『汝、星のごとく』と思ったこと
毒親と貧困に苦しんでそこから飛び出した少年と、飛び出せなかった少女を描く『汝、星のごとく』が好き。
思春期の欠乏は、その後の全ての人生に影を落とすとすれば、その影への呻吟を書いているところに引き込まれた。
最近、書店に寄ったら、続編が出ているのを知ってにこにこしている。
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「思春期に欠落したものが、一生影を落とす」し、自分とどこか重なってみえる主人公にグロテスクだと思いつつも心を慰撫されるのが小説を中毒的なまでに読みたくなる理由なのだろう。
「勉強のため」なんて賢い理由では、食費を削ってまで本を読まない。
救われたいから本を読む。
シンナー求めて涎を垂らす歌舞伎町の中毒者と、脳みその中身はそんなに違わない。
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