七夜連続!!!! しまねトーク 〈島根の人と暮らし〉を振り返って【アーカイブ配信中】
2022年3月14日から3月20日の7日間、毎夜21:00-22:00に、島根の可能性と熱量を伝える配信イベント「七夜連続!!!! しまねトーク 〈島根の人と暮らし〉」を開催しました。
とにかく一気に走り抜けた感がありますが、どんな企画だったのかというのは以前告知した通りです。今回の記事ではアーカイブを紹介しながらトークセッションを振り返っていきたいと思います。
第1夜 クリエイターのローカル仕事術
Craftsman's Base Shimane の制作陣が総出演で幕を開けました。全員がフリーランスとしてCBSに関わっており、島根でのフリーランスの始め方や自分のスキルやキャリアの育て方をテーマにトークをしていきました。プレイヤーが少ない島根だからこそ、様々なことを引き受けながら、自分の活躍の場を自分で切り拓いていく面白さがあります。
第2夜 ライフステージの変化と田舎暮らし
今回はCBSで取材させてもらった海士町でオリジナルのグラノーラを開発やベイクショップの運営をする大野祥子さん、大田市の温泉津の石見神楽に惚れ込んで地域で活動する窪田真菜さんのその後の話。Iターンの移住者が結婚して子育てをするには、実はいろいろと苦労があるわけですが、田舎ならではの子育ての魅力もあります。移住して年数を重ねてきたお二人だからこそ話せる地域の話を、西嶋と桐山が聞いていきました。繋がりを大事にしながら、仕事とプライベートが入り混じった地域のなかで自分も動きながら、子どもたちとともに暮らせる環境はやっぱりいいなと感じます。
第3夜 島根にサッカークラブをつくろう!
今回は島根県西部で活動するサッカークラブ「ベルガロッソ浜田」を事例に、スポーツと地域の関係を掘り下げていきました。人口約5万人ほどの浜田市でプロサッカークラブを目指し、地域密着型の経営を始めたベルガロッソ浜田。代表の沖野賢治さんをCBSで取材させていただきました。子どもたちが地元選手に憧れ、休日にはスタジアムが住民たちの憩いの場になり、ひいては「ふるさとの誇り」となれるクラブを目指すベルガロッソ。しまねプロモーションの三浦大紀さんもクラブのコンセプトづくりにアドバイザー的に関わっています。今シーズンからジェフ千葉やスペインで活動したプロの監督を初めてチームに迎え、J5相当の中国サッカーリーグからJFLへの昇格を目指すベルガロッソの活躍を観にスタジアムに行きたくなってきました。
第4夜 リノベーションで引き出す地域の魅力
日本の中でも人口減少が特に進む島根。人が減るということは、空き家が増えるということ。それをむしろリソースに変えて、様々なリノベーションや建築を手がける松江市で活動する建築家の高橋翔太朗さんと、津和野町で糧という医食同源のレストランも運営しながらリノベーションや地域づくりに関わる大江健太さんとのトークセッションを行いました。島根の持つ自然や歴史ある町との接続を意識した<場>をいかにつくっていくのか。そして、設計を手がける自分たちもどうやってこの島根での建築を楽しんでいくのか。<場>そのものを作るところから、地域のさまざまな人を巻き込んで、刺激を与え合いながら、建築をハードとソフトがごちゃまぜになったプロジェクトとして作り上げていくようなワクワク感がお二人の話から伝わってきました。
第5夜 島根ではじめるYouTuber
島根県益田市を拠点にYoutuberとして活動する島根きんちゃいTVのPちゃんとひふみんをお呼びして、ローカルYoutuberとしてどうやって活動を展開しているのか、気になるところをお聞きしていきました! 他に本業がありながら、週末をつかって自分たちの暮らしや旅行を発信するところからはじめたお二人。コロナ禍にも県内の酒蔵とコラボした企画を立ち上げるなど、ローカルな情報発信をとっても楽しく伝えていっています。動画をとることで、島根暮らしをアクティブに楽しんでいるお二人。ローカルでYoutuberをやりたい人にとってもモデルケースになるような、ある意味で地道で王道なアプローチに心惹かれました!
