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西願広望
2024年6月19日 07:11
6月18日、フランスの女優アヌーク・エーメさん(92歳)、逝かれる。彼女は、僕のスマホの壁紙。文字通り、目の保養だった。ただ美しいだけでなく、エレガントで、チャーミングだった。いまごろ極右はよろこんでいるだろう。なにせ彼女はユダヤ系だった。彼女を国際的有名人にしたのが、映画『男と女』(1966年)だった。フランシス・レイの音楽、〈ダバダダバダ〉で有名な例のやつ。初めて観たとき
2024年6月16日 21:31
ミシェル・ウエルベック(1956年生)は、僕とは異なり、保守派である。ところが彼の女性観に、非常にしばしば、僕は同意してしまう。そのことは僕をモヤモヤさせる。でも同意するという事実と、向き合わなければとも思う。読み終えたばかりの『滅ぼす』から幾つか例をひこう。痛みについての特殊な知識例えば次のシーン。アルアルだ。とてもよく実感できてしまう。ポールとプリュダンスという夫婦が、ある事
2024年6月15日 21:34
読んで良かった。あんな厚い本、上下巻で?と、最初は迷った。でも古本屋で安く買えたので読んでみた。読んで良かった。保守派ウエルベックは保守派で、僕はどちらかといえば革新派だ。例えばウエルベックはナチズムとフランス革命を、どちらも既存の価値体系に取って代わることを目指していたとして、同一視する(『滅ぼす』第7部)。当然のことながら、僕はこういう意見には反対だ。イラっとする。けれども
2024年6月13日 08:51
伝説のカップル6月11日、フランスを代表する歌手フランソワーズ・アルディFrançoise Hardyさんが亡くなられた。80歳だった。長年、癌と戦われた末であった。痛みはかなりのものであったらしく、尊厳ある死を認めるよう、求めていらした。アルディさんは、いつでもどこか寂しげな、そして優しく、優美なかたであった。少なくともテレビのインタビューを観ていて、私はそういう印象を得た。ツアーや