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キュートにサイコ!パステルカラーのカオス学園ミュージカル開幕!「Melanie Martinez:K-12」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(572日目)

「Melanie Martinez:K-12」(2019)
メラニー・マルティネス監督

◆あらすじ
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とある寄宿学校にやってきた風変わりな少女クライ•ベイビー。思春期特有の悩みを抱きながら、特殊能力を持つ破天荒な彼女は辛い現実を乗り越えていく。(amazonより引用)
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現在YouTubeで無料公開中です。


世界的に有名なシンガーソングライターのメラニー•マルティネス氏が監督、脚本、演出、作詞、作曲、主演を務めた学園ミュージカルホラーです。

ご自身のMVの監督も務めています。
(メラニー•マルティネスWikipediaより引用)

2012年にアメリカで放送されたNBCタレント発掘番組「ザ・ヴォイス」に出演し一躍有名になり、即デビューシングル「ドールハウス」が発売されました。その後は2015年にファーストアルバム「クライ•ベイビー」を、2019年にはそのクライ•ベイビーの物語のフォローアップとしてセカンドアルバム「K-12」を同名の映画(今作)とともに発表しました。

幼少期は非常に感情的ですぐに泣き出してしまうため周囲と馴染めず、引きこもり気味だったらしく、「クライベイビー(泣き虫)」と呼ばれていたそうです。このあだ名をファーストアルバムのタイトル、さらには今作の主人公の名前にも用いています。

今作のタイトルにもなっている「K-12」は「kay through twelve」の略であり、ケートゥエルブと読むそうです。幼稚園(Kindergarten)の年長から始まり、高校を卒業するまで(小学校6年、中学3年、高校3年) の12年生までの計13年間の教育期間のことを指します。

このピンクのバスも特徴的です。
(sabot-house.comより引用)

今作はパステルカラーの衣装や建物、ポップな髪型が非常に特徴的な世界観の作品で、歌唱やダンスシーンが非常に多く、MVやミュージカル映画のようです。ストーリー自体かなり荒唐無稽で、おそらくですが彼女が世の中に抱いている違和感をそのまま映画にしたからこその分からなさなんだと思います。

なので映画というよりもストーリー性のあるMVを見るスタンスの方が良いかもしれません。

おそらく曲先行で脚本を作っているため、曲あってのセリフになっています。なので微妙に繋がらなかったり、意味がよく分からなかったりするのではないでしょうか。この辺りがハマるかハマらないかは本当に人それぞれだと思います。

彼女の髪型は101匹わんちゃんの実写版「101」(’96)の悪役クルエラ・デ・ビルの髪型に影響を受けたそうです。
(sabot-house.comより引用)

思春期特有の悩み、例えば性、差別、容姿、恋愛などについてメラニー•マルティネス氏が実際に幼い頃から抱き続けた思いを投影したものをメタファーを用いて描いており、彼女のファンだけでなく、思春期ど真ん中の少年少女にもかなり刺さる内容だと思います。

現在アマゾンプライムで配信中の他、YouTubeでも無料公開しています。(そちらのURLも予告動画の後に載せております。)

Filmarksより引用

◇ファンシーな外観ながらどこか不気味な寄宿学校K-12。そこへ入学することになったクライ•ベイビーは容姿のコンプレックスや不思議な力のせいで周囲と馴染めずにいた。寄宿学校K-12は個性を厳しく否定し、抑圧的な指導法で生徒を押さえつける。そんな学校のやり方に違和感を抱くクライ•ベイビーは空想で出会った女王に「自分の人生を生きなさい」と天啓を受ける。メラニーは自身と同じく不思議な力を持つ仲間を集め、学校に反旗を翻す。

と、一見ホラー要素は無いように見えますが、そのポップで明るいテイストの中に時折ダークな一面が垣間見えます。

不思議な力を使うときは黒目になります。
(sabot-house.comより引用)

クライ•ベイビーたちの不思議な力でバラバラにされた校長は学校の庭に埋められますし、発表会で操り人形の役を拒んだせいで本物の人形に変えられてしまったり、ケーキになった自分が男子たちに食べられる妄想をしたりと描写自体は結構エグいですが、それぞれメッセージ性を感じられるメタファーとなっており、かなり面白いです。

校長を埋めているところです。
(sabot-house.comより引用)
操り人形になってしまいます。
(sabot-house.comより引用)

そして個人的に一番印象に残ったのが「どんな見た目だって構わない」という彼女からのメッセージです。

彼女のコンプレックスである『前歯の隙間が広い』はカースト上位の女子からからかいの対象となります。しかし彼女は作中を通してボディ•シェイミング(身体的特徴への揶揄や否定)を受けている人々へのメッセージとして「どんな見た目だって構わない」と何度も何度も励ましてくれます。

こういった彼女の胸を打つメッセージは作中にたくさん込められており、彼女が世界中で愛され続ける理由が分かります。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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