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西願広望
2024年5月3日 06:45
今回は「笑い」からは少し離れて、フランスの美しいCMを二本、御紹介しましょう。結局、美しさには贅沢が不可欠なのでしょうか。CMのような、経済的効率性が不確かなものに、惜しみなくお金と時間とアイディアを与える、だから美しいものができあがる-。やっぱり、美と富と知は関係があるのかな。考えてみれば、文学芸術も教育も、経済効率との因果関係は必ずしも明瞭ではありません。たくさんの労働の結果、たいし
2024年4月8日 10:27
今週末、土曜日曜で、『ヴィンランド・サガ』シーズン1と2を、アマゾンプライムでイッキ見した。noteで相互フォローさせて頂いている方のオススメだったので、観てみた。11世紀初頭のバイキングの話だ。とても面白かった。テンポがややゆっくりかもしれないが、ハイボールを飲みながら観るにはちょうど良かった。中世が舞台だが、魔法使いもドラゴンも出てこない。シリアスな大人の話だからだ。工夫北欧を
2023年12月10日 20:41
リドリー・スコット監督の映画『ナポレオン』が封切られたことで、フランスではナポレオンの評価をめぐって議論が白熱している。〈歴史モノ〉から学ぶ歴史に題材を取った、いわゆる〈歴史モノ〉の映画・小説・漫画・アニメから、議論が生じるのは、たいへん良いことである。それを機に、知らなかった歴史的事実を知り、歴史認識について学ぶことができれば、それにこしたことはない。もちろん〈歴史モノ〉が「エンターテイ
2023年10月29日 13:47
漫画や小説といったフィクションと歴史の関係について考えたい。実を言うと、現在、私自身19世紀フランスの歴史小説を史料として読んでいる最中であって、この種の問題に関心がある。何が目的なのフィクションが歴史を扱うとき、なによりも重視すべきはその目的である。例えば『薬屋のひとりごと』の舞台は、むかしむかしのアジアの大国の後宮である。しかし時代も場所も明記されてはいない。つまりディテールは無視さ
2023年10月23日 13:41
ついにアニメもここまで来たかと驚いた。「終わり」から始まる『葬送のフリーレン』では、第1回が「冒険の終わり」から始まる。通常、冒険活劇の第1回は「冒険の始まり」から始まるものだ。ところがこの作品では、「冒険の終わり」から始まる。悪玉妖怪を倒す冒険の旅が終わって、四人の勇者たちは任務完了を報告し、そしてばらばらに去っていく。別れていく。勇者たちのうち、主人公フリーレンはふつうの人間では