"エルサレムの王"の訃報 & アラブ最初の女性風刺画家の追悼 風刺画から見る中東情勢#23
今日2021.2.21のニュースの中に、"エルサレムの王" や"アルアクサーモスクの門番"と呼ばれているバドゥル・アッラジュビー(Badur al-Rajubi)氏の訃報がありました。ご冥福お祈りします(الله يرحمه)。
バドゥル・アッラジュビー氏は享年97であったようです。閉ざされたアルアクサーモスク前の扉の前で「どこにいるんだ、アラブよ! イスラームよ!(aina antumn ya arab wa islama)」と叫けぶ様子で有名になったようです。
YouTubeでその動画や、また彼がAl Jajeeraの取材を受けているものもありました。
高齢でありながらもイスラエルの占領に対して声を上げる様子から、イスラエルへの抵抗の象徴として、彼がパレスチナ人の心の支えとなっていたのではないかと想像します。
そんな彼への追悼とともに下記の絵がTwitterで流れてきました。
オマイヤ・ジョハー氏の作品です。タイトルは「エルサレムの住人 バドゥル・アッラジュビーの逝去」、エルサレムのオリーブ山からエルサレムを見守る彼の様子でしょうか。
كيف لا يكون على مثلك النحيب
وكنت سيد الشباب رغم المشيب
وكنت المهاب من احتلال مهيب
あなたのような人を悼み泣かないでいられようか
あなたは白髪でありながら若者たちの長だった
厳しい占領下の中、あなたは尊敬の対象だった
2-3行目は同じような語根、同じ語根の単語を使用しながら、対照的な意味で使用でしているのかと考えました、、。1行目また語順を入れ替えて、脚韻を踏んでいるのかと考えましたが、、、。私のチープな訳でこの詩を伝えざるをえないのが残念です。
この作者のオマイヤ・ジョハー氏はガザ出身で、またアラブ世界で新聞社などで働いた最初の女性風刺画家であるとのことです。
またWikipediaによると彼女は数々の賞を受賞しており、これまでの展示会の中でも最も有名なのが2005年の「帰省者たち」というものだそうで、これはイスラエルがガザから撤退したことを祝った展示会であると書いてありますね、、。(参照:Wikipedia)
彼女の風刺画を見てみると、パレスチナの地をイスラエルによって追い出された人々を描写したものが多く、それらには頻繁に「鍵」が描かれているのが目立ちます。
また「鍵」は彼女のサインの横にもいつも描かれています。
イスラエルよって追い出された土地や家、、、
その土地に戻る権利の象徴としての鍵。
またその土地の本来の所有者であることを示す鍵。
抵抗の象徴、帰省への希望としての鍵。
といったことでしょうか、、。
引き続き彼女の描く画に注目です。
それでは。
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