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良質な小説は街の雰囲気を活写するのが上手い

良質な小説や映画では、街の雰囲気をうまく捉えている、と評した映画評論家がいた。

仲野の街の退廃や、池袋の街の朝日に濡羽が光るカラスの群れや、下北沢の音楽バーまで漂うカレーの匂い。

「あるある」「わかる」と共感されながら、その書き手にしか掬い取れないものを描ける人が上手いと。

人に例えたらわかりやすい。
好きな人のことを一言で表現するときに、「確かに」と腑に落ちる共感を一言で表しつつ、その言葉を聞くまで考えたことがなかったような魅力を言語化しているのが、愛の言葉だとして。

そういう言語化した視点で、その人だけの魅力を抉り抜くことができる人と、少し近い。

そういう意味だと、映画も小説も生活も断片的に切り分けられるものじゃない。

良質な映画や小説の描写と、それを生活に活かしたいとすることはナチュラルに地続きだし、そうやって生きている人に僕は魅力を感じる。

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ところでここ数日、春めいて急に暑いね。
写真はプラントの生搾りレモネード。
夏になると飲みたくなる。

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