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マンガ&エイガ考察

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マンガや映画などの作品について考察・言及したものです。
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#漫画

『宝石の国』インターミッション

『宝石の国』インターミッション

『宝石の国』考察の完結編の前に、インターミッションです。

この作品は各単行本のキャラクター紹介ページも楽しく、見開きでその世界観が存分に発揮されています。それぞれのキャラクターに添えられた簡潔な紹介コメントも、物語が進むにつれて少しずつ変化します。

それぞれ見ていきましょう。

※画像はタップすることで拡大できます。

1巻なし。

2巻まずは2巻。序盤の平和な「学校感」がそのまま出ています。

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荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』

荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』

18歳の春、仙台にあるデザイン専門学校の見学に行った際、玄関横のロビーにあるソファで待つ間に渡されたのは「ジョジョの奇妙な冒険」のコミックスの束だった。
「当校の卒業生の作品です」
漫画読みなら知らないものはいない荒木飛呂彦とのそれが初めての出会い…というのは嘘で、「ジョジョ」の第一部も僕は「少年ジャンプ」でリアルタイムで読んでいたし、なんならその前のいくつかの短い連載作品もほとんどすべて読んでい

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さらばゴールデンカムイ

さらばゴールデンカムイ

[ご注意]本稿はネタバレを盛大に含みます。

まずは作品について『ゴールデンカムイ』は2014年から週刊ヤングジャンプに連載された漫画作品。作者は野田サトル。Wikipediaから引用すると「明治末期(日露戦争終結直後)の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画」だそうである。「冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・GAG&LOVE 和風闇鍋ウエスタン」というキャッチコピーもあったが、的

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『宝石の国』考察(後編)

『宝石の国』考察(後編)

いよいよ後編です。
前編と中編のリンクも貼っておきますので、未読の方はどうぞ。

記事本編に入る前に、まず本作が12年間の連載を終えて完結したことを記さねばなりません。市川先生、お疲れさまでした。
「予定通り終わることができてよかった」というコメントそのままに、実にぴったり百八話での完結、物語としても美しくまとまって終われたことが素晴らしいと思います。

では、書いていきます。

深刻化する宝石た

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『宝石の国』考察(中編)

『宝石の国』考察(中編)

中編です。
前回の最後に「後編へ続く」と書いておきながら、とても2本には収まらないと思ったので訂正して3部構成(とりあえず)です。
前編の最後の1行も直しておきました。

イメージの圧倒的豊かさこの作品は一枚絵の完成度が高いと前編で書きました。
シンメトリックな構図、繊細な描写、キャラクターたちの美しいフォルム、モノクロなのに「色彩豊か」と言いたくなるような光と影の鮮やかな捉え方。どれも非常に見事

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