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オンラインライブを観た⑬(8.9 羊文学/7.30 lyrical school)

8.9 羊文学 online tour “優しさについて”@下北沢LIVEHAUS Playing_1st ALBUM (アーカイブ8.12迄)

羊文学のオンラインツアー、2日目は下北沢LIVEHAUSでの1stフルアルバム『若者たちへ』の再現ライブ。初日とは少し違う、3人が等間隔で中心を向き合うセッティングだ。『若者たちへ』は、仕事がかなりシンドい時期に、こっから逃げてえなあという思いと共によく聴いていたアルバムなので思い入れがとても深い(その感情をぶつけた文章が第2回目のnote投稿だったりする)。2年前の辛い夏を否応なしに思い出す作品だが、この再現ライブを経て少しばかり懐かしく思い出したりもした。この作品自体が、青春期に向けて羊文学が捧ぐ音楽というコンセプトだったろうし、年数を経るごとにその意義は増している。再現ライブというのは作品の強度を高めることもできる。

再現ライブの面白みはおよそ普通のセットリストでは並ばないような曲順へと自然になってしまうことだろう。シリアスな2曲に挟まれた「天国」の少し脱力したようなポップ感は音源同様にふっと気持ちが軽くなる。また、本作は夏がテーマだけあって、この季節に外の湿気/熱気を感じながら聴けるのはあまりにも理想的だ。「絵日記」の痛々しいノスタルジー、音像ごと意識を持っていかれそうな「夏のよう」など粒揃い。また、「ドラマ」の投げやりなモラトリアム観、引き千切れそうな想いをくゆらせる「RED」のしゃがれたシャウト、そして「Step」で訪れるわずかな救いなど、初期・羊文学の集大成たる本作の重厚で立体的なサウンドも見事な音響で再現されていた。

ガパオサンドが美味しいという情報を伝えてくれた和やかなMCを経て、エッジ―な「コーリング」は気迫が凄まじい。ラストの<君の明日は死なない>を伝えるべくして轟いていた。そして終盤、やはりハイライトは「若者たち」だ。照明がチラチラと瞬く中、消え入りそうな言葉と蠢く音の壁が立ちはだかる大曲。ずっしりとした余韻の中、未来へ贈る「絵日記」でシメ。どこまで行っても消えない不安、あの頃は良かったと浸るノスタルジー、それはそれで抱えつつ、それでもそっと次へと。『若者たちへ』がそもそも携えていたメッセージが2020年の夏に別の意味を持ってリブートされていた。<ワクワクするような未来で繋ぐのかい?>と問われれば、そうだ、と言う。

-setlist-
1.エンディング
2.天国
3.絵日記
4.夏のよう
5.ドラマ
6.RED
7.Step
8.コーリング
9.涙の行方
10.若者たち
11.天気予報


7.30 lyrical school REMOTE FREE LIVE vol.3

リモートライブをどこよりも先駆けて行っていたlyrical school。オンラインライブの隆盛の最中に届けられた第3弾。まぁ何かしら仕掛けてくる感満載の1stカットでしたけど、やはり!という。リモートからオンラインへ、という流れを可視化できるの、彼女たちだけだからなぁ。文脈としてあまりにも美しかった。5人集まった時のキャラ立ちの妙と、ステージングの華、やはり強烈なパワーがあると思う。どんな夏でも自分たちのモノにしてしまおうという気概を感じる新曲も素晴らしい。8/15の配信も楽しみで仕方がない。


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