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初音ミクだったり感傷マゾだったり/たまに雑文も/ https://www.nicovideo.jp/series/40979

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ボカロ-感傷マゾ紹介/「うちのミクさん」の反転から『プロセカ』まで

はじめにsenと申します。普段は作曲をしたり、文章を書いていたりしてます。あと早稲田大学ボカロマゾ研究会の主宰をしてます。本文は、#ボカロリスナーアドベントカレンダー2022ゆるめ枠に向けて書かれた、ボカロ-感傷マゾ紹介文です。また、「ボカロ-感傷マゾ」のコンテクストを知っていただけるよう、簡単なブックガイドを末尾に付記しました。 私見の限りですが、いわゆるボカロリスナーの方々は、少なからずボカロにずっしりとした感情を抱いていると推察され、そういう層にむけてこそ紹介したいな

    • 日記 初夏

      風が初夏の匂いを運ぶ。雑木林の切り株に腰かける。 木漏れ日を見上げる。 葉が揺れ、梢が擦れる。 枯れた葉がはらはらと落ちる。 四顧し、傾聴し、睇視し、黙想す。 そう言えば『となりのトトロ』のモデルは狭山丘陵だったかな、と思う。雑木林。 色々なことを思わないようにする。 禁止は逆に、禁止された物事への執着を生む。 流石に暑すぎるのでコンビニで吸って飲むタイプのアイスを買った。もう夏みたいだった。手でアイスをもみほぐして、それで飲んだ。冷たくて美味しかった。手はひんや

      • 長い溜息

        何を考えようとしていたか忘れた。 今日は雨が降っている。ゆっくりとコーヒーを飲む。 眠い。僅かに起きている感じだ。 一般的な会話は難しい。最大公約数的な会話。 芸能人とか有名人とか、誰が○○に似てるとか、お笑いコンビの○○の方とか言われても、正直全くわからない。 ヒエロニムスと言われて、画家の方か、ウルガタの方か、と問い返すことはできる。 その二つは対して変わらない。どちらが高尚とかでなく、ただの知識の差でしかない、知識というか、知っているか知らないか。 とは言

        • 「AIに感情はあるのか?」という議論の虚しさ/世襲制度としての「人間」

          極めて雑なラフスケッチをする。 本稿は、人間を世襲制度として考えてみた、その覚え書きである。 やや短絡的、圧縮的に書かれているが、メモ書きだという留保をしておこう。 執筆のモチベーションは、「AIとの相互理解」的なストーリーにひどく退屈さを感じることの原因を、言語化しておきたいからだ。 結論から言えば、こう言うことになる。 ①「AIとの相互理解」は、「相互理解することができた」という信念を、主体が獲得したと言うことである。 ②人間は世襲制度である。そうとしか説明がつ

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        ボカロ-感傷マゾ紹介/「うちのミクさん」の反転から『プロセカ』まで

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          josui-ro

          josui-ro

          日記 12月■■

          表現技法が欲しいと考えた。 まずはウィアードコア。 次に青い空。 あるいはリミナルスペース。 ヴェイパーウェーブ。 頭の中にある雑多ながらくたを掃除するための日記をする。 ※ 「すごい!」「かわいい!」と子供が叫んだ。 そこには変調をきたしたデータベースから出力されたような芸術があった。 二次元キャラクターと風景のダダイズム・コラージュのような作品だった。 目だけのレイヤー、間違えて塗りつぶしてしまい顔の一部分だけが残ったキャラクターが、自然の風景に散らば

          日記 12月■■

          日記 11/

          夜の住宅街の孤独さについて。 子どものころ、夜が怖かった。みんなそうだと思う。 母はよく、「家があれば人が住んでいるんだから、夜でも怖くない」というようなことを言っていた。 今は、気晴らしの散歩で深夜徘徊をすることがある。 ロードサイドのコンビニ、牛丼チェーン、これらがあるうちは孤独ではない。 しかしやはり、真に孤独なのは住宅街だ、と思う。 確かに母の言う通り、人は住んでいる。間違いない。 だけれど、僕がこの夜において孤独であるのには変わりない。 確かに、住宅

          日記 11/

          11/■

          昼下がりに家を出て、ランニングをした。 霧岸川の土手を走った。長い川だ。 草木は徐々に色づき、秋を思わせた。一方で気温は高く、温暖な日だった。 ※ 雲一つない夕暮れだった。街がこがね色に染まっていた。家々の輪郭がはっきりとしていて、流れる水が陽光を拡散させるように反射していた。 欄干にカラスがとまっていた。僕が通り過ぎても微動だにせず、ただ嘴だけを動かして鳴いていた。 ※ BGMとして、音楽ではないけれど、「小倉拓也・講演「ドゥルーズの芸術哲学―感覚・記念碑・可

