度、弊ツイートを多くの方に読んでいただき、また拡散していただきありがとうございました。

賛成、反対色々あるとは思いますが、多くの人が問題意識を持っていると知れて良かったですし、これまで気にしたことがなかった人にとって考えるきっかけになれば、
そしてこれまで違法アプリ等で音楽を聴いていた人が一人でも二人でも、正規の手段で聴こうと思ってくれていたら良いなと思います。

ツイートだと流れていってしまうので、アーカイヴという意味も兼ねてツイートの内容をこちらにも残しておこうと思います。
(Twitterではその性質上、ジョークや余談、宣伝も交えていて長くなってしまっているので、一部修正してあります)

また、Twitterでは書ききれなかった問題点(と僕が思っている点)についての考えなども最後に追記しているので、長いですがもしよければご一読ください。


「貧乏人は音楽聴くな」は正しいか


音楽の違法ダウンロードの話で
「お金ない人は音楽聴くなってことですか」という言説が出てくるけど、まあその通りだよ、ってなってしまうんだよな。
「音楽にはお金を払って聴く価値がある」
という共通の認識を取り戻さないと、君らの好きなミュージシャンみんないなくなるよ、と思ってしまう。


中学時代、財布やアクセサリー類を万引きした不良が学校で他の生徒に安く売り捌いていた。(実話)

例えばだけど、不良から盗品を購入したことが先生にバレて怒られた生徒たちが
「だってお金ないんですもん!貧乏人はオシャレするなって言うんですか!」
って言って通用すると思っているのかな。


曲解するな、という話ね。
「貧乏人はオシャレするな」なんて誰も言ってない。
無理のない範囲で楽しもう、ということ。
別にみんなと一緒のブランド物身につけてなくても死にはしないよ。
音楽も同じ。


音楽の色々な楽しみ方


好きなアーティストの曲聴くために月1000円(【補足】 Apple Musicの学割は月480円)
くらいはどうにか頑張るか、それも厳しいならネットには無料で曲を配信しているインディーズミュージシャンも沢山いるのでそういうのを漁るのも楽しいと思うよ。
僕もそうやって知ったミュージシャンがたくさんいる。

みんなと同じ音楽を聴くことだけが正ではなくて、みんなが知らない音楽を自分だけが知っている喜びとか、
それをみんなに布教する喜び、みたいな方向で楽しめたらそれはそれでまたハッピーだと思う。

一応補足しておくけど、本当の意味で「金ないやつは音楽聴くな」
なんて思ってないからね。
Youtubeに公式に上がってる曲とかラジオで満足できる人はそれで全然良いし、もっと聴きたければタピオカ2杯分くらいは頑張ろうってこと。


サブスクはいいぞ


それに、今話題のサブスク(サブスクリプションサービス)各社、1ヶ月お試し無料みたいなこともやってたりするし、Spotifyに関してはずっと無料なの知ってました?
シャッフル再生しかできない、曲と曲の間にCM的に広告が入るとか制限はあるけど、もっと便利に使いたいなら課金すれば良いわけですし。

サブスクの何が楽しいって、世界中の音楽が聴き放題なだけじゃなく、プレイリストを作ってシェアできることだと思う。
いろんな人の「僕の考えた最強のセトリ」が聴けるわけですよ。
クラスメイトたちと
「やべー、お前のプレイリスト最高だわw」
とか盛り上がれたらめちゃくちゃ楽しいと思う。

中高生の間で、サブスクを使って世界中の音楽を聴き漁りまくってまだ誰も知らない「ヤバイ音楽」を見つける遊びみたいなのが流行ったらもう無敵だと思う。

「今週、おれが見つけた最高の一曲」
を友達同士で毎週交換し合う遊びとか。
僕が高校生だったら絶対ハマってた。

以前は、クレジットカードがないと有料会員として利用できない等の問題点もあったみたいだけど、最近は学生でも作れるデビットカードとか、コンビニで購入できるiTunesカード等での支払いもできるみたいなので、クレジットカードを持っていない学生でもソシャゲに課金するのと同じ要領で利用することができるよ。

だから、
実は無料でSpotify使えたんだ、
クレカなくても登録できたんだ、
こんなに便利なんだ、
って知らない人も多いんじゃないかと思うので、是非周りの人にも教えてあげてください。

今の時代、CDを買え、というところまで強いるは難しいですがサブスクでもミュージシャンにお金は入るので合法的な手段を最大限活用して楽しめたらいいよね、という話です。
無料でも聴けるSpotify等を一度試してみませんか。


本当は音楽そこまで好きじゃない?(追記)

ここまでがツイートの内容(と補足)ですが更に追記しておくと、
本当に一切音楽にお金をかけられないくらい金銭的に余裕がない人も実際にはたくさんいると思います。
(だからといって違法ダウンロードしていいわけじゃないですが。何度も繰り返しますが、SpotifyやYoutube Music等、無料で聴く手段はあるのです)

