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弱い者にも意地がある。セリーグ下位の2チームが劇的勝利。中日とヤクルト。今シーズンにエンドマークは簡単に打たない。ネバー・ギブアップ!最後まであきらめない

弱い者にも意地がある。セリーグの下位に低迷しているヤクルトと中日が劇的勝利を挙げた。最下位のヤクルトは3位阪神を九回に振り切った。5位の中日は4位のDeNAに6点差を付けられてからの逆転勝利。今シーズンにエンドマークを簡単に打つつもりはない。「ネバー・ギブアップ」。最後まであきらめない。

ヤクルトはアウェーの大阪で阪神と対戦した。ヤクルトは2-1とリードした八回裏に同点に追い付かれた。嫌な流れとなりかねない状況。しかし、ヤクルトは直後に攻勢に出た。

1死後、1番の長岡秀樹選手がセンターへヒットを放った。次打者が送りバントを決めて走者を二塁に進める。

ここで代打で登場したのが山田哲人選手だ。今季は打撃不振でベンチスタートのケースが多くなっている。それでも出場機会が与えられれば、何とか結果を残そうとするのが山田選手らしい。

カウント1-0からの2球目。144キロの直球をセンターへ弾き返して勝ち越しの二塁打を放った。なお2死満塁と好機を広げると、オスナ選手がライト線へのエンタイトル二塁打を放って2点を追加する。このリードを守り切って、ヤクルトが6-3で競り勝った。

下位チームの意地は横浜の地でも見られた。中日は六回までDeNAに1-7と6点リードされていた。敗色濃厚。しかし中日は終盤に猛攻に出た。

七回に2点を返し、八回には4点を奪ってビッグイニングとした。そして九回。7-8と1点を追う展開だ。

この回先頭の細川成也選手から2者連続のヒットで無死一、二塁のチャンスを作る。1死後、さらにヒットが出て満塁に。ここで村松開人選手がライトへタイムリーヒットを放って同点に追い付く。さらに田中幹也選手がレフトへ勝ち越しのタイムリーヒットを放った。

9-8。このリードを守り抜いて、中日が最大6点差をはね返す劇的な逆転劇を演じた。

日本の野球が好きな理由は簡単にあきらめないことだ。海の向こう、米国のメジャーリーグでは、ポストシーズンに進めそうにないと見切ると、主力選手を次々トレードで放出する。

翌年にそなえて、将来有望な若手を手にしておこうとする考えは理解できる。そこからチームの柱に成長するケースは枚挙にいとまがない。

それでも、「白旗宣言」とも思えるトレードは、ファンとしては悲しいだろう。「消化試合」と分かっていながら、応援するのは精神的につらい。

日本の場合は、終盤にトレードで主力を放出することもない。優勝は無理でも、ポストシーズンに進出できるAクラス争いを最後まで続ける。

5位中日は3位阪神とのゲーム差は8。最下位ヤクルトはゲーム差が9だ。残り試合が30試合前後となる中で、可能かどうかは疑わしい。

それでも、あきらめない姿勢は心を打つ。「ネバー・ギブアップ」。下位球団の奮闘があるからこそ、リーグ全体が盛り上がる。

現状が何位だろうと、しぶとく戦っていく。「ネバー・ギブアップ」。最後まであきらめないで。これこそ、野球がファンへ送る人生のエールだろう。だから、逆転を信じて、最後まであきらめない。

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