全存在の権利についてのパンフレティア
架空存在の権利は、21世紀中葉において様々に議論されてきた。2029年に「情報税」が施行されたが、それは広く流通し、時に広告資本になりうる情報を、国家が統御しようとする施策であった。現在では、インターネットには関所が設けられ、通信は意図的に「重く」された。そのなかで、人権に準ずる権利を主張してきたのが、架空存在であった。彼らは、現実に存在するわけではない。彼らの存在を支える根拠として、著作権や肖像権などが存在してきた。そして彼らは、我々の身体の深奥に、あるいは脳内分泌物に、神