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吃音暇人(きつおんかじん)の歌もどき

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毎週金曜日更新の『トイレで読み飛ばせる程度の文章量』で綴る、「映画駄話」や「音楽駄話」、TBSラジオ「アフター6ジャンクション2(アトロク2)」についての駄話等々に加えて、私のハ…
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Vol.60 映画「ぼくのお日さま」の話を、もう少し(※ネタバレ含む)

Vol.60 映画「ぼくのお日さま」の話を、もう少し(※ネタバレ含む)

気づけば5回も劇場鑑賞した、映画「ぼくのお日さま」。
前回(Vol.59)に引き続き今回も感想(という名の駄話)を少々。

※「ぼくのお日さま」の、ざっとしたあらすじは…
時は2000年(注1)、場所は北海道の「三ツ風町」(注2)。
吃音(注3)のために、しゃべる事に難がある少年 多田拓也は、アイスホッケーの練習の為に訪れたスケートリンクで、フィギュアスケートを滑る少女 三上さくらの姿に目を奪われ

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Vol.59 私が心打たれる『吃音映画』の構造。

Vol.59 私が心打たれる『吃音映画』の構造。

前回(Vol.58)、「映画は、たいてい1回しか観ない」と書いた私ですが、その舌の根も乾かない内に3回観た映画が『ぼくのお日さま』。

ざっとしたあらすじは…
吃音(注1)のために、しゃべる事に難がある少年 多田拓也は、アイスホッケーの練習の為に訪れたスケートリンクで、フィギュアスケートを滑る少女 三上さくらの姿に目を奪われる。
後日、ホッケー靴のままフィギュアスケートの真似を始めた彼に、フィギュ

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Vol.58「それは意図してなかった」(「食卓映画」の舞台裏)。

Vol.58「それは意図してなかった」(「食卓映画」の舞台裏)。

大抵の映画は、1度見ればそれっきりなのですが、繰り返して観ると気づくこともありまして…。

それは先日{2024年9月8日(日)}、『イオンシネマ草津でスタートした「トークショー付き上映会 ” シネマトーク “ 」』の、記念すべき第1回『白石晃士監督&田坂公章プロデューサーによる舞台挨拶付きの、映画「サユリ(注1)」上映会』に足を運んだ時の話。

映画「サユリ」は既に一度観ていて{その時の感想は

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Vol.57「等身大の主人公」

Vol.57「等身大の主人公」

『「偉大な人物の物語」に耽溺した者は、尊大な態度をとる様になる』
…のっけから小難しく!?書いてみましたが、「英雄(ヒーロー)の物語」の書籍を読んだり、映像作品を観たりすると、描き出される強烈なキャラクター性に引っ張られて、ついつい(読み手や観客である)こちらまで気が大きくなってしまう事はよくある訳で{…え、もしかして私だけですか?(笑)}。

では逆に、自分に近い等身大のキャラクターの物語を見る

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Vol.56「食卓映画」

Vol.56「食卓映画」

とにかくビビりで、怖いシーンが大っ嫌い!…そんな私ですが、ちょくちょくホラー映画を観ることがありまして、先日も(押切蓮介さんによる原作コミックは未読ですが)映画「サユリ」を劇場で観てきた訳です。

※下記は30秒の予告編です。

ざっとしたあらすじは…
『中学生の神木則雄は、両親、姉、弟、そして祖父母と共に、とある一軒家に引っ越してくる。しかし、その家は邪悪な ” 何か ” が憑いている家だったの

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Vol.55「40年前の大作」

Vol.55「40年前の大作」

最近は『いつか見ようと思っていた映画』が「デジタルリマスター版での再上映」という形で映画館で観られるケースも増えてまして、先日も映画館で(1984年に劇場公開された)デヴィッド・リンチ監督版『デューン/砂の惑星』を初鑑賞。

なお、ざっとしたあらすじは…
『遥かなる未来。アトレイデス公爵一族は転封したばかりの「砂の惑星 ” アラキス(またの名は デューン ) ” 」にて、ハルコンネン男爵と皇帝の共

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Vol.54 音楽の別動隊!

Vol.54 音楽の別動隊!

演奏の終盤、ピッコロ奏者がサッと立ち上がって、ステージ下手側の袖にスタスタと歩いていく…これは、先日{2024年8月11日(日)}不二羽島文化センターで開催された『第62回岐阜県吹奏楽コンクール 職場・一般の部』での「楽楽嬉音楽隊・岐阜」の皆さんによる演奏中の光景です。
その時の演奏曲目が、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のダイジェスト版だったので、『はは~ん…ステージ袖の音響効果を使って、天国から

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Vol.53 止め絵の連続はアニメーションになるのか?

