布団至上主義

東大合格者数全国トップクラスの進学校を中退して引きこもっていました。お布団をかぶってT…

布団至上主義

東大合格者数全国トップクラスの進学校を中退して引きこもっていました。お布団をかぶってTwitterをする毎日にも飽きて、1,000冊の本を読み大学に入学し、音楽系のクラブでバーテンダーをしながら恋愛相談に乗ったり、書評誌にエッセイを書いたりしていました。今はしがない社会人です。

最近の記事

  • 固定された記事

誰よりも理性的に発狂する人を、天才と呼ぶとして。

 小説です。そう思って読んでください。 **  せいぜい偏差値70程度くらいの高校に通っていて、自分のことをなまじっか頭が良いと恥ずかしい勘違いをしたまま大人になってしまった、中途半端なガリ勉にしか会った事がない人には、決して分からない事がある。   本当に頭がいい人は、とても感情的だという信じ難いこの世の真理だ。  偏差値75を超える進学校に「ここより偏差値が高い高校はないから」と、仕方なしに入学した天才たちに会った事があるか。  高校1年生のときに、高校3年生に混

    • 良質な小説は街の雰囲気を活写するのが上手い

      良質な小説や映画では、街の雰囲気をうまく捉えている、と評した映画評論家がいた。 仲野の街の退廃や、池袋の街の朝日に濡羽が光るカラスの群れや、下北沢の音楽バーまで漂うカレーの匂い。 「あるある」「わかる」と共感されながら、その書き手にしか掬い取れないものを描ける人が上手いと。 人に例えたらわかりやすい。 好きな人のことを一言で表現するときに、「確かに」と腑に落ちる共感を一言で表しつつ、その言葉を聞くまで考えたことがなかったような魅力を言語化しているのが、愛の言葉だとして。

      • 言いたいことを可愛さとあざとさでラッピングして言語化できる人は強い。

        僕にはマーケターの友人がいる。 彼は平日は人々の無意識の欲求を言語化される前に汲み取って形にする仕事している。 にも関わらず、プライベートでは恋人が言葉にしないあれこれを汲み取れずに破局をくりかえしていて、仕事ではできてもプライベートではできていない不器用な人間らしさが愛おしかった。 *** だが、よく考えてみると 割と多くのカップルが破局する原因なんて、突き詰めたら「相手にどこまで汲み取って欲しいのか」の行き違いだ。 我々も、マーケターの友人のことを笑えない 「こ

        • 恋なんて上手くなるなよ。不器用に足掻けよ。

          だいたいのことは上手くなると嬉しいけれど、恋が上手くなったとの豪語する人がいたらなんだかつまらない。不器用に足掻けよ。 *** 人と会うなら、ときめかせる事が礼儀だ、と断言していたイケメンは、デートはもちろん、同性と会う時も会う日が楽しみでわくわくできるように。そして当日はその期待を1%だけ超えるのだと。そういえば、彼からもらった誕生日プレゼントに花を添えられていて泣きそうなほど感動した。 関係に慣れると、ともすると惰性が入って「心のときめき」を忘れがちだ。大袈裟でなく

        • 固定された記事

        誰よりも理性的に発狂する人を、天才と呼ぶとして。

        マガジン

        • エッセイ
          130本
        • 恋愛
          3本
        • 書評
          8本
        • 短編小説
          20本

        記事

          「つまらない服を着てるとつまらない人生になるわよ」

          「つまらない服を着てるとつまらない人生になるわよ」 あるドラマで黒木瞳が、吐き捨てた台詞だ。 好きな作家の原作で、数年後に再び出会ってからその言葉を何かの折に思い出す。 人間は周りの友人を足して割ったような人になる、とは話していて気が合う価値観の同士で惹かれ合うからだ。 恋人も似ている。 欲情する相手と付き合うことが多い。 たかがセックスなんかと軽視する人もいるが、体の距離が離れると心の距離も離れる、とは村山由佳の『花酔い』の一節だったか。 異性と共にいる時間は、セッ

