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『結婚不要社会』を読んで、結婚についての考えを整理してみる。

日本人ラテン化計画

作家・恋愛カウンセラーの私が今後ライフワークとして頑張っていきたい野望は、ズバリ「日本人ラテン化計画」です。

かつてタレントの杉本彩さんが提唱されていた「自由な発想で人生を楽しむ」というもの。

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杉本さんが発信されていたのは2007~2012年くらいですが、現在は前ほど表舞台に出られてないだけで、そのスピリットはお変わりないと思います。

私はその中でも、ラテン系の人々のように「老若男女問わず生涯恋をして、人生を楽しむ」というマインドを日本人も持ってほしいな~と思い、これから社会に発信していきたいと思っています。

不幸な結婚をするくらいなら、独身でいる方が1億倍マシ

現代の日本では、3組のうち1組の夫婦が離婚していると言われています。

しかし未だに、「経済的に不安だから」「世間体が悪いから」「子どもが可哀想だから」などの理由で、相手のことが嫌いでも離婚せずに一緒にいる夫婦が多いのが現状です。


離婚経験者からすると、「離婚したいのに相手が応じてくれない状況」というのはまさに生き地獄。

それならまだ「相手がいない」と孤独を感じる独身の方が1億倍もマシ!!

いっそのこと、初めから結婚なんてしない方がいいのではないか!?

・・・とまで思いました。(子どもいなくて本当に良かった)


とはいえ、私にとって恋愛は必要不可欠なので、

「恋人と半同棲・もしくは同棲はしたいけど、婚姻届は出さない。

好きな間は一緒にいるけど、別れたくなったら別れる。

・・・そういう緊張感のある関係の方がお互いを大事にできるし、ベストなのではないか?」

という結論に達しました。

「子どもを持ちたいと思った場合」の問題については、長くなるのでまた別の機会に話したいと思います。


話は戻りますが、私の粘り強い説得に夫は折れて、無事離婚できました。

役所に離婚届を出した瞬間は人生で一番と言ってもいいくらい嬉しくて(※婚姻届を出した時の喜びなんて比にならない)、「今日が私の独立記念日だ~\(^o^)/」とMy祝日に指定したほどです。(毎年その日を迎える度に、なんともいえない歓喜の気持ちが蘇ります)


・・・そんなわけで、世の中の婚活に勤しむ皆様には、

「恋愛は大いにしてほしいけど、結婚はそこまでいいものじゃないよ。

もしかしたら相手選びに失敗するかもしれないし、離婚するのはす~っごく大変!!

だから無理して婚活なんかしなくていいよ。」

と声を大にして言いたくなるのです。

「じゃあ、なんでお前は再婚してるんだ!?」というツッコミが入るでしょうが、私の場合ちょっと特殊な事情があり、話すと長くなるので、それもまた別の機会にということで・・・。


ちなみに現在の夫とは結婚7年目に入り、子どもはいませんが(いないからこそ!?)仲良く過ごしています。

それでも自身の経験があるので、もし彼が「離婚したい」と言い出したら、素直に別れてあげようという気持ちでいます。

それが本当の優しさであり、愛情であると私は思っているので。

私がこの本を手にしたきっかけ

前置きが長くなってしまいました。

私は現代日本の結婚問題について強い関心があるので、社会学者・山田昌弘氏の著書『結婚不要社会』(2019年発行)を読み、自分なりに考察してみました。

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山田先生は、「パラサイトシングル」「婚活」などの言葉を考案・提唱した方でもいらっしゃいます。

好きな相手が経済的にふさわしいとは限らない、
経済的にふさわしい相手を好きになるとも限らない、
しかも結婚は個人の自由とされながら、
社会は人々の結婚・出産を必要としている......
これらの矛盾が別々に追求されるとき、
結婚は困難になると同時に、不要になるのである。
平成を総括し、令和を予見する、結婚社会学の決定版!

この紹介文を見ただけでも、現代の若者が直面する結婚の問題がわかりやすくまとめられていますよね。

日本人が結婚に固執する理由

現代は、昔に比べれば「適齢期になったら結婚しないといけない」という社会的抑圧はなくなりました。

今や婚前交渉は普通だし、同棲を容認する親だって増えている。

それなのになぜ、現代の若者は結婚したがるのか!?

本書ではその理由を大きく3つ挙げています。

ここからはその理由と、それに対する私の考えを述べていきます。

1.社会システムが結婚を必要としている

日本社会では、事実婚だと法律婚のようにスムーズにいかない事象が数多く見受けられます。

・周りの人に説明するのが面倒くさい。
・社会保険や相続、死亡届、入院した時の面会など。(例:事実婚では医療機関で延命措置を受ける時、同意のハンコを押せない等)
・子どもを持った場合、扶養控除や子ども手当など、結婚していた方が便利、かつ有利。

自分の経験でいうと、数年前、夫が強い頭痛と眩暈、吐き気という症状で救急車に運ばれた後、彼に代わって入院のサインを書いた時は「結婚してて良かった」と心から思いました。(※現在は元気ですよ!)

