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留学先で思うこと。

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留学先で感じたことをまとめたエッセイ集です。
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#留学

ことば以外の共通言語

ことば以外の共通言語

きっとこの世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔だと思う

この歌の全貌はまったく覚えていないのだけれど、東京メトロのCMで流れていた、この歌詞だけはすごく鮮明に覚えている。

確かに言語以外の共通言語はこの世界に存在しているのだなと、わたしは長期に及ぶ欧州滞在で理解した。それは笑顔もそうだし、ちょっとした気遣いとか、優しさとか、おとぎ話とか、歌とか、自然を慈しむ心とか、要は言語が違う国でも人間として

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私たちは鳥の気持ちがわからないし、ましてや他人の気持ちなんてもっとわからない

私たちは鳥の気持ちがわからないし、ましてや他人の気持ちなんてもっとわからない

留学先で取っている授業に、"Supernatural in Medieval England"という授業があります。その名の通り、中世イングランドにおける"Supernatural"、すなわちオカルト的な事象について研究していく授業です。

今日の授業ではチョーサーのカンタベリ物語の、"The Squire's Tale"という話を原文と現代英語訳の二種類で読んで、その内容と"Supernatur

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優しさはささやかで、しかし力強い波となって

優しさはささやかで、しかし力強い波となって

私の留学先に、二週間の語学留学で同じ大学から三人の後輩がやって来た。日本にいた時は知り合いではなかったけれど、せっかく同じ大学から来てくれたのだから、と我が家に招待して、みんなでスイス名物であるラクレットを食べた(私のアパートにはなぜかラクレットマシーンが置いてある)。すごく喜んで帰ってくれて、その無邪気な笑顔に心のスイッチを押されて、今こうしてパソコンと向かい合っている、そんな次第だ。

おそら

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1年間しか一緒にいられない、からこそ

1年間しか一緒にいられない、からこそ

わたしは今、1年間の交換留学に来ている。だからこちらで出会う人と一緒にいられるのは、1年間の期間限定。

1年間といっても、実質10ヶ月だし、もうそのうちの半分が過ぎ去ろうとしていることを考えると、かなり短い期間である。

思えば、「短い期限のある人間関係」って、わたしは今までの人生においてあまり経験していないような気がする。中高一貫校に進学したから、中学の友人とは6年間も一緒に過ごしてその世界に

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マルチリンガルの国で思うこと。

マルチリンガルの国で思うこと。

外国語を学ぶということは、ただ単に、話せる言語が増える、それだけのことなのだろうか?

わたしは、そうは思わない。外国語を学ぶということは、その新たな言語を通して、自分の中の概念の引き出しを増やす、ということだと思う。そしてその概念の引き出しを増やすということは、見える世界がずっと広がるというか、世界の真の姿に少し近づく感じ、というか…。うーん、うまく説明できない。

例えば目の前に林檎が一つ置い

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Best and Truest

Best and Truest

留学先で気がついた、「他人を尊重すること」で生まれる、生きやすさの話。

タイトルを見てぴんと来た方もいると思いますが、このタイトルは私の愛する母校のモットーの一部です。わたしの母校は本当に素敵な学校で、誰もが個々を尊重して自由に楽しく生きられる空間でした。どんなところかというと、こんな感じ。ぶっ飛んでます。カメラロールを漁るとこんなのか変顔の写真しか出てきません。

そしてそんな高校を卒業して社

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