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オンラインライブを観た㉓(11.15 佐藤千亜妃/11.05 Maison book girl/11.13 フジファブリック)

11.15 佐藤千亜妃スペシャルカバーライブ『VOICE4〜far and near〜』(アーカイブ11.17まで)

これずっと観てみたかった企画ライブで、正直オンライン配信ライブが始動しつつあった時に1番熱望してた。佐藤千亜妃が他アーティストの楽曲をカバーし披露するというシンプルな企画。彼女の声に惹かれてきのこ帝国を聴き始めた身としては別回路を通して歌声を聴けるこのうえなく贅沢なショー。

ソロ1stアルバム『PLANET』で聴かせた多彩な歌声はもしやこのライブで培ったものなのでは、、??と思わせるほど、様々なカラーの歌声を聴ける。「Pretender」ではからっとポップに、「闇に降る雨」(椎名林檎ガチ勢っぽい選曲ですよね)ではじっとりと切実に、ハナレグミでしか出せないと思っていた陽気さだって「コミュニケーション・ブレイクダンス」では響かせるし、平井堅「Sweet Pillow」をあれほど絞り上げるように熱く歌うアプローチも新鮮。ゆず「バイバイ」とか最初ゆずの曲と思わないほどに馴染んでた。

特に良かった3曲。キリンジ「エイリアンズ」はややきのこ帝国時代、特に『愛のゆくえ』期に通ずる繊細で幻想的な趣があった。また「染まるよ」をカバーした経緯もあるチャットモンチー、今回は「世界が終わる夜に」を披露。橋本絵莉子の歌声とはかなりベクトルが違うが、また違う突き刺すような強さがあった。やはり歪んだギターの中で歌う彼女の声は映えるな、と。そして突出していたのは宇多田ヒカル「初恋」。シンプルな伴奏の中、圧倒的な艶と透明度を誇る歌声が光る。本人の好き度合いが溢れ出るカバーだ。

本編ラストでやった「ファイト!」はかなり剥き出しな声だったように思う。ここぞ!で素をタフに響かせられるのが彼女のボーカリストの強みだろう。アンコールではオリジナルの2曲も披露。きのこからのソロはギャップがあったが、カバー曲からのソロは実にしっくりくる。納得のライブだった。

<setlist>
1.Pretender(Official髭男dism)
2.コミュニケーション・ブレイクダンス(SUPER BUTTER DOG)
3.闇に降る雨(椎名林檎)
4.SWEET MEMORIES(松田聖子)
5.エイリアンズ(キリンジ)
6.バイバイ(ゆず)
7.初恋(宇多田ヒカル)
8.Sweet Pillow(平井堅)
9.世界が終わる夜に(チャットモンチー)
10.ファイト!(中島みゆき)
-encore-
11.橙ラプソディー
12.You make me happy



11.05 NOW OFF AIR! presents Maison book girl 6irthday LIVE(アーカイブ11/19まで)

ブクガ、結成6周年を記念した配信ライブ。Amazon Primeで放送中の番組スタッフが集結して制作された、ということで前回、前々回よりはポップな内容か?と思っていたが全然尖りまくりで最高だった。音楽ナタリーに詳細な演出含めてレポは載ってるんで、ここでは個人的な好きポイントを記録。

まず冒頭、「screen」~「狭い物語」までの雨降り演出。こういうのって野外イベントとかで偶発的に降らすか、もしくは夏のイベントで水の演出をやるかっていうのに限られるだろうけど、3曲の間ずっと降らせ続ける、しかもめちゃくちゃ暗い質感の雨、というのが実にグッときた。まさに無観客でしか出来ない演出だし、ブクガの楽曲世界に冷たい雨は欠かせないわけだから必然性も凄まじい。そんな一連の衝撃映像を4人の脳内映像である、と処理した「最後のような彼女の曲」の演出もだいぶクレイジーだなと思ったけど。

