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書評

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本を読んだ書評です。ところで批評家の東浩紀は、書評や評論家はクリエイターの作品に寄生して何かを語ることしかできないと自虐していました。彼の語り口が好きです。
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記事一覧

村上龍『ユーチューバー』

印象に残った点、まとめ。 ・俺が小説を書くのも、そういった怒りなんだよ。もう頭に来て、そ…

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【書評】酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか 』(…

酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか 』(講談社現代新書、2…

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本を読んでも知性の切先は鋭くならない絶望に沈む金曜日

知性の切れ味が鋭い人になりたいと夢見つつ、「人は自分の持っていないものを欲しがる」という…

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小説が好きだ。「ここではない世界」に行くことができるから

 書評  平野啓一郎『私とは何か-「個人」から「分人」へ』  平野啓一郎『私とは何か-「個…

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村上春樹原作『ドライブ・マイ・カー』

村上春樹原作、『ドライブ・マイ・カー』が公開された。興味があるのだけれど、まだ観れていな…

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千葉雅也『デッドヒート』と小説についての偏愛

千葉雅也『デッドヒート』。 院生の視点で綴られた小説だが、著者が立命館でフランス現代哲学…

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島本理生『星のように離れて雨のように散った』

文章として稚拙な言葉選びなのに、胸元を掴んで涙ながらに揺さぶられるような文章に出会うことがある。 逆に、語彙も絢爛で助詞の使い方までビシッと決まっているのに、なぜか午後の数学の授業の時みたいに眠くなる文章もある。 いままで、その理由が分からなかったが、端的に言い当てている小説の1シーンがあった。 「表現としては稚拙だったり、視点が偏っているところもあるけれど、これはあなたの物語だと思います。…(中略)…なにより、切実さが感じられる。書きたいものがあっても、書かなくてはな

大澤真幸/千葉雅也『ブルシットジョブと現代思想』を読んで

 大澤真幸/千葉雅也『ブルシットジョブと現代思想』(thinking O、2022)が出版された。  ブ…

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