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出会いから別れまで

先日とあるチームメイトが引退した。
このチームメイトは入社して以来の6年間、私が指導した選手である。

彼は入社時、大学からの故障を抱えた状態で入社した。故障が中々癒えず、jogすらままならなかった。もちろんレースの目途も秋まで立たなかった。

そんな中、コーチと選手という立場で一緒に競技を続けていくことになった。
当時の私はメニューなどを考えて他の人へアドバイスなどをした経験はあったが、本格的に選手、しかも実業団レベルを指導したこともなく、まさに手探りの状態であった。

検査をしても故障の原因がわからず、いつ足が治るかわからない、先の見えない状態であった。そんな中でもコーチとしてド素人の私を信頼し、彼は付いてきてくれた。

今、練習を見返してみてもよくわからないメニューを処方していたり、間違ったこともたくさん言った。結果が出ず、苦しんでいる時に気の利く一言もかけられなかった。

最終的に日本選手権には3回出場できたが、一度も決勝の舞台に立たせることは出来なかった。そして結局5000mの自己記録は大学のままで終わってしまった。

彼のポテンシャルからすればきっとこの結果は思い描いたものでは決してなかったはずだ。今、思い返せば、「あの時こういう言葉を掛けておけば・・・」だとか、「こういう練習をしていたら・・・」とか、いろいろ後悔は尽きない。他の優れたコーチが指導するという世界線があったらもっとすごい選手になっていただろう。

ただ、今さら悔いても時を巻き戻すことは出来ない。彼から様々なことを学ばせてもらい、経験させてもらった。その経験を次の指導へ活かし、今みている選手たちが望む結果を出せる様、サポートしていくことが私に出来るコーチとしての役割であろう。

そして最後まで付いてきてくれた彼の次の挑戦を陰ながら応援したいと思う。

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