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世界に色が無ければ、たぶん世界は夢なんだと思う。
夢の中で瞳を閉じれば、たぶん世界は無なんだと思う。
スターバックスでアイスコーヒーを頼むのも、マクドナルドでハンバーガーを頼むの…
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#note初心者
アラベスクは感情を揺さぶる。田園風景広がる畦道を思い出させてくれたり、排気ガス香る高層ビルの隙間風を思い出させてくれたり、あるいは世界の隅っこで泣いている誰かを思い出させてくれたり。
目を閉じてアラベスクを聴く。TVの雑音からたまたま流れてきたアラベスクに耳を傾けることはあっても、クラシックを普段から聴く人以外はそんな機会なんてそうはないだろう。
できれば、風が通る場所がいい。葉が触れ合って、名前も知らない虫が鳴いて、たまに少し離れた部屋からTVのナレーションが聞こえてくる。カーテンレースがふわっと浮いて、頬を抜けていく。そんな場所。
畳の部屋がいい。
あるのは一人
その場所から6分間直進して、最初の交差点を右に曲がる。そのあと3つ目の信号を左に曲がり、100m進んだ場所にあるものは誰かの世界の中心かもしれない。
「魂の重さってどのくらいあると思う?」
「さあ、どうでしょうね。あなたはどれくらいであって欲しいの?」
「そうだな、未練たらしい男くらい、あればいいんじゃないかな?」
「それは重いわね」
「急にどうしたの?」
「夢を見たんだ。誰かが生まれ変わる夢さ。
天空から大地を見渡して、宇宙へ出たり、世界遺産へ行ったりして、結局、生まれ変わることは出来なかったけど、なんだか考えてしまってね。空を飛んでいたん