          「つまらない服を着てるとつまらない人生になるわよ」

          余裕を持ちたい

          村山由佳や、花房観音のような濃密な性描写を描いた小説を読むと、蕩けるような触れ方や焦らすような男性の指遣いに惹きつけられる。 しかし、いざ自分が触れる時は恋人の可愛すぎる魅力に圧倒される。 すぐに触れたい気持ちが優ってしまい、性急に一連の流れに没頭してしまう。 余裕を持ちたい。 *** そういう行為のときに目の前の恋人に夢中になりすぎて「あらあら、余裕なくなっちゃって。お可愛いこと」みたいに思われる瞬間があるのだろうな、と思うことがある。 淑女の皆様、どうなんでしょ

          余裕を持ちたい

          仕事とお金の遣い方についての価値感。

          仕事とお金の遣い方についての価値感。 残念ながらこれは僕の話ではない。 大学時代にコンサルでインターンをしていた時に、優秀な東大生の同期がいた。 これは飲み会で彼が話していたことだ。 話を聞いたのはほんの数分のはずなのに、就活で会社を選ぶ際や、その後のお金を遣う時にもふと脳裏を過ぎる。 私が彼の話を思い出した累計時間は、彼が恵比寿にあるKINTANの焼肉屋で語った時間よりも、遥かに長いだろう。 自分の中で断片的になっている記憶を、ここらで言語化してまとめておこうと思った

          仕事とお金の遣い方についての価値感。

          【日記】社会人1年目の読書の傾向

          社会人になって1年間めの前半は、資格試験のテキストとビジネス書を読むことが多かった。少し落ち着いて、後半は大学時代に講義を受けていた哲学と経済学の専門書をときどき心に余裕がある連休に読み返すようになった。最近は、大学受験に使った日本史と世界史のテキストを読み返している。日本史と世界史の流れを、ざっくり抑えておくだけで骨太な専門書の歴史の流れが噛み砕いて理解できて、書籍への理解度がぐんと上がる。 元外務省情報分析官の佐藤優が述べるように、歴史科目は暗記要素が多いから、読むだけ

          【日記】社会人1年目の読書の傾向

          お酒でふわふわな時って音楽を爆音で聴きたい

          酔ってふわふわした帰りに書いた駄文。 *** ふわふわな状態でイケイケの爆音の好きな音楽聴いたら合法的にトベるじゃん!とかいう頭が悪い冴えた解決策がクラブという文化だし、もっとふわふわになったら気持ち良すぎて世界が蕩けるから非合法な薬まで足を突っ込む人がいるし、そこまでいかなくてもクラブからセックスにもつれ込む人たちが多いのはふわふわして気持ちいい状態で、もっと気持ちよくなっちゃいたいみたいな本能に忠実なだけなんだろうな。渋谷にはハーレムとか、そんなナンパのためのチャラ箱

          お酒でふわふわな時って音楽を爆音で聴きたい

          やんごとなきラブな日常よ続け

          ゼミ教員が学生を美術館やらフランスやらといったキャンパスの外に連れ出してくれるタイプのチャーミングな方だった。 その理由が「文学は、経験したこと、本人が心から問題意識を持っていることしか向き合えない。だから教室を出て私とデートに行きましょう」とゼミ生たちに向かって語りかけていたの、社会人になった今思い返しても好きすぎた。 *** されど、そんな大学生活は過ぎ去り、キャンパスから年嵩を増した我々は叩き出され、社会の荒波ににゃーんと鳴きながら揉まれて生きている。出来れば社会