第6夜 気の合う仲間とプロジェクトを始めよう
消費者と生産者をつなぐクッキングイベントomusubi。仕事でも遊びでもない、島根県東部の20代の若者たちが立ち上げたこのプロジェクトの謎に迫るトークセッションでした。料理研究家として会社員から独立の道を選び、歩み始めた高野愛美さんをCBSで取材させていただきました。そこに、島根県職員で農業の指導やサポートにあたる吉岡さんや、写真家、映像クリエイターも加わってクッキングイベントが立ち上がります。生産者さんの取材や、会場のセッティングに、料理教室と食事の企画など、明らかに参加費以上のオーバークオリティのイベントをなぜ彼らがやっているのか。そして、島根で仲間をみつけるコツとは…! こんな仲間たちと楽しみながらやっていくプロジェクトが島根のあちこちで現在進行形で始まってますし、さらに増えていけば島根がさらに魅力的になること間違いなし!と確信しました。
第7夜 ローカルの文化と教育をおもしろく
津和野高校の魅力化が始まって約10年。「山陰の小京都」とも呼ばれる歴史ある小さな町で起き始めた教育を軸にした変化を感じることができるトークセッションでした。高校生がやってみたいことに伴走する地域の多彩な大人たちとして、津和野高校のコーディネーターでもある玉木愛実さん、町の大人として関わる、シェアオフィスを運営する舟山宏輝さん、飛び入り参加してもらった津和野で空き家活用や地域づくりに関わる畔柳知宏さん、そしてCBSでも取材させていただいた和菓子屋三松堂の店長でもある阿部龍太郎さん、さらに津和野高校を卒業して大学生として引き続き地域に関わる池本次朗さん。多彩なプレーヤーが、町の余白をつかって、あちこちに高校生と地域の大人が出会う場をつくっていくという層の厚みを感じました。こうやって島根を面白がるプレイヤーが増え、地域を面白くする生態系が今ここで生まれているのです。「カフェをやりたい」といった高校生がどうなっていったのかも含めて、ぜひ本編をお聞きください!
七夜連続!!!! しまねトークを終えて
怒涛のように過ぎ去った7日間でしたが、島根のポテンシャルをお届けできたかな、と思います。第7夜で話した「高校生のやりたいことへの伴走」が、自ら動くプレイヤーを育てる生態系を作り出しているのです。その高校生たちの延長線上に、第6夜での20代の若者たちが立ち上げたオーバークオリティなクッキングイベントomusubiの主体性溢れる活動がありますし、第1夜のCraftsman's Base Shimaneの制作陣たちも自分たちのやりたいことを仕事にしていくスタイルがあります。自分の好きを大事にしながら、自分が活躍できる場を自らの手でつくるクラフツマンたちが島根を積極的に面白がっています。
第4夜のリノベーションでも地域に循環を作り出すことが島根で建築に関わる面白さとして語られていましたし、第3夜のサッカークラブも育成に力をいれ地域発の人材育成&コンテンツとしてのサッカーを根付かせようとしています。第5夜のローカルYoutuberも出産を機に新たなメンバーを引き入れて、個人で始めた活動を複数名が関わるプロジェクト体制へと移行させていきました。第2夜は別の切り口から、島根という新たな環境に飛び込んだ移住者たちが暮らしを楽しみながら移住二世をどう育てていくのかという<戦術>の話でもあったかと思います。
CBSが掲げた「作りながら考える暮らし」。確かな手触りをもって仕事や暮らしを自分たちで作る魅力的な「人」を取材してきましたが、今回はさらに「続ける」が大きなテーマだったのだと振り返って思います。瞬間的な娯楽ではなく、持続的な幸せをどう自分たちの暮らしに実装していくのか。分野や立場は違えど、今回このイベントに出ていただいた方々が模索していたのはこの問題意識ではなかったでしょうか。小さな地域だからこそ、町全体の動きや変化を感じられる面白さ。小さな変化や循環にも気付きやすい、その刺激的な暮らし。島根のポテンシャルを感じていただくためにも、ぜひアーカイブをご覧ください!