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【徹底解説】「生きた昆虫」を操縦?未来のドローン「メカビートル」の世界


ついに生物を操縦できるようになってしまいました!

しかも、今回操縦するのは、あの「ゴキブリ」です!

一体どういう仕組みなのか、どのように応用できるのか、気になりますよね!
ということで、今回は生きたゴキブリロボットの研究を解説していきます!

(ニュース本文はこちら👇)


生きたメカゴキブリ

これは、シンガポールの南洋理工大学によって行われたゴキブリを操縦する研究です。

改造の対象となったのはマダガスカルの森林に生息するゴキブリの一種(Gromphadorhina portentosa)です。


ゴキブリ操縦の仕組み

今回の実験の流れはこのようになっています。

研究者たちは、この普段は落ち葉などの植物を食べて過ごしている温和なゴキブリの背中に、通信アンテナと赤外線カメラ、そして電気刺激装置を搭載した装置を載せました。
電気刺激装置はゴキブリの後方に存在する「しっぽ」のように突き出た2本の尾毛と腹部の中央部分の左右に埋め込まれた電極(計4本)とつながっています。
ゴキブリの尾毛は触覚のように物体を感知する働きがあり、ゴキブリは刺激された尾毛とは反対の方向に方向転換する習性があります。

想像するとグロテスクですが、かわいくイラストにしてくれてるのでわかりやすいですね!

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このゴキブリのしっぽを刺激されると逆方向に方向転換するという修正をうまく使って、電極経由で電気信号を送ることによってラジコンのように遠隔操作し、目的地まで操縦することができます。

そして、実験ではなんと94%の精度で目標地点への誘導を成功させています。

今回の実験は前回の記事のテレパシーのように、脳波を使わなくても動物を操作できるという点で画期的な実験であると言えます!(テレパシーの記事はこちら👇)


メカゴキブリの未来

研究者たちは、コンピューターと昆虫のハイブリッドロボが、災害時などの生存者捜索において非常に有用だと考えています。

確かに、人が入れないような倒壊現場や、福島原発事故のような汚染現場において、AIを使って自動操縦された大量のゴキブリが救助の手助けをする日は来るかもしれません。

機械のラジコンとの製造費用の差が気になるところです!

神経を制御する「メカトンボロ」

先ほどのように、筋肉や脳に電極を埋め込み、単純な刺激によって昆虫えお操作する事例は2008年ごろからいくつも発表されており、ゴキブリ、蛾、イナゴなどで成功事例があります。

一方、昆虫が持つバランス感覚やセンシング能力と同調していないために、複雑な動きや行動を再現できないという問題が残っています。

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それに対し、DragonflEyeと呼ばれるメカトンボは精密機器を積んだバックパックを装着し、そこから神経システムへと信号を送ることで、「どのように飛ぶか」という複雑な指令を与えてコントロールすることに成功しました。

また、これは超小型ソーラーパネルで動くため、重たいバッテリーを乗せなくてもいいという利点もあります。

こうなってくるともはや自然界のドローンですね!しかも、消費電力はドローンに比べて圧倒的に少ないため、大量生産できてしまいそうです。

戦争利用で、遠隔操作された昆虫が主力になることもあるのではないでしょうか?


また、現在、生きた細胞で作ったコンピューターで動きをプログラムできる「生体ロボット」も研究されています。

こちらについては、今後別の解説で紹介していくので、お楽しみに!(ニュースはこちら👇)


おわりに

最後まで見ていただきありがとうございました!

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