          やんごとなきラブな日常よ続け

          「この人の感性を生活のワンシーンとして独占していきたいと思ったら」

          付き合いたいと思う瞬間について、「この人の感性を生活のワンシーンとして独占していきたいと思ったら」と呟いた友人のことを、なんだこいつどちゃくそ好きなんだが!!!と思ったことがある。 その友人然り、素敵な言葉で、「そう!それが言いたかったの!!」と思うような、それを読むまで言語化できなかった気持ちを掬い取ってくれる人の感性に憧れる。 引きこもって本ばかり読んで現実逃避していた時に、特にすっごく心が震えた瞬間が何度かあって、僕がいま本を読む理由も、文字を書くこともかなりこの思

          「この人の感性を生活のワンシーンとして独占していきたいと思ったら」

          映画『ちょっと思い出しただけ』と葉の厚いハーブ

          映画『ちょっと思い出しただけ』で、主人公が毎朝、部屋にある植物に霧吹きで水をあげるシーンがある。 就活中、ひたすらESを書いたり祈られたりしながら、心が荒んでいた時に観て、癒された。 妙に心の底に残っている風景だ。 そんなワンシーンを思い出して、脱毛の帰り道に葉の厚いハーブを買った。

          映画『ちょっと思い出しただけ』と葉の厚いハーブ

          『汝、星のごとく』と思ったこと

          毒親と貧困に苦しんでそこから飛び出した少年と、飛び出せなかった少女を描く『汝、星のごとく』が好き。 思春期の欠乏は、その後の全ての人生に影を落とすとすれば、その影への呻吟を書いているところに引き込まれた。 最近、書店に寄ったら、続編が出ているのを知ってにこにこしている。 *** 「思春期に欠落したものが、一生影を落とす」し、自分とどこか重なってみえる主人公にグロテスクだと思いつつも心を慰撫されるのが小説を中毒的なまでに読みたくなる理由なのだろう。 「勉強のため」なん

          『汝、星のごとく』と思ったこと

          意外と男の子はセックスが好きではない

          吾輩は猫である。 名前はまだない。 と、猫の視点で書き出したのは、夏目漱石である。猫の視点になった理由は諸説ある。 漱石は作中で文壇批評も行う予定で書き始めた。 「ねこ」という視点を取ることによって、厳しい批評を言っても「でも、猫が言ったことだし…」と言い訳ができる余地が生まれたから、らしい。 そんなふうに、文学部の講義で聞いたことがある。夏目漱石、可愛い。 さて。 そんな言い訳(できているか分からないけれど)、 私も少し気恥ずかしい内容を書いた後は「にゃーん」とか語

          意外と男の子はセックスが好きではない

          人生がぱっとする人と、ぱっとしない人を分けるものは情報の質だ。

          人生がぱっとする人と、ぱっとしない人を分けるものは情報の質だ。 大学時代に、大学院の教員が酔って話していた。 高田馬場の安居酒屋で聞いた時はよく分からなかった。しかし、最近腑に落ちた気がしたから文字に起したい。 村上春樹が述べるように、「ある種のストーリーは、数年経ってから急に腑に落ちる事がある」。 それは人生経験の積み重ねや、ライフステージが変わったことに起因する。 あるとき、ふと急に腑に落ちるのだ。 ちなみに、こんな書き出しから始めるが、筆者はエリートではない。 高

          人生がぱっとする人と、ぱっとしない人を分けるものは情報の質だ。

          頭が悪くならずに恋することなんてできない(過激派)

          恋人と駅のホームでまたねって手を振った寂しさをひきづって、5分くらい「にゃーん」しかLINEの返信で返せないになった。 別れ際は、寂しい顔をすると、寂しさが増大してしまう気がするので、無理に寂しくない顔をしがちな、夜。 こんな夜の寂寥たる気持ちの帰り道に、胸を温めるホットココア代わりに読みたい短歌集は、谷川電話『恋人不死身説』。 恋人を想う気持ちがメンヘラじみていて、頭が悪くて非常に好きです。 ページを捲るごとに、自分のメンヘラさがまだまだだと思わせてくれるところが、

          頭が悪くならずに恋することなんてできない(過激派)