アルジェリア、2年の時を経て民衆は再び外へ飛び出した。 風刺画から見る中東情勢#27
2年前の2019年2月22日、アルジェリアで20年間大統領であったブーテフリカに対しての抗議運動が始まり、その年の4月にブーテフリカは大統領の地位から退きました。
またその年の4月に続いてスーダンのバシール大統領も失脚したことから、これらの独裁政権の崩壊の流れは第二ののアラブの春ではないかと当時話題になっていました。
そんなアルジェリアの前大統領ブーテフリカが失脚してから2年がたった今週の2021年2月22日、再び何千ものアルジェリア人が抗議運動のために外へ飛び出したというニュースを見ました。
そこで叫ばれたのは2年前とおなじような「平和、自由、民主主義」「軍事国家ではなく民主国家」といったフレーズ。
これは現テブン大統領が前ブーテフリカ大統領時の首相であることから、民衆は現テブン政権をブーテフリカ時代の延長にすぎないとみなし、前回からの2周年記念日に合わせて再び抗議運動が行われたということです。大統領が変わっても民衆の現状への不満は変わらないようです。
そこで今回の風刺画です。
出典:د. علاء اللقطة @AlaaAllagta 2021.2.25
タイトルは「アルジェリアの"運動"の2周記念」。
文字全体(赤字+黒字)で読むと「アルジェリア」。
しかし部分的に文字(赤字)のみを読むと「運動」となります。
「アルジェリア」という単語の中に、「運動」の文字があるように見せています。アラビア語の文字の特徴を利用した非常によくできている画であると思います。
また真ん中の拳は抵抗の象徴です。
その拳が掲げるのはアルジェリアの国旗です。
2年が経っても状況は変わらず、アルジェリアで民衆の抗議運動は続いています。
これからの動静に注目です。
それでは。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?