伊藤和麻

早稲田大▷早稲田大学院▷建設会社(市民ランナー)▷住友電工 ■陸上競技長距離に関わる…

伊藤和麻

早稲田大▷早稲田大学院▷建設会社(市民ランナー)▷住友電工 ■陸上競技長距離に関わるトピックスを不定期に執筆していく予定です■1500m 3'49"32/5000m 13'47"72/10000m 28'28"92/ハーフマラソン 62'10

最近の記事

実業団引退のご報告

2022年年末、2023年シーズン(2023年4月~2023年12月)に5000mもしくは10000mの自己記録を更新できなければ実業団選手を引退すると決めて競技に取り組んできました。 結果は以下の通りで、結論として2024年2月25日の大阪マラソンをもって実業団選手を引退する運びとなりました。 <2023年度シーズン結果> 5000m :14分00秒69(12月2日 日体大記録会) 10000m:29分11秒09(11月26日 日体大記録会) <自己記録> 5000m 

    • 膝蓋腱炎と2022年

      大学時代から故障のデパートと言われ、幾度となく故障を繰り返してきたが、2022年はこれまでで最も故障に苦しんだ1年となった。 自分がこの一年を通じてどのような取り組みをしてきたか、そして同じように膝蓋腱炎(いわゆるオスグット)に悩む人の一助となればと思い、2022年12月31日に久しぶりに筆を執る。 ■経過 ・2021年8月。ランニング時、時折右膝(脛骨粗面:オスグット)が痛むことがあった。ただ、痛みは一瞬であったり、数日後には消失していたので大腿四頭筋の張りから来るものだ

      • 出会いから別れまで

        先日とあるチームメイトが引退した。 このチームメイトは入社して以来の6年間、私が指導した選手である。 彼は入社時、大学からの故障を抱えた状態で入社した。故障が中々癒えず、jogすらままならなかった。もちろんレースの目途も秋まで立たなかった。 そんな中、コーチと選手という立場で一緒に競技を続けていくことになった。 当時の私はメニューなどを考えて他の人へアドバイスなどをした経験はあったが、本格的に選手、しかも実業団レベルを指導したこともなく、まさに手探りの状態であった。 検

        • 【雑感】アスリートのパフォーマンス発揮

          冬季オリンピックや東京マラソンを見て、活躍するアスリートの特徴とは?と考えていた。ひとまず自分なりに気が付いたことを忘れないようにメモしておこうと思う。 ①自己のパフォーマンスを発揮することに専念する スポーツは競技なので他者との戦いが、やる側にも、見る側にも楽しみをもたらすのであるが、活躍するアスリートの発言を聞くと、他人との戦いというよりも、まずは「自己のパフォーマンスを最大限発揮する」ことに集中しているように思える。自分ではコントロール出来ない対戦相手や気象条件につい

        実業団引退のご報告

          パーフェクトマイル 1マイル4分の壁に挑んだアスリート

          1マイルを4分で走ることが不可能と考えられていた時代、同じ時期に才能あふれる3名の選手が偉業を達成すべく自身の限界に挑んだノンフィクション物語である。 イギリスのロジャー・バニスター。彼は医師を志す学生であり、1950年代にも関わらず、自身の身体を実験材料とし、最大酸素摂取量などを測定し、理論的に4分の壁に挑んでいた。 オーストラリアのジョン・ランディは裕福な家庭に生まれ、農学を学ぶ大学生。ヘルシンキオリンピックの惨敗をきっかけに走ることに目覚め、世界を席巻していた人間機

          パーフェクトマイル 1マイル4分の壁に挑んだアスリート

          5000m自分歴代10傑

          今回の東海大記録会を走って13分台が10回の大台に乗ったので記念に2021年6月4日時点最新5000m自分歴代10傑+αを思い出と共に書き記します。 1位 13分47秒72 2019年7月13日 ホクレン士別 2位 13分50秒13 2017年5月6日 GGN 3位 13分50秒20 2016年12月4日 日体大記録会 4位 13分54秒98 2015年7月11日 ホクレン網走 5位 13分55秒81 2020年7月15日 ホクレン網走 6位 13分58秒02 2012年1

          5000m自分歴代10傑

          Nike Spike-Flat レビュー

          ずっと気になっていたNike Spike-Flatを遂に購入したのでレビューしてみようと思う。私自身は2012年からトラックレースではズームマトゥンボを履いており(最近はドラゴンフライも履く)、1500m~10000mの自己記録は全てマトゥンボシリーズで樹立している。それくらいお気に入りシューズである。また、ストリークLTシリーズも現行のストリークLT4と同じソールが採用されたストリークLT3から数えて10足は履き潰している。 厚底シューズ全盛期の現在においては薄底シューズの

          Nike Spike-Flat レビュー

          東京MDC3000m

          気が付けば21年目のシーズンイン。 今までの今年のシーズン初戦は高校時代に東京都総体で辛酸を舐めた駒沢オリンピック公園で開催された『東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ』の3000mとなった。 (冒頭の写真は@chibeeeevさんより頂きました) 今大会の位置付けとしては、 ①冬季トレーニングを経た現状確認 ②今後のトレーニング方針を定める であった。そのため、試合前の2日間はjogの量こそ減らしたが、トレーニングの流れは変えずに出場した。 結果は8分19秒98の組

