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彼女がいなくなった。きっと大切なものをぽろぽろと残して。 当時のわたしにとってはミューズそのものであり、また苦しみでもありました。 自分で決断したのに、会わないことがとても寂しかった。今思えば許せなくてももう少し会話をしたら良かったのだろうか、と思う。 わたしに謝った貴女が嫌いだった。恨むことも許されないのかと思った。彼女の自由を羨んでいた時の方が幸福だった。 会わなくなった後も、貴女がくれたお揃いの赤いビーズでできたブレスレットを外せずにいた。川辺を散歩していたら何か

    • daisy

      眠れない時に書き溜めたものです。勿論取り留めなどあるはずもありません。身体が冷えるなと感じる季節がまたきてしまいました。お元気ですか。わたしはきっとすごく元気です。 恋人と同棲するようになってから、自分の元々の所有物を至極愛おしく思うようになった。 去年の誕生日に同期にもらったムーミンのマグカップ。リラックマのぬいぐるみ。何年も飲んでいる日本茶。眠れない夜は一度見たことのある映画を片っ端からネットフリックスで見ている。レオン、ミッションインポッシブル、ショーシャンクの空に、

      • 製氷機

        子供の頃はああだったこうだったという話をしていた。人と話すと何故か文章を書きたくなる時がある。わたしが子供の頃。といっても今もまだ子供だが、もっともっと小さいとき。ちびちゃんだったとき。ガラスでできた貝殻と、シールを沢山集めていたわたしは、おままごとも鉄棒もお人形遊びも嫌いだった。途切れて薄まりつつある記憶を無理矢理に引っ張り出して思い出す。小さい頃に住んでいた家には、とても思い入れがある。100坪以上ある、古い日本家屋だった。そこはわたしが知らない親族が昔ひとりで住んでいた

        • 額縁

          12月に入った。本格的に寒さも増してきて、こたつや布団から抜け出せない、みたいな日が続く。これが冬の醍醐味なのだけど、何をするにも寒くて億劫になる。鍋とか雪見だいふくがとんでもなく美味しい。コートを1着卸した。そんなこんなで、"また今年も終わってしまうのか〜早いね〜"というもう生きてきて何度目かも分からない台詞を繰り返しながら、もうすぐ2017年も過去になっていくのだ。でも本当に一年とは瞬くように終わってしまう。この一年、わたしは女子高生になり、周りの環境が目まぐるしく変わっ

          LEON

          監督 リュック・ベッソン 昨日は眠れなくて、ブログを二本も書いてしまいました。此方は2本目です。いきなり連日投稿しますがお許しを。今更だが、少し前にこの映画を観た。きっと愛せる、と確信して観た映画だったが、やはりどうしようもなく愛おしい作品だった。同じ監督が撮っていたLUCYもすごく面白くてわたしはとても気に入っている(実はLUCYの批評も書いているのだが、どうも文章がしっくりこず去年からずっと下書きにお蔵入りになっている)。リュック・ベッソンはとても繊細でユニークな人だなあ

          魔女

          最近SNSが全くと言ってよい程楽しくない。slahahというアプリケーションの匿名サービスも共有の仕方を失敗してしまったのかわたしが軽率だったのかなんだかとても傷つくことがあったので消してしまった。TwitterやInstagramも今は開きたくもない。フォロワーさんが増えるとモラルの無い人と出会うことは仕方がないことなのかもしれないけれど、それでも顔も知らない誰かのせいで傷つくのはなんとも虚無な気分になる。わたしも軽率な言葉で誰かを傷つけてしまうようなことは絶対にしないよう

          レジスター

          この頃、朝と夜はとても冷え込む。雨の日が続いていて、もう冬のような空気だが、何はともあれ秋が来た。わたしの一番好きな季節。金木犀の香りの香水を使っているからかもしれない。この季節になると、道端の金木犀の花とわたしがおんなじ匂いになるから。それはまるでわたしが風景になってしまったような、そこら中の空気全部と一体化してしまったような、そんな気持ちになる。とても幸福だ。あと、秋の色は全部きれいだ。毎日耳にイヤホンを突っ込んで散歩したくなる。こんな稚拙な言葉たちで体現するには、ほんと

          レジスター

          煙草

          昨日を過ぎて、夜もとんと更けてきた。夜更かしばかりしているでしょ。大いに結構だと思います。今晩は。わたしは煙草を吸わない。16歳だもの。でもきっと20歳になっても、もっと歳を取っても、吸わないと思う。ものに依存してしまうと、自分が保てなくなりそうで怖いから。きっとやめられなくなる。あとわたしは400円の煙草より170円の大満足チョコミントアイスを2個買って大大大大満足したいタチだし。毎日コンビニに勤めていると、大体3割くらいの客は煙草を買っていく。もっとかな。200種類以上あ

