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透明人間になった天才科学者の欲望と狂気!キモすぎる行動の数々にドン引き!「インビジブル」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(611日目)

「インビジブル」(2000)
ポール•ヴァーホーヴェン監督

◆あらすじ
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天才的だが傲慢な科学者セバスチャンは、政府から最高機密プロジェクトを任されていた。目標は人間を透明にすること。彼はすでに透明化する血清を発明、動物を透明にするところまでこぎつけていた。問題はいかに元に戻すかだ。そんなある日、セバスチャンはついに復元する方法を突き止める。そして、透明化しているゴリラで実験を試みるのだが……。(映画.comより引用)
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『傲慢な天才科学者セバスチャンは透明人間化した状態から戻れなくなり、そのジレンマとストレスから徐々にその変態性や狂気が露わとなる。そしてついには研究所から脱走。さらには自身の凶行を止めようとする同僚たちと対峙することになる。』

という、透明人間と化した男の欲望と凶行を描いたSFホラーです。

透明人間や透明ゴリラ、そして「皮膚→筋肉→骨格→透明人間」と段階を踏んで透明になっていく過程を描いているのが非常に斬新で、かつ20年以上前とは思えないCGやVFXのクオリティの高さでとても見応えがありました。

天才科学者セバスチャン役のケヴィン・ベーコンや同僚で元恋人のリンダ役のエリザベス・シューの好演が光り、内容自体は少々強引というかお約束な展開に思う部分もありましたが、映像的にはかなり楽しめるので誰が見てもしっかり面白いと思える作品なのではないでしょうか。

ケヴィン・ベーコン演じるセバスチャン
(cinematoday.jpより引用)

ちなみに原題は「Hollow Man」で、日本では当初「インビジブル•マン」として公開する予定でしたが使用権が下りなかったようです。「ホロウマン」では伝わりづらく、かと言って「透明人間」では古臭さも感じられるため、最終的に「インビジブル」に落ち着いたそうです。

現在U-NEXTにて配信中のほか、アマゾンプライムにて100円でレンタルが可能です。

「姿は見えないが、殺意は見える」という日本版のキャッチコピーがとてもかっこいいですね。(映画.comより引用)

◇動物の透明化に既に成功している現代。しかしそれを元に戻すことは未だに実現していなかった。ある日、天才科学者のセバスチャンはついに復元する方法を発見し、透明化しているゴリラ•イザベルの復元に成功する。しかし傲慢なセバスチャンは手柄を独り占めにしようと画策。国防総省には一切報告せずに実験を続け、ついには自らの体で初となる人体実験を試みる。

実験は成功し、セバスチャンは透明となった体を満喫する。しかし復元実験は失敗に終わり、彼の体は透明のまま。同僚たちが必死に復元の研究に勤しむ中、セバスチャンは研究室で24時間監視下に置かれ、肉体的にも精神的にもつらい実験を繰り返す日々。元の体に戻れないジレンマと日々のストレスからついに彼は研究所を脱走してしまう。

と展開していきます。

cinematoday.jpより引用

『透明人間化した天才科学者が犯罪に手を染め、同僚たちがそれを阻止しようと奮闘する』

というはっきりした大筋に肉付けをして膨らませている構図で、冒頭から中盤まではセバスチャン視点で物語が展開され、後半は透明化して凶行を繰り返すセバスチャンによって施設内に閉じ込められたリンダたちの視点となり、「プレデター」のような見えない敵(セバスチャン)に怯えながらも立ち向かうという流れになっています。

この視点の変わるタイミングはセバスチャンが人間ではなくなったことを表しているのかもしれません。

映画.comより引用

ケヴィン・ベーコン演じる天才科学者セバスチャンのインパクトがとにかく強い作品で、当時見たけど内容はあんまり覚えてないという方もかなりいるのではないでしょうか。

科学者としては優秀なものの、プライドが高く傲慢で仲間を見下すような発言や「俺が神だ」など自信に満ち溢れたことを度々口にするため、同僚からはかなり嫌われています。恋人だったリンダもそんなセバスチャンには完全に愛想をつかし、今では同僚のマットと交際し、セバスチャンからのしつこい復縁の申し出を右から左に受け流しています。

元に戻れなくなった後は特製マスクをこさえます。
(cinematoday.jpより引用)

この鼻につくけど優秀なセバスチャンが透明人間になった後の行動が欲望赴くままで、とてつもなく気持ち悪いです。

まず、透明人間になってからの記念すべきファーストアクションが「眠っている同僚•サラの胸を揉み、そして吸う」という「透明人間になったらどうする?」と聞かれた中学生男子が真っ先に考えそうなことをあのプライドの高い傲慢野郎が平然とやっているのがとにかくキモいです。

さらには研究所を勝手に抜け出し、日常的に覗きを行っていた向かえの家に住む美女を強姦したり、さらにはリンダの部屋を覗きに行き、リンダとマットが行為に及んでいるのを見て逆上して窓をぶち割ったりと救いようがないほどにクズな行為を繰り返します。

リンダとセバスチャン(cinematoday.jpより引用)

普段から「俺が神だ」等とほざいているプライドの塊野郎がこういった卑劣な行為をしていることに兎にも角にも嫌悪感を抱きますし、口では偉そうなことばっかり言ってるけど、本当はこういうことがしたい人間だったのかという、彼への情けなさや器の小ささを感じます。そもそも研究の手柄を独り占めにしようとするなど人間だった時からそのクズっぷりは露見しており、人望も皆無でした。

後半では口封じのために同僚たちを施設に閉じ込めて殺戮を繰り返し、ラストシーンでもリンダに対して「別れのキスを。よき思い出に」という映画史に残るキモ台詞とともに無理矢理唇を奪うなど最初から最後まで清々しいほどのクズっぷりを見せつけてくれる憎まれ役で、これをあのケヴィン・ベーコンが演じているのでめちゃくちゃ記憶に残ります。

後半からは透明セバスチャンとの戦闘や大爆発などアクション映画としてもかなり見応えがあり、リンダに突き飛ばされて燃え盛る炎に飲み込まれてあっけなく塵と化すセバスチャンの最後には溜飲が下がり、胸がスカッとします。

蒸気や血液、スプリンクラーの水などで姿が見えるという演出もとても良かったです。(moviewalker.jpより引用)

『透明状態から戻れなくなり、更にはしんどい実験の日々に耐え切れずに蛮行の限りを尽くし、自身の存在や犯行を口止めするために仲間の殺害を画策。最後は大爆破でEND』

という中盤からの流れが少々お決まりというか、お約束みたいに感じてしまい、どうしても『透明人間になったケヴィン・ベーコンありき』の作品になってしまった感は否めませんが、普通に楽しめる作品だと思います。

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