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オンラインライブを観た⑰(9.12 中村佳穂/9.13 PUNPEE)

9.12 LIVEWIRE 中村佳穂(アーカイブ9.22迄)

あまりにもTwitter上での評判が良かったんで買って観たところまんまと凄かった。林響太郎監督(菅田将暉「まちがいさがし」MVとか佐藤千亜妃の配信ライブも撮ってた)の撮影によるワンカット長回し。これを配信ライブでやると、演者の異次元っぷりが際立つ。前半、無加工なまま左側から中村佳穂とピアノを映し続けるショット。柔らかな照明の中、歌と鍵盤の跳ねる様、笑いかけるように歌う姿。心地よく聴いていたら不意のフェイクでワッてなるし、手さばきだけでも夢中になれる。ぴあライブストリームは画面をズームできる機能があるのだけど、それがこんなにばっちり作用するライブもなかったんじゃなかろうか。「SHE'S GONE」「シャロン」「忘れっぽい天使」と美しいメロディが揺らめいた後、「you may they」の破壊力ったら!

終盤に差し掛かり、カメラが中村佳穂の背後に回りこんだ画も素晴らしかった。膝立て姿勢のラフさから放たれる福音、という図式が最高にイケてる。そしてそこからの展開が素晴らしかった。どこからかストリングスやクラップの音色が聴こえ出す。それに反応しながらプレイし終えると、最後の名もなき新曲へ。ハンドマイクになってピアノから離れると、AR(拡張現実)で回り続ける複数のコマや謎の物体が床上に出現。音楽が巻き起こすイマジネーションの渦というものがあるとして、彼女はこういう形で可視化することをこのライブでやったのか!と。バンドの音も聞こえるけどその姿をあまり映さなかったのは、その想像力を掻き立てるためか、と。「大事なのはイメージ」と繰り返し歌い、最後の曲は終わる。音楽は魔法、を見せつけた夜。

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<setlist>
1. adlib solo
2. 口うつしロマンス
3. きっとね!
4. Rukakan Town
5.SHE'S GONE
6.シャロン
7.忘れっぽい天使
8.You may they
9.アイミル
10.新曲

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9.13 PUNPEE “Sofa Kingdomcome”(アーカイブ9.20迄)

2日連続ですごいのをかましてくれたLIVEWIRE。ライブ感っていうのがどういうものかを定義するうえで、その場へ向かうシーンを挿入する配信ライブはあったけれど、会場に向かいつつパフォーマンスしてるのは初めて観た。渋谷の路上を歩きながら「P.U.N.P.(Communication)」と「Renaissance」をかましながら練り歩く。仕込みなしの通りすがりの歓声や、そんな姿勢でDJできるんだ?っていう場所への仕込みとか、そのどっちかわかんない感じもすごく事件性があってイイ。会場のWWW Xに入り、どでかいスクリーンの前で歯切れのよいラップ。画面上にKREVAを召喚した「夢追人」、つづいていくイメージを僕らの日々に植え付ける「Scenario(Film)」にはだいぶ泣けた。

さて「BUDDY」ではBIMがぺらぺらにアニメ化されてARとして出現する。二晩連続のAR演出!リアルBIMが表れてアニメBIMをかっ飛ばす演出も楽しい。BIMと2人でイチャイチャするソファでの休憩時間を挟んで、「夜を使いはたして」は最早クラシックな響き。今となっては嘘みたいなありふれた奇跡みたいな夜、というモチーフはどうしようもなく切ない。しかし次の「GIZMO(Future Foundation)」ではステージいっぱいにARで沢山のモノ、人、場所が広がる。ライブの題「kingdomcome」とは天国のこと。それを体現したポップでファニーな空間演出。さっきまでのリアル渋谷から、仮想現実へとナチュラルへダイブしてゆく、このフューチャー感ったらない。「タイムマシーンにのって」過去/未来のCG板橋駅を行き来してしまえる世界の創出。けれども還るのは現実。両世界の境界に今、僕ら立っているのかも。

<setlist>
1.P.U.N.P.(Communication)
2.Renaissance
3.The Sofakingdom VR
4.夢追人 feat.KREVA
5.Scenario(Film)
6.BUDDY feat.PUNPEE(BIM)
7.夜を使いはたして feat.PUNPEE(STUTS)
8.GIZMO(Future Foundation)
9.タイムマシーンにのって


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