#恋愛
【ショートストーリー】39 等間隔
「空はこんなに青いのに、いつになったら私たちは外へ遊びに行けるんだろうね」
リコリスキャンディを口に含んだ君がつぶやく。
「例の伝染病が落ち着いたらかな」
ぼくは何となしに答えてみた。
「ねぇ、自由に外出できるならどこに行ってみたい?」
「そりゃあ、観覧車のあるドライブウェイなんか最高」
「うん、うん。私はね、鴨川を歩いて、洒落たカフェでゆっくり紅茶がいいかな」
「そういえば、君がくれた紅茶
【ショートストーリー】27 星空を君はみたか
誰にもありそうな話だけれど、僕らの話も凡庸でありふれて、振り返れば赤面するような大学生の同棲生活だった。
君と出会ったのは共通のゼミだったね。
もう何を学んだかなんて全く覚えていないけれど、君がいつもギリギリに研究室にやって来る姿を思い出す。考えてみると、話す前から僕は君のことがすでに好きになっていたっけ。
今は花見なんて簡単には行けない世の中だけれど、当時はゼミ仲間で花見をしたね。
二