Dama s ptichkoy

言語、文化、伝統、歴史、キリスト教(主に正教)など宗教や共産主義などの思想について。あ…

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言語、文化、伝統、歴史、キリスト教(主に正教)など宗教や共産主義などの思想について。あと料理。 画像は、自前またはみんなのフォトギャラリーから使用、またはcanvaより作成。

マガジン

  • 時事に関する話題

    女性の権利、ポリティカルコレクトネス(ポリコレ)、夫婦別姓(選択的夫婦別姓)、入管法改正などなど

  • 人名に関する話題

    選択的夫婦別姓からロシア人の名前の仕組みまで、世界の様々な国における名前の制度や法律、色々な民族や文化圏、宗教における名前の仕組みについて書いています。

  • 選択的夫婦別姓

    夫婦同氏制度はなぜ合憲か、選択的夫婦別姓をすると何が問題か、日本以外にも通称使用を認めている国がある、日本古来別姓、夫婦同氏制度が西洋由来というのは違う、夫婦同姓は家父長制の名残なのか、欧米含め別姓選択可能な他の国にこそ父称など家父長制の名残りがある等

  • ロシア、東ヨーロッパ、中央アジア、旧ソ連事情

    留学や旅行で垣間見た、ロシアや東欧の事情について書きました

  • 女性をめぐる話題

最近の記事

  • 固定された記事

夫婦別姓と共産主義あるいは社会主義は関係あるのか?

*最初に:共産主義と社会主義の使い分けについてはこちらを。この記事では、参考文献がある場合はそちらの記述に沿った表現をしています。  選択的夫婦別姓の議論になると、夫婦別姓を共産主義(社会主義のことも)と関連づける意見が出てきます。  井田氏のように関係を否定する人は少なくありませんが、歴史的な経緯を見ると、主に夫婦同姓文化圏において、夫婦別姓を認めようという動きと共産主義や社会主義は関係があると判断せざるを得ません。  上の「取り残される日本」の図にはほとんど書かれて

    • 夫婦別姓家庭経験者による親子別姓への懸念と選択的夫婦別姓推進派の反応

      選択的夫婦別姓になることで、別姓夫婦の家庭か必然的に親子別姓になることに対する影響(特に子供に対するもの)を心配する声があります。江戸川区議である中野ヘンリ氏は、選択的夫婦別姓に反対しないことを述べた上で、自分が親子別姓だった経験を元に、親子別姓に対する影響について問題提起しました。 中野氏の意見に対する、選択的夫婦別姓推進派の反応には、例えばこのようなものがあります。 まずは、匿名でない者同士のやり取りです。 具体的な解決策を提案することなく、子供達が「そういうもの」だ

      • 自民党総裁選に関連する青野氏の夫婦別姓発言を検証してみた

        自民党総裁選が近く、話題となっています。選択的夫婦別姓を推進するインフルエンサー達も、選択的夫婦別姓を争点にしようと活発に発信しています。 *厳密には、「夫婦の氏」が争点であると言った方が正確ですね。旧姓の通称使用という立場の人もいますから。「選択的夫婦別姓」が争点という言い方は、選択的夫婦別姓にすることが前提となった、偏った表現と言えると思います。 サイボウズの社長で、選択的夫婦別姓を目指して活動している青野氏の発言の中に気になるものが散見されるので、検証してみました。

        • 男女逆転大奥の設定について 「男子激減で逆ハーレム&女子相続が主流に」はあり得る?

          *写真は、徳川家の「御三家」の一つ、尾張徳川家にゆかりのある名古屋城 男女逆転大奥の漫画がドラマ化されました。 江戸時代に男子ばかりが感染する病気が流行り、日本社会では将軍家含め女子相続が当たり前になるという話です。私も漫画で途中まで読んでみたのですが、非常に面白いストーリーです。 しかし、実際には、男子が減ることで「逆ハーレム」「女子が家督を継ぐように」、という流れは考えにくいのではないでしょうか?むしろ、男性一人当たりの妻の数が増え、男子が継承する傾向がよりに強固にな

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        • 夫婦別姓家庭経験者による親子別姓への懸念と選択的夫婦別姓推進派の反応