          日記 10/27

          角ヶ丘ニュータウンを散歩した。 立地は、モノレール沿線を団地が囲っているようなイメージ。 構造物。いかにも寂れて錆び付いた物件もあれば、中産階級向けの物件もあった。ハロウィンが近いということで、仮装した子供をよく見かけた。 遊歩道は二時間半ほどで踏破した。それなりに趣深い場所もあった。 まずは地蔵尊。坂を下ってゆくと、何処までも伸びていく下り坂の脇に、つづら折りになっている上り坂があらわれる。その二股の分かれ道の部分に、地蔵尊が鎮座していた。 綺麗に手入れされていて

          日記 10/27

          夕闇系というサウンドによせて/Yuriy Sylvain追悼

          概要夕闇系とは、2010年頃からインターネット上で出現した音楽ジャンルである。不気味さと哀愁を特色としており、アンビエントやエレクトロニカを基調としているが明確な定義は存在せず、動画の雰囲気なども含めて括られるモードである。 表記は夕闇系、宵闇系、夕暮系など統一されていないが、以下からは高梁秋野に従って「夕闇系」と呼称することとする。 特徴 暗い帰り道やゲームのバグなど、「子どもの頃抱いた不気味さ」を思い出させるような曲調を特徴としている。どこか童謡じみたフレーズを想起さ

          夕闇系というサウンドによせて/Yuriy Sylvain追悼

          リミナルスペースと〈ぞっとするもの〉/東扇島を散歩して

          画像は川崎港海底トンネル人道(神奈川県川崎市川崎区千鳥町・東扇島)。東京湾観光情報局から転載した画像である。 はじめに本文は、リミナルスペースと〈ぞっとするもの〉についてのおぼえがきである。 リミナルスペースとは、誰もいない駅構内、駐輪場、トンネル、会議室などの空間に、不気味さと共に魅力を見出すインターネットミームである。本文では、リミナルスペースの条件を後期資本主義の「どこでも区切れる性」に見出す。 〈ぞっとするもの〉とは、マーク・フィッシャーが『怪奇なものとぞっとす

          リミナルスペースと〈ぞっとするもの〉/東扇島を散歩して

          全存在の権利についてのパンフレティア

          架空存在の権利は、21世紀中葉において様々に議論されてきた。2029年に「情報税」が施行されたが、それは広く流通し、時に広告資本になりうる情報を、国家が統御しようとする施策であった。現在では、インターネットには関所が設けられ、通信は意図的に「重く」された。そのなかで、人権に準ずる権利を主張してきたのが、架空存在であった。彼らは、現実に存在するわけではない。彼らの存在を支える根拠として、著作権や肖像権などが存在してきた。そして彼らは、我々の身体の深奥に、あるいは脳内分泌物に、神

          全存在の権利についてのパンフレティア

          移動できないオープンワールド、移動できるドット絵/境界をまたぐことについて

          はじめにオープンワールドゲームは僕にとってひどく退屈だ。貧しい体験と言ってもいい。ただ、それをうまく言語化することはなかなかに難しい。 ふと、ドット絵とオープンワールドを対比したとき、「移動」に注目して思ったことがあったので、メモ代わりに記しておく。 結論はこうだ。「オープンワールドは平滑的であるがゆえに移動が意味をなしておらず、ドット絵は条理的であるがゆえに移動することができる」。 そして、それが「境界をまたぐ体験=訪れること」という体験に繋がるのだ。 条理的なドッ

          移動できないオープンワールド、移動できるドット絵/境界をまたぐことについて

          「こんなもんか」を得る練習=筋トレ

          はじめにこのサイトのデータによれば、 腕立て伏せの平均回数は「男性23.7回、女性6.6回」らしい。 さて、あなたはどう思っただろうか。 自分の力量をどう見積もっただろうか。 ちょっと嫌な言い方をしてしまったかも。 ちなみに自分はと言えば、「絶対盛ってるだろ男…」と真っ先に思った。 「腕立て伏せ」の認識は個々人によって結構異なるけれど、ちゃんとしたフォームでやるとかなりきつい。 そもそも「ちゃんとしたフォーム」でやらないと意味が無いのだが、「回数できるのがかっこい

          「こんなもんか」を得る練習=筋トレ

          サーフ ブンガク カマクラ、あるいは江ノ電のこと

          初めて江ノ電に乗った。海沿いの街があった。 あの車両が街を通り抜けているだけで、そこに物語が始まるような気がしてしまうから、なんとなくずるいと思ってしまった。 そこで、コンテクストから遊離した意味というよりかは、データベースを折りたたんだ消費なんだな、と表象について改めて思った。 サーフ ブンガク カマクラを再生する。 藤沢ルーザー。この曲のロケーションだけ明確に江ノ電ではない。『三番線のホーム』が存在するのは、小田急かJR。 なるほど、藤沢の…「猥」とまではいわないが

          サーフ ブンガク カマクラ、あるいは江ノ電のこと