ただ、社会通念や法律も時代に即して変わってきています。

たとえば、児童扶養手当は2012年に「未婚の母にも支給される」と改正されたし、「非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2」という法律が2013年に「同等とする」と改正されたのも、かなり大きかったと思います。

今まで少数派だった人が「多様性のある社会を受け入れて!」と声を上げ続けることで、ちゃんと法律にも反映されていくんですね。

個人的には、選択制夫婦別姓制度も早く制定してほしいと思っています。

2.永続性の保証

著者は、結婚による永続性の保証をこう説明しています。

・日本人は、「結婚することでその関係が保証されるはずだ」と当然のように考えている。
・日本では、収入の高い男性と結婚するということは、経済的な一生の保証になるし、たとえ離婚したとしても、相当の経済的保証がある。
・法律面や企業の制度でも、遺族年金や配偶者控除、家族手当など、結婚することで得られるメリットはまだまだ多い。

このような社会情勢を見ていると、収入が不安定な女性が経済力のある男性に頼る心理も仕方ないのかもしれません。


ただ、大企業でもリストラされる、稼ぎのいい経営者も急に倒産するなどのリスクもありますし、結婚で得られる年金や控除なども、徐々に減額や廃止の方向に向かっています。

そもそも現代社会において、未婚女性の72%が求める年収400万円以上(そのうち、500~700万円が32.8%と最も多数派)を稼げる未婚男性なんてたったの19%です。(2018年内閣府調べ)

この数字を見ると、恋愛勝者でない婚活女子は、「自分の父親と同程度、もしくはそれ以上の収入のある男性と・・・」という幻想は捨てなければなりません。

高度経済成長期にモデルとされた「性別役割分業」も、今の時代では否定されてますよね。

個人の能力の違いによる格差は大きくなるでしょうが、ダイバーシティーが叫ばれる昨今、性差による賃金差は縮まっていくはずです。

欧米のように、「女性も経済的に自立し、経済面ではなく、心理的に好きかどうかのみで男性を選べるようになること」が幸せへの近道だと私は考えます。

3.日本は「世間体社会」である

著者は「『今日の若者は多数派にならないと仲間外れにされるかも』という不安の中で生きている」と述べていて、私は意外に感じました。

大学教授という立場で普段学生の生の声を聞いているので、間違ってはいないんでしょうね・・・。(それでも昔に比べれば自由になっていると思いますが)

・少数派である同棲、事実婚や専業主夫家庭を選ばずに、多数派の結婚を選ぼうとする。
・独身だった友達が結婚してしまうと、未婚者は多数派ではなくなり、「話が合わない」といった不安な孤立状況になりがち。(特に女性)
・女性は結婚相手によって自分のアイデンティティが上下するので、「社会的地位の低い男性と結婚して自分が下に見られるのは嫌だ」という感情がある。(例外として、「沖縄は非正規雇用の男性があまりにも多いので、その傾向は当てはまらない」と紹介されている)

上記の理由も、今後女性の社会進出、考え方の変化でどんどん変わっていくのではないでしょうか?

日本の結婚の未来形

著者は、議論のまとめとしてこう総括しています。

・欧米のように、結婚しないで子どもを産んでも大丈夫という仕組みが増えても、世間体が変わらない限り、日本は結婚しなければ子どもが生まれない社会であり続けるのではないか?
・日本社会と欧米社会の一番大きな違いは世間体ではないかと私はみなしているが、その中でも、世間体や見栄によらない人たちの間から新しい動きが生まれている。

「世間体にこだわらず、楽しく暮らせそうな人と一緒に暮らす」という新しい結婚の形が増え、結婚する人が増えていく兆候はあるそうです。

ただこういった人たちも、「夫婦二人だけなら世間体は気にならないけど、子どもを持つのならしっかりした経済・環境で育てなければ」という意識は残っているとも・・・。

DINKSの選択をした夫婦は、その分悩みが少ないのかもしれませんね。


「未婚の母」については芸能人が選択するニュースもちらほら聞きますし、徐々に社会に認知されてきてます。

かつてはマイナスイメージしかなかった「できちゃった婚」も安室奈美恵とSAMの結婚でかなり変わりましたし、未婚の母に対するイメージも同様に変わっていくと思います。

実際「夫はいらないけど子どもは欲しい」というキャリアウーマンの声はよく聞きますし、日本の新生児における非嫡出子の割合は2005年から2.0%を上回り、年々微増しています。

今後未婚の母が増えてくると、それに伴って社会制度も変わらざるを得ないでしょう。

終わりに

著者は、「終わりに」でこう締めくくっています。

伝統的な結婚が困難になるなか、バーチャル関係が増えるというトレンドは拡大するのでしょうか、それとも逆転するのでしょうか。また、平成の続きで、過去(昭和の時代)を追い求める人が多数派であり続けるのでしょうか。
還暦を過ぎてもなお、いや、過ぎているからこそ、若い人の動向が気になるこのごろです。

疑問形で投げかけているだけで、社会学者として今後の結婚の形を結論付けてはいないんですね。


著者から見ると私は子ども世代に当たりますが、「昭和的な結婚は反対派」です。(※世代代表ではなく、あくまで一意見です)

むしろ、新時代に即した新しい結婚の形を望みます。

理想としては、フランスのPACSのような制度が日本にもできてほしい。

「生身の人間よりバーチャルな相手がいい」というのならそれもアリ。

老後が心配なら、異性・同性問わず気の合う友達と一緒に住んだり、シェアハウスに住むなんていうのもいいのではないでしょうか?(そのためには、若いうちにコミュ力を身に付けたり、ずっと続けられる趣味を探しておく必要はあると思います。)


2019年に元号が令和に変わり、2020年、西洋占星術で「風の時代」に入って、これから今までの価値感がガラッと変わっていくと言われています。

婚活中の人は、今までの結婚の歴史を踏まえた上で、「社会はこれからどう変わってゆくのか?」「自分はどうしたいのか?」「自分に合った結婚の形は何か?」を考え、ご自身にとってベストな恋愛、結婚、子どもを持つなどの選択を考えてみてください。

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