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        記事

          カルト対策に宗教教育は必要? それよりも既存の教科を見直せ

          カルト対策を巡って議論が盛んになっています。カルト対策のために、学校で宗教教育も行ってはどうか?という意見も散見されます。 しかし、世の中に存在する宗教は数えきれないほどですし、一つの宗教を理解するだけでも非常に時間がかかるのに、特に中立性・公平性が求められる公立の学校の教育現場の中であらゆる宗教をまんべんなく教えることには限界があります。 私は、「宗教」という教科を作って学校で教えるよりも、既存の教科の内容を子供達にしっかり理解させることに力を入れ、その他に「どんな理由

          カルト対策に宗教教育は必要? それよりも既存の教科を見直せ

          【カルト問題の難しさ 反宗教なら問題ないのか?】

          *写真はレーニン廟 カルト問題について調べていると、「カルト」というレッテルを貼られやすい新興宗教だけでなく、伝統宗教にもカルト性があるという問題に突き当たります。このような事情から、そもそも宗教そのものが良くないのではないか、と考える人もいるでしょう。しかし、それも早計ではないでしょうか? 例えば、共産主義の思想は宗教に否定的ですが、カルト性を有しています。暴力革命や、日本や欧米における一般的な意味での独裁が前提となった思想だからです。また共産主義は、マルクスによる「宗

          【カルト問題の難しさ 反宗教なら問題ないのか?】

          【カルト問題の難しさ カルトの敵は別のカルト】

          *はじめに 「カルト」の定義についてはこちらをご参考に。簡単に言うと、反社会的なことです。 カルト問題の難しいところの一つは、「反カルト」を謳う立場の人達にもカルト性が見出されることがあることです。例えばジャーナリストの米本和広氏は、反カルトのカルト性について警鐘を鳴らし続けてきました。 統一教会の問題に限って言えば、反統一教会を掲げている代表的な政党として知られる日本共産党自体のカルト性は否定できません。日本共産党は、現在も暴力革命を否定していないとして公安調査庁の調

          【カルト問題の難しさ カルトの敵は別のカルト】

          【「選択肢を増やす」ことや「個人の自由な選択」について】

          近年「選択肢を増や」すことは良いことであるという風潮が醸成されつつあり、「個人」が「自由に選択」できるようになるべきだと主張する人が増えてきた。特に選択的夫婦別姓や同性婚など、家族の在り方に関わる話題と関連付けられて語られることが多い。 しかし、「選択肢を増やすこと」や「自由な選択」については、色々と考えされられることが多い。 同じ人でも自分の選択について考えが変わらないとは限らない。自分が置かれている状況が変わるかもしれないし、単に自分の気持ちが変わることだってあり得る

          【「選択肢を増やす」ことや「個人の自由な選択」について】

          【カルト問題の難しさ もしも友人がカルトに入っていたら?】

          カルトを巡る議論が活発になっています。制度をどうするかというような議論は盛んですが、逆に自分の周りにカルトを信仰している人がいればどう対応するべきなのでしょうか?宗教2世の中には、カルト宗教について、「中立」を装う人に対して厳しい見解を持つ人も存在します。 しかし、2世かどうかは置いておいて、もし自分の近くにいわゆる「カルト」に入っている人がいたとして、どう対応することが正解なのでしょうか?仮に脱会を促すとして、まずはなぜそれがカルトであるのかを合理的に説明しないといけませ

          【カルト問題の難しさ もしも友人がカルトに入っていたら?】

          【統一教会問題の難しさ キリスト教系宗教同士の信者獲得争い】

          カルト問題がややこしいのは、カルトと闘う側も往々にしてカルト性を帯びていることがあるからです。反カルト側のカルト性については、山上容疑者が手紙を送っていた米本和広氏もこれまで問題提起し続けてきました。 キリスト教系のカルトの問題においては、キリスト教系の宗教同士の信者獲得争いという側面が特徴として挙げられます。あるキリスト教系カルトに困っている人へと別のキリスト教系の宗教(あるいは宗派、新興宗教か伝統宗教どちらの可能性もある)が近づいてくるのです。中には、「あなたが信じてき

