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死にぞこないの趣味の世界

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2024年4月の記事一覧

コントレックスの、おもしろいCM

コントレックスの、おもしろいCM

1960年代から
フランスのミネラル・ウォーター、コントレックスのCMはすごい。
1960年代から21世紀まで、かわることなく、BGMがフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」なのだ。

おそらく歌詞で、繰り返される「エックス」という音。
それが「コントレックス」と合ったからだろう。

当初はアルディの次のような「語り」が入っていた。
Quand je bois Contrex je me

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セルジュ・ゲンズブールが好き!

セルジュ・ゲンズブールが好き!



セルジュ・ゲンズブール(1928-1991年)が好きなひとは、とりわけ生真面目で頭のかたい〈優等生〉が支配する21世紀の社会においては、貴重だと思う。なぜなら適宜にゆるく、適宜に軽く、清濁あわせ飲んだ、包容力ゆたかな人だろうから。

以下、彼の独白を創作してみた。

コンプレックス俺、ユダヤ系じゃん。
それに、ブサイクだ。それくらい自分でわかる。
子供の頃、絵描きの父に憧れた。
俺も絵を描いた

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映画『落下の解剖学』を観て-必然としての曖昧さと必要としての決断

映画『落下の解剖学』を観て-必然としての曖昧さと必要としての決断

トニ-と映画館でフランス映画『落下の解剖学』を観た。
トニ-はこれまでの人生の悲喜交々をすべて糧として成長した、明るく健康的で包容力のある大人の女性だ。だから僕は彼女のそばにいるとそれだけで楽しい。

ひとつの事件、ひとりの人物の曖昧さ映画『落下の解剖学』のテーマは曖昧な現実だ。

歴史学研究者として僕は、曖昧さは必然でなければならないと信じている。つまりできるかぎり緻密に徹底的に分析して、物事を

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ミシェル・ウエルベック『地図と領土』を読んで

ミシェル・ウエルベック『地図と領土』を読んで


仏文学者ではないから、優れた書評はできない。ただ気になった点をノートしておく。

現代の孤独へのスタンス
おそらくウエルベックの小説『地図と領土』のテーマは、現代人の孤独だ。
誰もが独房にうずくまる、パノプティコンと化した、現代がテーマだ。
フーコーがそれに警鐘を鳴らしてから、既に半世紀が経った。
時代はひさしく寂しい。みんなむなしく孤独だ。

そんな孤独な人々をウエルベックは膨大な情報から浮か

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アニメ『ヴィンランド・サガ』を観て

アニメ『ヴィンランド・サガ』を観て

今週末、土曜日曜で、『ヴィンランド・サガ』シーズン1と2を、アマゾンプライムでイッキ見した。
noteで相互フォローさせて頂いている方のオススメだったので、観てみた。

11世紀初頭のバイキングの話だ。とても面白かった。
テンポがややゆっくりかもしれないが、ハイボールを飲みながら観るにはちょうど良かった。
中世が舞台だが、魔法使いもドラゴンも出てこない。シリアスな大人の話だからだ。

工夫
北欧を

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