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色弱の世界を彩る

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世界に色が無ければ、たぶん世界は夢なんだと思う。 夢の中で瞳を閉じれば、たぶん世界は無なんだと思う。 スターバックスでアイスコーヒーを頼むのも、マクドナルドでハンバーガーを頼むの…
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#note初心者

アラベスクは感情を揺さぶる。田園風景広がる畦道を思い出させてくれたり、排気ガス香る高層ビルの隙間風を思い出させてくれたり、あるいは世界の隅っこで泣いている誰かを思い出させてくれたり。

アラベスクは感情を揺さぶる。田園風景広がる畦道を思い出させてくれたり、排気ガス香る高層ビルの隙間風を思い出させてくれたり、あるいは世界の隅っこで泣いている誰かを思い出させてくれたり。

 目を閉じてアラベスクを聴く。TVの雑音からたまたま流れてきたアラベスクに耳を傾けることはあっても、クラシックを普段から聴く人以外はそんな機会なんてそうはないだろう。

 できれば、風が通る場所がいい。葉が触れ合って、名前も知らない虫が鳴いて、たまに少し離れた部屋からTVのナレーションが聞こえてくる。カーテンレースがふわっと浮いて、頬を抜けていく。そんな場所。

 畳の部屋がいい。
 あるのは一人

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生きることは、誰かの喪を纏うこと

生きることは、誰かの喪を纏うこと

 はじめて「パラレルライン」という小説を先日投稿させてもらった。
 そのあと直ぐに大阪で大きな地震が起こった。パラレルラインは7年前の東北地震を思い返しながら数年前に書き上げた小説だが、なんとも言えない複雑な気分になったのは確かだ。

 今回タイトルにした「生きることは、誰かの喪を纏うこと」このように感じるきっかけになったのは、東北地震のあとだ。

 人生の中で出会ったたくさんの人、それは記憶の奥

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そのグルーヴに誘われて

 七尾旅人のRollin' Rollin'が久しぶりに聴きたくなって、iPhoneで検索したら石崎ひゅーいを聴いていた。何故だろう?
 久しぶりに聴いてるなと発売日を見たら2013年の楽曲だった夜間飛行。もう5年も前になるのかと、時間の流れる早さに驚いてしまった。

 5年前といえばフリーランスになって数年、働かなきゃ仕事が無くなりそうで怖かった毎日だった。そんな時J-WAVEでpowerpush

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その場所から6分間直進して、最初の交差点を右に曲がる。そのあと3つ目の信号を左に曲がり、100m進んだ場所にあるものは誰かの世界の中心かもしれない。

その場所から6分間直進して、最初の交差点を右に曲がる。そのあと3つ目の信号を左に曲がり、100m進んだ場所にあるものは誰かの世界の中心かもしれない。

「魂の重さってどのくらいあると思う?」
「さあ、どうでしょうね。あなたはどれくらいであって欲しいの?」
「そうだな、未練たらしい男くらい、あればいいんじゃないかな?」
「それは重いわね」
「急にどうしたの?」
「夢を見たんだ。誰かが生まれ変わる夢さ。
 天空から大地を見渡して、宇宙へ出たり、世界遺産へ行ったりして、結局、生まれ変わることは出来なかったけど、なんだか考えてしまってね。空を飛んでいたん

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名前なんてなんでもよかった。ただ僕が吸っていたタバコの銘柄が「命の別名」だったから、君の名前を「命の別名」と名ずけた。

名前なんてなんでもよかった。ただ僕が吸っていたタバコの銘柄が「命の別名」だったから、君の名前を「命の別名」と名ずけた。

iPodをシャッフルする
モニク・アークが奏でる旋律はドビュッシー
月の光はネオンに閉ざされている
ただ、ぼくの頭蓋の内側は
プラネタリウムのように投影された
月明かりと暖かな光
新宿は今、忙しなく奏でる足音の旋律
ぼくは君のことをこんな風に誘うだろう
お茶でもどう? パリのカフェで。

そこにある色鉛筆で、デタラメな文字の羅列を再構築するには

そこにある色鉛筆で、デタラメな文字の羅列を再構築するには

先日初めてnoteに投稿させていただいて、この1年間くらいただ見るだけだった僕は、少しだけ何かをやってみたくなった。

「それが正直な気持ちです」

右手に持った無限の彩りを放つ色鉛筆、左手はたぶん毎日違う何かを持っている。
それは綺麗なnoteであったり、何かの切れ端であったり、古地図であるかもしれない。

その古地図に色鉛筆でデタラメな文字の羅列を記す。例えばそれは、奥歯を噛み砕いた肥満体のよ

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