鎖に繋がれた4人は、まさにライブという場を奪われたブクガのメタファーだろうし、そこから解き放たれていく、、という形で進行する流れは実にストレート。しかし、その後も終始、事前収録映像と生配信を交差させる演出によって現実と夢の境界のような世界観を作り上げる。生配信のほうにもペストマスクの男を登場させることで、いよいよ何が現実なのかも分からなくなったり、そもそもこれは夢とか現実とは別次元のお話なのではないかと思わせたり、、ブクガ、あまりにも配信ライブというフォーマットに強すぎる。

1番ぞくっとしたのは、アマプラでブクガがやってる、それはもうゆるゆるなバラエティ場組の映像をもサンプリングして映像演出に取り入れていたこと。あの限りなく素っぽい笑顔すらもうブクガという表現の一部になってしまうということ。「ノーワンダーランド」でようやく現実感を取り戻せた。

<setlist>
1.SIX
2.MORE PAST
3.screen
4.snow irony
5.狭い物語
6.最後のような彼女の曲
7.レインコートと首の無い鳥
8.karma
9.veranda
10.townscape
11.闇色の朝
12.長い夜が明けて
13.告白
14.GHOST
15. 悲しみの子供たち
16. 夢の中へ(井上陽水)
17. ボーイミーツガール
18. 言選り
19. 鯨工場
20. ノーワンダーランド
エンドロール Fiction(inst)



11.16 フジファブリック LIVE&ON LINE「IFAB U FAB ME」(アーカイブ11/20まで)

フジファブリック、KT・Zepp Yokohamaでのライブ中継。このライブでのセトリは今年頭から始まり、途中で無念の中止となった「I FAB U」ツアーのもの。2月29日というライブエンターテイメント運命の日に観ようとしていたのがそのツアーの福岡公演だったもので勝手にかなり強く想いを持っていたのです。9カ月ぶりにそのライブを配信ながら観れることができ、無事成仏。

何よりも観たかったのが伊藤大地がドラマーとして参加している姿!いやはや素晴らしかったです。「破顔」のどこまでも飛んでいきそうなスケール感、「robolougue」の跳ねっぷり、「若者のすべて」みたいな淡々としたビートにすらもハリがしっかりと出ている。やはりとんでも名ドラマー、個人的には「星降る夜になったら」の疾走感を彼のぶっ叩きで聴けて嬉しい限り。いつかは生でも彼のリズムを搭載したフジファブリックを観てみたい!

そしてこのライブは細やかにアレンジを変えてある曲も多くて良かった。「Green Bird」や「Sugar!!」といった定番な曲に加わったイントロはその曲の期待感を上げまくるし、「星降る夜になったら」での山内総一郎(Vo/Gt)の歌い上げっぷりも堪らない。あとオンラインライブならではの点で言うと、「Sugar!!」や「LET'S GET IT ON」でハンディカメラがステージ上に現れて金澤ダイスケ(Key)がカメラアピールしまくるという所とか。相変わらずのエンターテイナーである。あとダイちゃんのコーラスワークもしっかり聴けた。

フジファブリックぐらいライブを観たことあるバンドのライブに行けないのもどかしいし、配信に甘んじてる、、って気分にもなるのだけど、ある意味では今まで観てきた思い出と照らし合わせながら観れるというか、観てなかったところを中心によく観れる(「若者のすべて」のカポ、そこでつけるんだ!)というか。馴染みのものだったからこそこうやって画面を通して観ることで生まれる意義もあるのです。でもやっぱロゴスで観るフジが恋しいぞ!

<setlist>
1. 破顔
2. Green Bird
3. Sugar!!
-MC-
4. LET'S GET IT ON
5. robologue
6. 若者のすべて
-MC-
7. 手紙
8. Feverman
9. 星降る夜になったら
10. LIFE
11. 光あれ
<アンコール>
12. SUPER!!
13. STAR


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