長い溜息
何を考えようとしていたか忘れた。
今日は雨が降っている。ゆっくりとコーヒーを飲む。
眠い。僅かに起きている感じだ。
一般的な会話は難しい。最大公約数的な会話。
芸能人とか有名人とか、誰が○○に似てるとか、お笑いコンビの○○の方とか言われても、正直全くわからない。
ヒエロニムスと言われて、画家の方か、ウルガタの方か、と問い返すことはできる。
その二つは対して変わらない。どちらが高尚とかでなく、ただの知識の差でしかない、知識というか、知っているか知らないか。
とは言いながらも、後者を知っていることに、偏屈なアイデンティティを感じていなくもない。
本当に大したことじゃないのに。
もうマイナスアイデンティティに頼れるような年齢でもない。したことのないことを無邪気に誇れる年齢はもうとっくに過ぎた。
そういうことを考えると、もう、いろいろと手遅れなのも確かだ。
過ぎ去ってガラクタになった、実現することのない可能性が山積みになっている。
粛々と歩むしかない。んだろう。
溜息をつく。
「こうでなくてもよかった」と「こうじゃなきゃいけなかった」は「こうするしかなかった」によって調停される?