Vol.53 止め絵の連続はアニメーションになるのか?

『合わせようとするな!合う訳がない!…とにかく(音を)出せ!…すると、合うから!』
…こんな禅問答みたいなアドバイスを受けたのは、私が ” 某 社会人音楽サークル ” にいた頃の話。
どんなシチュエーションだったのかと言いますと『「 ” 吹奏楽コンクール(注1) ” 県大会」2週間前の合奏練習』の真っ最中、合奏がうまく嚙み合わず(※ ” 音楽が停滞する ” というやつです)八方塞がりな状況でした。

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Vol.52「え~!ズレてますか?」

Vol.52「え~!ズレてますか?」

先日、 ” ひこね市文化プラザ グランドホール ” で開催された(「中部日本吹奏楽連盟滋賀県支部」が主催する)『第67回 中部日本吹奏楽コンクール 滋賀県大会』の「中学校小編成の部(※30人以下の編成による演奏部門)」を聴いてきました。

以前の趣味は” 楽器いじり ” で、 ” 社会人音楽サークル ” に籍を置き、「 ” 吹奏楽コンクール ” に出る側」だった私ですが、実は(自らが ” 出る側

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Vol.51 登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない!

Vol.51 登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない!

『「登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない映画」には乗れないなぁ』…と感じたのは、先日のこと。
映画「あのコはだぁれ?」を見た時の話です。
(※ちなみに、今回は「ネガティブ寄りの感想」なので、その点ご注意!?の程を…)

どんな物語なのかと言うと、あらすじは…
『 ” 君島ほのか ” は臨時教員として、とある学校の ” 夏休みの補習授業 ” を受け持つことになるが、それは奇妙な体験の幕開けであっ

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Vol.50「みんな納得してるから!」

Vol.50「みんな納得してるから!」

『1ヶ月後の吹奏楽コンクール、 ” O中学校吹奏楽部 ” の指揮者として出場してくれないかな?』
10年以上も前の「知人だったH氏から ” そんな依頼 ” を受けた記憶」が蘇るのは、日本各地で「全日本吹奏楽コンクール(注1)の下部大会(地区予選等々)」が始まるこの時期。

誤解の無いように言っておきますが、私は ” 音楽の専門教育 ” を受けた事がない「素人を煮詰めたような!?、楽器いじりが趣味(

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Vol.49 最悪な状況で、人生最良の”気づき”を得る瞬間。

Vol.49 最悪な状況で、人生最良の”気づき”を得る瞬間。

「え~!まだ前日譚を作るの?」と思ったのは、映画「クワイエット・プレイス DAY1」の予告編を観た時の話。

過去に2作品が作られている、映画「 ” クワイエット・プレイス ” シリーズ」を、両作品とも劇場公開時に鑑賞した私の偽らざる感慨でした。

ちなみに、
『1作目の「クワイエット・プレイス」のあらすじ』は…
アメリカの田舎町で、音を立てない事に注意を払いながら、自給自足の生活を送っているアボ

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Vol.48 2024年上半期の映画鑑賞(a.k.a.現実逃避)のまとめ。

Vol.48 2024年上半期の映画鑑賞(a.k.a.現実逃避)のまとめ。

酒には弱くて嗜めず、運動が苦手なのでスポーツする気にもならない…そんな私にとって、数少ない趣味(≒現実逃避)の一つが「劇場での映画鑑賞」。
…ということで!?、今回は「2024年上半期の映画鑑賞にまつわる ” 覚え書き ” 」です。
{なお作品の良否にまつわる「ベスト」とか「ランキング」は、年末(もしくは年始)に、一年間分まとめて行います…誰も興味無いと思いますが(笑)}

【最多鑑賞映画】

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Vol.47『さぁ皆さん、ご一緒に♪』は、なぜ寒々しくなるのか?

Vol.47『さぁ皆さん、ご一緒に♪』は、なぜ寒々しくなるのか?

『ヒロインの口が、常に半開きなのが気になる(笑)』…某雑誌で、そんな趣旨の映画レビューを見かけたのは2004年、ミュージカル映画「オペラ座の怪人」(注1)が劇場公開された時の話。
先日、遅まきながらリバイバル上映された同作品を観てみると、確かにエミー・ロッサム演じるヒロイン(役名:クリスティーヌ・ダーエ)の口元は常に半開きの印象!

これを普通の劇映画として考えると違和感を覚えるのですが、この作品

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