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風刺画から見る中東情勢

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2021年2月の記事一覧

ヨルダン、マスク着用義務違反者への罰金金額改定 風刺画から見る中東情勢#28

ヨルダン、マスク着用義務違反者への罰金金額改定 風刺画から見る中東情勢#28

ヨルダンではマスク着用等の公衆衛生措置に違反した者に対して、20~50ヨルダンディナール(JD)の罰金を設けていましたが、

2021年2月25日から、コロナ感染者の増加に伴い警戒レベルを引き上げ、また罰金金額を60~100JDに改定するようです。

現在の為替レートが1JD=約150円ということで、9,000円から15,000円の罰金に相当します。

参照:在ヨルダン日本国大使館からのメール(た

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アルジェリア、2年の時を経て民衆は再び外へ飛び出した。 風刺画から見る中東情勢#27

アルジェリア、2年の時を経て民衆は再び外へ飛び出した。 風刺画から見る中東情勢#27

2年前の2019年2月22日、アルジェリアで20年間大統領であったブーテフリカに対しての抗議運動が始まり、その年の4月にブーテフリカは大統領の地位から退きました。

またその年の4月に続いてスーダンのバシール大統領も失脚したことから、これらの独裁政権の崩壊の流れは第二ののアラブの春ではないかと当時話題になっていました。

そんなアルジェリアの前大統領ブーテフリカが失脚してから2年がたった今週の20

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中東のクラブハウス事情 風刺画から見る中東情勢#26

中東のクラブハウス事情 風刺画から見る中東情勢#26

最近日本でも話題のアプリの「Clubhouse(クラブハウス)」ですが、中東でも流行っているようです。

そんな中、興味深い風刺画を見つけました。

出典:Sa'ad al-Muhandi@S3d_78 2021.2.24

クラブハウスの部屋の名前は「東洋女性の解放」ですが、、、

参加者はみな男性で、全員ミュートにしています。

そのテーマに関しては、誰も発言をしない。

よって議論も進まない

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SNSと難民支援、それは偽善か。 風刺画から見る中東情勢#22

SNSと難民支援、それは偽善か。 風刺画から見る中東情勢#22

先日SNSで雪が積もったエルサレムの写真を見かけました。

白銀の景色の中での黄金のドームは美しく、ついついいいねを押してしまいます。

一方で、厳しい冬の寒さの中、難民キャンプで厳しい生活を送っている人々のことを表現した「難民と雪」という風刺画も見かけました。

数年前パレスチナ西岸を訪れた際に難民キャンプとして紹介されたのは、難民2世3世が住む集合住宅のような場所でありました。よって現在パレス

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来たるパレスチナ議長選挙 風刺画から見る中東情勢#25

来たるパレスチナ議長選挙 風刺画から見る中東情勢#25

先日、15年ぶりにパレスチナの立法評議会の選挙および議長の選挙が実施されることの発表がありました。

参考:BBC Arabic 2021.2.11 「15年ぶりのパレスチナ選挙」

15年前から、パレスチナ西岸のファタハとガザ地区のハマースの間で分断が続いており、そのことによりパレスチナでは15年間評議会と議長選挙が行われいませんでした。

参考:BBC Arabic 2021.2.12「ファタ

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最近のイランに関する風刺画を見てみた #24

最近のイランに関する風刺画を見てみた #24

アッシャルキルアウサト紙という報道局がある。サウジ資本であるからか、そのサイトに掲載されている風刺画はイランを批判するものがよく目につく。

下記、アッシャルキルアウサト紙視点でのイランを紹介する。なおアッシャルキルアウサト紙に投稿されている風刺画は全てアムジャド・ラスミー氏の作品だ。

①例えばこんなものがある。

出典: Al-Sharq Al-Ausat 2021.2.16

斧というかピッ

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"エルサレムの王"の訃報 & アラブ最初の女性風刺画家の追悼  風刺画から見る中東情勢#23

"エルサレムの王"の訃報 & アラブ最初の女性風刺画家の追悼  風刺画から見る中東情勢#23

今日2021.2.21のニュースの中に、"エルサレムの王" や"アルアクサーモスクの門番"と呼ばれているバドゥル・アッラジュビー(Badur al-Rajubi)氏の訃報がありました。ご冥福お祈りします(الله يرحمه)。

バドゥル・アッラジュビー氏は享年97であったようです。閉ざされたアルアクサーモスク前の扉の前で「どこにいるんだ、アラブよ! イスラームよ!(aina antumn y

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パレスチナ、国際刑事裁判でイスラエルと闘う 風刺画からみる中東情勢#21

パレスチナ、国際刑事裁判でイスラエルと闘う 風刺画からみる中東情勢#21

パレスチナ人は投石器でイスラエルの戦車を狙っている。

しかし、その投石器はICC(国際刑事裁判所)であり、打つのは石ではなくInternational Law(国際法)である。

これが次のインティファーダだ!! ということだろうか。

画像の出典は上記のAl Arabiya 2021.2.10を参照。

背景としては、下記ののニュースを参照。

1. 国際刑事裁判所がパレスチナ領土に管轄権が及

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