          夏のマザーグース、わたしに向けて

          夏だ。纏わりつくような暑さ。また帰ってきたのねと思い出す匂い。いきなり降ってくる夕立。夏だなあ。夏休み。よく働いてよく遊びに出かけた。と思う。女子高生が足を運ぶ先なんて全くわからなかったけど、自分なりに色んな景色を見て、虚しくなったり侘しくなったりして。死ぬほど泣いたし、でもそれよりも沢山笑った。 わたしは元々情緒が不安定な人間だけれど、ひとりでいるときはそれをくっと堪えられるようになってきたのかもしれない。今日を楽しむ為に生きようと思えるようになった。少しだけ余裕を持ててき

          夏のマザーグース、わたしに向けて

          マッチスティック・メン

          監督 リドリー・スコット 映画を観た。確か2003年公開の、ニコラスケイジ主演の映画。"マッチスティック・メン"。超簡潔に言えば、父娘の話だった。潔癖症、チック症、そして詐欺師である父親と、14歳になる娘が初めて出会う。父親は人を愛することを知り、どんどん完璧だった自分の仕事に支障が出るようになる。渇き。の異質さを取り払って煙草の煙をぶち込んだような映画だった。ニコラスケイジが素晴らしい演技をしていた。嫌でも自分の父親の顔を思い出す。まともに喋ったのは一年以上前か。今は会うこ

          マッチスティック・メン

          あなたは醜い

          人を愛すると、自分も愛せるようになった。大嫌いな自分でも、幸せになりたくなる。わたしはこの感情のすべてが嫌い。 図々しいな、と思ってしまうから。なんの努力もしていないわたしが幸せになろうだなんて。考えすぎだよ、と彼等は言う。そんなこと言われると、もうへらへらと笑うしかなくなってしまう。わたしはどんどんみんなから突き放される気になって、好きな人から遠ざかろうとする。誰でも良いなんて真赤な嘘で、でも誰でもよかった。わたしは煙草に火をつけて、君の吐いた嘘を吸って、自分の孤独になって

          あなたは醜い

          番犬は庭を守る

          著者 岩井俊二 またえげつない小説を読んでしまった。今日、わたしはローソンでつめたいカフェオレを買った。とっても暑かったから。それから図書館の駐輪場に着いた。気持ちの良い風が吹いていて、紫色の小さい紫陽花が沢山咲いていた。紫陽花はわたしの一番好きな花だ。建物に入る。此処の図書館は窓が大きくて、きらきらと日差しが入ってくるので夏に来ると、居るだけで有意義な時間を過ごせるような気がする。そして本を選び始めて3分経たず、なんとなく手に取ったのが、この本だった。年始に読んだヴァンパイ

          番犬は庭を守る

          なみゆめ

          妙に、心臓のあたりが痛い。本当に心臓という器官が痛みを感じているのかは分からないが、それでも心臓のあたりが痛い。体調が芳しく無い日は、いつもこうなる。締め付けられるような、引っ張られるような、鈍い痛みが、わたしをずっと許してくれないような気がする。 今日はそれに加えてお腹も痛かった。息がし辛く、目眩がする。なんのやる気も起きない。静かなピアノの曲をかけて、気持ちを落ち着かせた。お昼は平気だったのに、流れるように楽しい文章を書けたのに。一度落下し始めたわたしの感情は止まれなくな

          なみゆめ

          5月は一度も文章を書かなかった。書く気にならなかった。気がつけばもう6月で、初夏をとうに迎えている。時間はどんどん過ぎていく。後悔も甘美も絶望も綯い交ぜて。どうも皆さん、お久しぶりです。自転車を漕いでいると、自分に当たって流れていく風が夏の匂いに変わっていくのがわかる。みずみずしい。またこの季節がやってきた。わたしは夏が特別好きなわけではないが、肌に触れている風が気持ちいいのは嬉しい。目を瞑る。散歩をするには少し蒸し暑く、気怠げになった。その代わりと言ってはなんだけれど、この

          独言葉

          高校に入学して、早くも2週間以上が経過しているらしい。ガラリと変わったはずの生活にも、少しずつ順応してきた。慣れというのはやはり恐怖だ。女子高生になって分かったことを幾つか羅列してみる。 ・女子高生という肩書きにはなんの価値もなかったし、あっても無くなる。・若さという強さに驕りを見出すことは極めて時間の無駄。・美しいより可愛いが正義らしい。ちっともそう思わない。・自分の恋人のことを永遠とSNSに投稿する女が増える(投稿の頻度が余りにも高い奴に関しては本当にいけ好かない。他人

          独言葉

          マリー

          きっとわたしの中で、歩くことと独り言を言うことは同じだ。散歩をしていると、四方八方に飛んで行って灰になった筈の自分の言葉が、ふわふわ浮かんでくる。本当の好きが何処へ行ってしまったのか、或いはまだ見つけられていないだけなのか、未だにわたしは分からない。嫌いなのに結局帰ってきたり、好きだから一緒にいられない憎しみが募ったり。人間は忙しいよなあ。わたしもその枠組みや、ヒエラルキーの中で生きている訳だけど。取るに足りない自分の言葉は、此処に沈めていくよ。面と向かってこんなことを言える

          マリー