          東京MDC3000m

          2020年の振り返り

          2021年になって数日が経ったが、2021年をより良い年にするためにも2020年を陸上競技面から振り返ってみる。あえて書くようなことでもないと思うが、自分自身への備忘録として。 2020年の目標は下記であった。トラックの2種目で自己記録を更新目指し、駅伝ではチーム選考を勝ち抜き、試合で結果を出すというシンプルなもの。 ■5000m:13分40秒 ■10000m:28分20秒 ■関西実業団駅伝:区間賞 ■全日本実業団駅伝:個人区間5位以内 そして結果は下記の通り。 ■5

          2020年の振り返り

          【コラム】勘違いが生んだモチベーション

          大学を無事に卒業した私は早稲田大学の大学院へ進学することが決まっていた。しかし、授業開始まで2か月時間があり、暇を持て余していた私は、この期間を利用して「箱根駅伝」という目標があるわけでもないのにも関わらず、せっせとジョギングに勤しんでいた。しばらく経つとジョギングにも飽き、いよいよ本当にやることがなかったので、ついに久しぶりにインターバル練習を再開した。 と言っても競技場まで足を運ぶのは面倒だったので近所の大学敷地内のコースで行うことにした。そこはちょうど1周1km(当時は

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          主観的な感覚と客観的な感覚

          走る際にいつもフォームのことばかりを考えている。 良いポイントに身体が『ハマっている』時は、身体への負担がなく、スーッと身体が前に進んでいく。 大抵、この感覚の時は試合でも練習でも非常に高いパフォーマンスを発揮することが出来る。なのでこのいわゆる『ハマっているフォーム』を常に再現すること、もしくは再現性を高めることが出来ればいつも高いパフォーマンスで気持ち良く走ることができる。 では、どうやって『ハマっているフォーム』を再現するか。これが簡単なようで難しい。わたしも数十年に

          主観的な感覚と客観的な感覚

          オーバー30歳

          加齢というとネガティブな印象を抱く人が多いのではないか。私自身、今年で32歳を迎え、若い頃の自身の肉体との変化を感じると共に、フレッシュなチームメイトと比較しても肉体の衰えを感じている。 しかし、その一方で加齢に負けず、むしろ年齢を重ねるにつれて活躍する選手も存在することは事実である。みなさんご存知の世界最速最強マラソンランナー、エリウド・キプチョゲ選手は35歳である。また、モハメド・ファラー選手は37歳、ケネニサ・ベケレ選手は38歳である。彼らの実績は言うまでもないため、

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          5000m13分台を初めて出した時の練習④まとめ

          前回までで4月~9月までの練習実績を記載しましたので、今回はまとめとして「なぜ13分台が出せたのか」自分なりに分析してみます。あくまで当時の考えを分析したものなので、現在の考えと違うところもありますし、生理学的に間違っている可能性もありますのでご承知置きください。 1. 継続こそ力なり大学院約2年間の内、故障でトレーニングが中断した期間は3週間ほど。大学時代は3か月練習して3か月故障というサイクルをほぼ4年間繰り返していたので雲泥の差。大学院時代の月間走行距離は300km前

          5000m13分台を初めて出した時の練習④まとめ

          5000m13分台を初めて出した時の練習③

          ホクレンDCにて13分18秒を筆頭に13分40秒や28分20秒切りが続出した中で偉そうに語るのも恐縮なのですが、『5000m13分台を初めて出した時の練習』3回目になります。練習を組み立てる際の参考になれば幸いです。 ◆レースに臨むにあたって考えていたこと ・試合前の1000mはしない。理由はメリットを感じないため。どちらかというと1本走ることによる疲労や、わざわざ競技場へ行って1000m走り、感覚が悪かった時に試合へ良いイメージを持てない等のデメリットがメリットを大きく上

          5000m13分台を初めて出した時の練習③

          5000m13分台を初めて出した時の練習②

          ◆メニューを組み立てるにあたって・5月の関東インカレで撃沈したことを踏まえて、13分台を出すには根本的に練習を変えないといけないと感じていた。 ・具体的にはある程度スピードを出す中で動きにゆとりを持たすことを目標としていた(当時読んでいたダニエルズのランニングフォーミュラに影響を受ける)。なので7月は200mや400mの練習が多めだが、全力で走るわけではなく、スタートは加速し、中間疾走はいかにエネルギーを使わず、スピードを維持するかを考えながら行っていた。 ・練習はほとんど一

          5000m13分台を初めて出した時の練習②

          5000m13分台を初めて出した時の練習①

          大学までは「朝練習をしないといけない」、「月間〇〇〇km以上走らないといけない」、「ポイント練習前は完全休養してはいけない」、「試合前日は1000mやらなければならない」などの思い込みがありましたが、時間的制約がある中で練習をすることで、今までの固定概念を打ち破り、記録を出すことが出来ました。視点を変えることで、新たに得られるものもあるかもしれません。このnoteでは大学院2年時の9月日体大記録会にて13分台を狙い、実際に目標を達成した時までのメニューを4月から全3回に分けて

          5000m13分台を初めて出した時の練習①