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2021年10月の記事一覧

後藤みち子「戦国を生きた公家の妻たち」を読んで

 選択的夫婦別姓の議論が盛り上がっています。

 時折り、「夫婦同姓は伝統じゃない」「日本は昔から夫婦別姓で、明治になって同姓になった」という説がメディアやネット上で取り上げられていますが、本当でしょうか?

 こちらの本を読むと、そうでもないようです。

https://www.amazon.co.jp/戦国を生きた公家の妻たち-歴史文化ライブラリー-後藤-みち子/dp/4642056696#

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女史は差別用語ではない

 Twitterで、「女史」という言葉のニュアンスを巡り、差別か否か、論争になっています。

 しかし、コトバンクを見てみると、いくつかの辞書で女性に対して敬意を表す言葉として説明されていることが分かります。

 なお、「女史」という言葉は、古代中国で書物を管理した女官に由来するそうです。確かに、高校生の時に世界史Bで「女史箴図」という女官の心構えについて言及された書物について触れましたが、そこに

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アルメニア人の姓

 以前、アメリカのラッパーカニエ・ウエスト氏が、姓もミドルネームもない「Ye」に改名したことを記事にしました。

 イェ氏の元妻は、「KIMONO」騒動で話題となった、キム・カーダシアンです。

*キム・カーダシアンが、自分の下着ブランドに「KIMONO」という名前を付け、商標登録しようとした出来事です。

 彼女はアルメニア系アメリカ人です。アルメニアは、旧ソ連の国で、カフカス(コーカサス)地方

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姓を名乗らない自由も認められる国

 次のような記事を発見しました。

 カニエ・ウエスト氏が暮らすアメリカでは、姓を名乗らない自由も認められるそうです。

*ただし、厳密には州の法律によるかもしれません。

 日本には、夫婦の氏について「選択肢」を増やすために選択的夫婦別姓を導入するべきであると主張する人が存在します。しかし、新たに氏を作る創氏や、夫婦の氏を重ねる複合氏、そして氏を名乗らない自由の是非について言及している人はほとん

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