ただ「貧乏人は〜」発言をしている人の多くはソシャゲやタピオカ等、他の娯楽には普通にお金を使っている人と見受けられました。
(僕の狭い観測範囲内の話で恐縮ですが)

そういった人の幾らかは、金銭的余裕の無さが本質的な理由なのではなく、そもそも音楽にお金をかけるつもりがないのだと思います。

今は学生だから、という人もいると思いますが、そういう人が無料で聴くことが当たり前、という価値観を培いながら大人になりお金に余裕が生まれた時に、音楽にお金を払うようになるかどうかは正直疑問です。

また、更に言うと、
(SNSを利用していると実に様々なジャンルのオタクがひしめき合っているので実感が湧きづらいのですが)
音楽なり漫画なり、特定のコンテンツに特別な愛や思い入れがない、趣味というほど好きではない、ライトな消費者は僕らが思っている以上に多いのだと思います。

(そういう人たちを「にわか」と呼ぶ人もいるかもしれませんが、にわか が悪いとは全く言ってません。
先日のラグビーの話題でも触れられていましたが、全てのにわかたちはこれからのファン予備軍と言えますし、誰でも最初はにわかなので)

Youtubeやソシャゲ、その他様々な娯楽、コンテンツにありふれた現代においては、僕らはあまりにも気軽にそれらを消費してしまえます。

きっと、Music FMで米津玄師やあいみょんを聴いていた人の一定数は、
あるいは漫画村でONE PIECEを読んでいた人の一定数は、
それらの違法アプリがなくなり、お金を払わないと楽しめなくなった時、
「仕方ないからお金払うか〜」
とはならない気がしています。

何故なら他にいくらでも暇つぶしの道具はあるから。

だから大前提として、僕らはもっと魅力的なものを作らないといけないし、魅力を伝える努力や仕組み作りを考えていかないといけないのだと思います。


違法アプリって便利らしいね(追記)


そしてまた、漫画における「漫画村」騒動の時もそうでしたが、多くの違法アプリは、無料で享受できる手軽さの上にUIも優れていて使用しやすい、というのも根強いユーザーがいる一つの理由なのかなと思っています。

そして、Apple、GooglePlay等に通報してアプリが配信停止になってもまた別の名前でアプリをリリースされたりと、いたちごっこが続いています。
(個人的にはAppleなんて元々iPodをはじめとした音楽関連で成長した会社なのだから音楽等コンテンツの権利関係はもっと厳しく取り締まってくれよという思いもありますが)

違法アプリが「無料で楽しめる代わりに操作感がめちゃくちゃ悪くて使いづらい」
ならここまで一般に使用されることはなかったかもしれませんが、そもそも導入方法もストアで落としてくるだけ、操作感も悪くない、曲も豊富とくれば、利用者が後を絶たないのは無理からぬことではあります。
圧倒的に便利ではあるので。

なので、結局のところ利用者の良心に委ねられてしまっているのが現状です。


僕らに何ができるのか(追記)


考えられる対策として、


①法整備、アプリリリース時の審査の厳重化など、違法ダウンロード手段の撲滅

②違法ダウンロードアプリをどこかの企業が買収し、広告収入等でミュージシャンにお金が分配されるように敢えて利用していく

③合法的なサブスクリプションサービスの使い勝手や魅力度の向上、アピールによってユーザーを増やすことで違法アプリ利用者を減らす

④CD、レコード、カセット等、フィジカルの付加価値を高めて所有したいと思わせる


現実的に取り得るのはこの辺りなのかなと思っています。

①②は僕ら個人がすぐどうにかできるものではないですが、

③に関しては利用者の僕らが合法サービスの魅力を発信していくことで少しでも改善できる部分はあるかもしれません。

④に関しては、ミュージシャン側がこれまで以上に考えるべき問題です。
そもそも違法ダウンロードの問題を抜きにしてもCDが売れなくなり音楽で収益化するのが難しい時代と言われているので、どうマネタイズするのかというのは多くのミュージシャン、レコード会社が頭を悩ませている問題だと思います。
これについてはバンド活動をしている僕自身も直面している問題でもあり、本当に難しい。活動の規模感によっても変わってくるとは思うけど、僕の中でもまだ答えは出ていません。

終わりに


偉そうに対策なんかを挙げてしまいましたが、これはあくまで音楽や漫画や映画等のコンテンツが大好きな僕と言う一個人があれこれ考えた末に出した現時点での意見ということをご理解ください。

それは間違ってるよ、と言う人もいると思いますが、そういう意見もあるよね、くらいに捉えていただければ。

また、もっと良いアイデアをお持ちの方がいらっしゃれば是非教えていただきたいです。

今回は音楽に焦点を当てた書き方になりましたが、これは漫画でも、イラストでも、映像コンテンツでも、クリエイターとユーザーという登場人物がいる限り必ず直面する問題だと思うので、誰かの考えるきっかけ、議論のきっかけになっていれば嬉しいです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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