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「AIに感情はあるのか?」という議論の虚しさ/世襲制度としての「人間」
極めて雑なラフスケッチをする。
本稿は、人間を世襲制度として考えてみた、その覚え書きである。
やや短絡的、圧縮的に書かれているが、メモ書きだという留保をしておこう。
執筆のモチベーションは、「AIとの相互理解」的なストーリーにひどく退屈さを感じることの原因を、言語化しておきたいからだ。
結論から言えば、こう言うことになる。
①「AIとの相互理解」は、「相互理解することができた」という信念を
再帰性の中断、あるいはライフストーリーの語りとしての感傷マゾ
はじめに本文は早稲田アニメーション同好会会誌『WALTZ2021 SP』に寄稿した、感傷マゾについての文章のためしよみです。
虚構エモと感傷マゾの差異として横たわる〈被糾弾〉の必然性について論じ、感傷マゾという行為を「語りの場の立ち上げ」「再帰性の中断」として位置付けたさわりの部分をお届けします。
Ⅰ,3-3.再帰性の中断、あるいはライフストーリーの語りとしての感傷マゾ 総括に入る前に、今まで
リミナルスペースと〈ぞっとするもの〉/東扇島を散歩して
画像は川崎港海底トンネル人道(神奈川県川崎市川崎区千鳥町・東扇島)。東京湾観光情報局から転載した画像である。
はじめに本文は、リミナルスペースと〈ぞっとするもの〉についてのおぼえがきである。
リミナルスペースとは、誰もいない駅構内、駐輪場、トンネル、会議室などの空間に、不気味さと共に魅力を見出すインターネットミームである。本文では、リミナルスペースの条件を後期資本主義の「どこでも区切れる性」に
「こんなもんか」を得る練習=筋トレ
はじめにこのサイトのデータによれば、
腕立て伏せの平均回数は「男性23.7回、女性6.6回」らしい。
さて、あなたはどう思っただろうか。
自分の力量をどう見積もっただろうか。
ちょっと嫌な言い方をしてしまったかも。
ちなみに自分はと言えば、「絶対盛ってるだろ男…」と真っ先に思った。
「腕立て伏せ」の認識は個々人によって結構異なるけれど、ちゃんとしたフォームでやるとかなりきつい。
そもそ
「萌え」は自室で、「推し」は広場で
はじめに本文は、「推し」の条件から逆算して「萌え」の性質を考えてみた、そのメモ書きである。
先回りして言えば、コミュニケーションの回路を獲得した「萌え」がすなわち「推し」であり、わざわざ「萌え」を発話する機会は減り、結果として「萌え」は消えつつある、と本文では結論づけた。
共通点──実存の理由これはどちらにも共通していると考えられる。
圧倒的に神不足なメンタリティーにおいて、そこに生きがい/
エルデンリングをクリアして/オープンワールド雑感
はじめに
はじめて(広義の)オープンワールドゲームでエンディングを見た。
ウィッチャー3、Ghost of Tsushima、fallout4…そうそうたるオープンワールドゲームを、僕は積んできた前歴がある。
どれも素晴らしいゲームなので、単純に僕に合わなかったというだけなのだが、以下それらが合わなかった理由を述べつつ、エルデンリング面白かった~な話が展開されるので、苦手な方はご注意いただきた
左派的思考と右派的思考/エコーチェンバーについて
はじめに本文の主眼である「左派」「右派」は知覚の順序についての話であり、いわゆる政治的な定義から出発しない。したがって、本文はいわゆる政治的なトピックを固有名詞を挙げて論じる類のものではない。適宜「~的思考」と補って読んでいただければ幸いである。
本文の目的は、盲目的エコーチェンバーと左派の意外な親近性を指摘すると共に、右派的な想像力の可能性について再考するものである(優劣をつけるものではないと