          【統一教会問題の難しさ キリスト教系宗教同士の信者獲得争い】

          【カルト問題の難しさ キリスト教系の宗教における統一教会との共通点とカルト性】

          今日も世間は統一教会の話題で持ちきりです。統一教会の教義の一例をあげて「うわー、やっぱカルトはおかしいな〜!」というノリで血祭りにあげられていますが、統一教会が影響を受けた伝統宗教の一つであるキリスト教を学んできた者からすると、面白おかしく取り上げられている様子を見て複雑な気持ちになります。良いか悪いかはさておき、同じようなことがキリスト教でも言われてきたり、キリスト教系の宗教にも「カルト性」が存在している側面があったりするからです。 *本論へ入る前に、「カルト」の定義につ

          【カルト問題の難しさ キリスト教系の宗教における統一教会との共通点とカルト性】

          【宗教2世問題の解決の難しさ どこまでが信仰の「強制」?】

          「宗教2世問題を解決しよう!」という流れになっていますが、はっきり言って解決するのは非常に難しいと思います。伝統宗教でも当たり前のように行われている慣習まで制限されるおそれがあるからです。 例えば「子に親の宗教を強制しないように」という意見がありますが、どこまでが「強制」とみなされるのでしょうか?仮に規制しようとするならば、キリスト教徒の親が子を生まれてすぐに洗礼させたりイスラム教徒やユダヤ教の親が子を入信させたり、男の子の場合に割礼を施すのはかなり難しくなってしまうと思い

          【宗教2世問題の解決の難しさ どこまでが信仰の「強制」?】

          日本にはキリスト教徒の首相がいた!?

          日本があたかも「統一教会が支配する自民党」によって乗っ取られているかのような陰謀論が渦巻いていますが…今回は、実は日本にはキリスト教徒の首相経験者が存在することについてお話をします。 首相経験者である自民党の麻生太郎氏はカトリックの信者です。妹は皇室に嫁がれている寛仁親王妃殿下信子さまです。 https://go2senkyo.com/articles/2015/11/29/12573.html/amp 一方で、麻生氏は神道政治連盟の国会議員懇談会会員です。 https

          日本にはキリスト教徒の首相がいた!?

          【「ナチス」という言葉の重み】

          今年は色々なことが起きたが、私にとってはあることを改めて考えるきっかけとなった。それは、日本の言論空間における「ナチス」や「ファシズム」など、批判する相手をナチスドイツと関連させる手法である。 昨日銃弾に倒れた人物は、首相在任中に様々な方向から批判されていた。しかし、中には彼が公人であることを良いことに、度を超えた誹謗中傷やレッテル貼りもあった。「ヒトラー」や「ナチス」に関連した物がその代表格だ。数々の「疑惑」はあったが、結局問題は無かったし、「独裁者」呼ばわりされることも

          【「ナチス」という言葉の重み】

          ロシアの対独戦勝記念日を前に、日本でもよく考えられて欲しいこと

           明日5月9日は、ロシアが対独戦勝記念日として祝う日で、ソ連が第二次世界大戦においてナチスドイツに勝利した記念日だ。ソ連の継承国を自称するロシアは、「ソ連はファシズムの解放者」だと認識してきたし、現在でもそう考えるロシア人も少なくない。しかし、ソ連はヨーロッパの一部を占領して圧政を敷いたりソ連兵による性暴力を許したりしてきた。こうした経緯から「ソ連が解放者」であるという歴史観を受け入れられない人や政府が東欧には少なくないが、ロシアはそうした国の政府に「ナチス」や「ファシズム」

          ロシアの対独戦勝記念日を前に、日本でもよく考えられて欲しいこと

          ゼレンスキー夫妻が「夫婦別姓」に見える理由

           ウクライナ侵攻から約1ヶ月が経ちました。皮肉なことに、私がnoteで取り上げてきたロシアやウクライナがこれ程世界中で注目されたことはありません。ゼレンスキー(ウクライナ語読み:ゼレンシキー)大統領を知らない人も、もはや存在しないでしょう。  ゼレンスキー大統領のみならず、その夫人であるオレナ・ゼレンスカ氏もウクライナ国民を勇気づけようと奮闘しています。  記事を見て気になった人もいるかもしれませんが、大統領が「ゼレンスキー」なのに、その妻が「ゼレンスカ」ってどういうこと

          ゼレンスキー夫妻が「夫婦別姓」に見える理由