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散文詩

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2023年5月の記事一覧

小さな白い花 《詩》

小さな白い花 《詩》

「小さな白い花」

天国って何処にあるの  

神様も見た事ない

地獄って何処にあるの 知らない

死神だって会った事ない

世界が
くだらない事くらいはわかるさ

涙と悲しみ 恨みと憎悪 

嘘だらけの希望と望まない絶望

刹那で出来た森 
裸足で歩いた 

瞳を閉じたまま

白い花の香 

君の囁きの様に思え 
僕は空を見上げた

この世界を作ったのは君だよ 
そう君が言う 

少し微笑みな

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虎と龍 《詩》

虎と龍 《詩》

「虎と龍」

嘘ばかりをつき続けて
誤魔化した孤独

見透かされた作り笑顔

罪を重ねた刻んで来た時

独り紛れた嘘の波

消えない炎に投げ入れた後悔

雷鳴引き裂き崩れ落ちる空
悪夢の向こうに探した真実

勘ぐり判断基準 損得勘定 
糞気怠い午後

吐き出した煙草の煙

胸にあてた手のひら

手を出しなよ 
片手じゃ足りない
両手を広げて

素通りする女神を抱きしめてみろ

輩に売女 
中身の無

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落ち葉 《詩》

落ち葉 《詩》

「落ち葉」

癖のある髪  

瞳にかかる前髪

夢行きの列車 色彩 景色

初めて僕に微笑んでくれた夜

君と歩いた街並み

君とよく行ったお気に入りのカフェ
君の好きな あの歌

君の仕草と口癖 
真似して笑わせた
 
君の選んでくれた服

君の好きな色

至るところに溢れた思い出

あれから僕も少しは強くなったよ

本当だよ 
君が居なくても大丈夫 

なんて

独り言 呟き 消せない想い

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一緒に帰ろう 《詩》

一緒に帰ろう 《詩》

「一緒に帰ろう」

諦めの向こう側 

言い訳ばかりを作り出した

出来ない理由なんて
いくらでもあるさ

何ひとつ成し遂げられず

何ひとつ省みる事さえせずに

答えなんて
何処にも無いと逃げ出した あの日

大好きだった君の声にさえ
耳を塞いだ

もう何も聞こえなくなった

何処にも地図なんてなくて

ただ 
がむしゃらに彷徨った

世界の模様が ずれ始め
僕は居場所を無くしたんだ

もういい

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かつてライオンだった少年へ 《詩》

かつてライオンだった少年へ 《詩》

「かつてライオンだった少年へ」

君の居る街には 
まだ雨が降っていますか

陽の光 
花や木の葉の色彩が見えますか

街の雑踏 
風の音が聞こえますか

穏やかな時は流れていますか

其処にも死はありますか

捨て去った麻薬や拳銃

かくれんぼの続き

僕は今でも君を探しています
きっと君を見つけてみせます

見つけた時には笑ってください

始めて会った時と同じ笑顔で

僕は何も聞かずに
君の手

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