カルト対策に宗教教育は必要? それよりも既存の教科を見直せ

カルト対策を巡って議論が盛んになっています。カルト対策のために、学校で宗教教育も行ってはどうか?という意見も散見されます。

しかし、世の中に存在する宗教は数えきれないほどですし、一つの宗教を理解するだけでも非常に時間がかかるのに、特に中立性・公平性が求められる公立の学校の教育現場の中であらゆる宗教をまんべんなく教えることには限界があります。

私は、「宗教」という教科を作って学校で教えるよりも、既存の教科の内容を子供達にしっかり理解させることに力を入れ、その他に「どんな理由であれ、犯罪に繋がる行為は間違っている」とはっきり伝えていく方がシンプルで分かりやすくて良いのではないかと思います。既存の教科には宗教教育にも繋がる内容があるからです。例えば、私が高校生の頃の倫理や世界史Bの授業では、キリスト教やイスラム教など主に伝統宗教の歴史や考え方、教義について言及されていました。これがどうカルト対策を考える上で役に立つのかと疑問に思われる人もいるかもしれませんが、世界史Bや倫理の内容には、魔女狩りや異端審問など、「カルト」と「まともな宗教」の区別は難しいこと、同じ宗教の中の派閥争いの可能性もあること、魔女狩りや異端審問、十字軍のように伝統宗教も扱いに気をつけないとカルト性を発揮することがあったり、かといってロシア革命や文化大革命のように宗教自体を否定するのも時にカルト性を帯びた活動に発展しかねなかったりすることなど、私がこれまでカルト対策についてnoteで言及してきたことも理解できるからです。

https://note.com/sekiseiinko25/n/naa5413749a47

https://note.com/sekiseiinko25/n/n4555aaa61b4e

また、日本史Bや中学生の歴史の授業にも関連する内容があります。キリシタン迫害や絵踏みの話も、今回の行き過ぎた統一教会批判と重なる部分があります。

愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶという言葉がありますが、これまでの歴史を学ぶことから宗教を巡る問題について、対策方を考えることもできるのではないでしょうか?

霊感商法については、私が中学生の頃の家庭科の授業でも扱われていました。

カリキュラムの内容については学校や進路にもよりますが、目新しい解決策を考えるよりも、宗教が関わる科目について、基本的な知識を見直すことが大切なのではないでしょうか?