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恋と音楽/この曲を聞くとあの人を思い出す、そんなお話

私のプレイリストは誰かに教わった曲や、誰かの車の中で流れていた曲や、友人がカラオケでよく歌っている曲がほとんどです。学生時代はYUIや東方神起を良く聞いていたけど、今自分からそれを選択する機会が減ってしまったのは少し切ないですね。宇多田ヒカルだけは昔から変わらずに聴いていますが

そんな中でもback numberは何かと特別な思い出が多くて。今日、昔大切だった人とカフェで話し、分かったことがあったので記録します。


高校時代、1つ年上のバスケ部の先輩とお付き合いをしていました。長く付き合って、別れて、また付き合って別れてを何度も繰り返し、合計すると4年間くらい一緒にいました。別れた原因はそっと触れないでおくとして・・・

先輩は邦ロックが好きな人で、いつも何かしらを楽しそうに聞いていて、やたらと「この曲がいい」と当時は有線のイヤホンを私の耳に無理やり突っ込んできて、。それがウザくてでも面白くもあって、よく図書館で二人で過ごした高校時代はもう遠い昔になり、大人になり車で流れていた記憶も古く褪せてしまいました。そんな先輩はback numberがめちゃくちゃ好きでした。

先輩は歌詞をしっかり聴くタイプの人で、back numberの報われず救われず切ない歌詞に「わかるわ〜」とずっと言っていて。先輩の影響で私も歌詞を聞くようになって、「どうしてこの人は私と付き合っているのに、ハッピーなものよりアンハッピーなものに共感するんだろうか」と常々疑問に思っていた記憶があります。そしてそれをなぜ私に聞かせたがるのかも分からず。

先日、結婚式に参列した際に先輩に再会し、今日午前中、カフェで待ち合わせをし久しぶりに二人で過ごしました。爽やかだった先輩は今も変わらず爽やかで、話すテンポも変わっていなくて、まるで時間がたっていないように感じて不思議な感じ。いろんな話で盛り上がった後、「そういえば先輩、back numberばっか聴いてたよね」と何気なく聞いてみたら「気持ちをちょっとは知って欲しかった」という返事。よくよく考えて久しぶりに曲を聴いてみて、そこでようやく気が付きました。

先輩は私と付き合っていても寂しかったんだな、と。当時私は好きだから付き合うではなく、心地いいから付き合う、という選択をしていて、一度も「好き」を伝えたことはありませんでした。それを先輩も了承して付き合ってくれていました。

一緒に観に行った映画の主題歌だったそれは失恋の曲で、先輩はいつもその曲を好きだと言っていた。付き合っているのに幸せじゃなくて、苦しい思いをしていた先輩に何も気が付かなかった私は、先輩からの愛ばかりを受けてそれでも愛を返すわけでもなく。この歳になってようやく気がついたのは、私自身が先日初めて恋をして失恋をしたからであって当時は先輩の気持ちなんて考えてあげること、出来ていませんでした。

青春=先輩 です。何もかも一緒に経験してきたように思っていました。側から見たらきっと漫画のようなキラキラカップルだったと自分でも思います。でも肝心な気持ちが繋がっていなくて、そのギャップが先輩を苦しめていたのだとも思います。「いつフラれるのかってずっと思ってた、だって俺のこと一度も好きじゃないじゃん」何度目かの別れの時先輩が言ったのは決して皮肉じゃなくて。
先輩は本当に私のことを大切にしてくれていたんだな、と今更ながら謝りたくなって「ごめんね」と言う私に「バーカ」と、その一言を笑って言った先輩は、やっぱり昔から格好良くて、憧れで、大切な人でした。

何年も経って気がつくような私だけど、先輩とじゃないと過ごしてこられない夜は何度でもあって、先輩にだから伝えられた正直な思いがあって、先輩とだから出来た経験が山程あって。当時移ってしまった先輩の口癖は今でも私の口癖になっているし、先輩と行ったカフェやお店や思い出の場所は先輩との思い出だから誰ともそこへは行きたくなくて、今でも先輩にしか口調気にせず憎まれ口を聞けない。あんだけお別れした時、「もうこの人本当嫌い」とまで思っていたのに、今でも私の中の大切な場所に先輩はいます。あの時のことが今の私に繋がり、そして今日気がついた先輩の想いはまた、これからの私を作っていくようです。

これからもback numberを聴くたびに先輩を思い出すでしょう。

だから、先輩とお付き合い出来て私幸せでした。時間がかかっちゃったけど気が付かせてくれてありがとう。久しぶりにちゃんと話せて嬉しかった。幸せになってね

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