お金がないことが問題じゃない
坂爪圭吾さんをごぞんじだろうか。
ひょんなことから家をうしない、それから「稼がない(枷がない)生活」をおくり、いろいろあって熱海に一軒家をもらったひとだ。2ねんほどまえに知りあい、ほん書きませんかとたまに勧誘しつつも、いまだ実現にいたっていない。(ちなみにお兄さんは『はじめての不倫学』などを執筆している坂爪慎吾さん)
このひとは「お金がなくても信用があればいきていける」というのを(本人は意識せずに)実践している。
坂爪さんのぶんしょうを読んでいると、けっきょく、おかねがないことが問題なのではなく、「お金がないと不安になること」こそがもんだいで、それが不幸につながっているんだなぁとわかる。
お金を増やす方法を教えることは解決策になるか?
この原理はなにについてもいえる。愛でも才能でも容姿でも、それが足りないことが原因ではなく、「たりないと思っていることでかんじる不安や焦りや恐怖」こそがそのひとを不幸にしてしまっている。
だから、お金がないひとに「お金をふやす方法」だけおしえても根本的な解決にはならないかもしれない。あればあったぶん、あたらしい不安をみずからうみだしてしまう可能性がたかい。
「子どもを育てるにはお金がかかる」
それは当たり前ですし、そういうことを自分たちの親も考えながら、私たちを産んでくれました。
(中略)
たしかに子どもができるだけ不自由しないよう、ある程度、親がお金を準備しておく必要はあるでしょう。
でも、高校を卒業してしまえば、あとは子どものやる気や目標などによって、どうしても学校に行きたかったら自分である程度の学費を準備させるなど、子ども本人に任せてもいいのではないかなと、私は思っています。
ですから、「お金がかかるから、子どもを産めない」と躊躇する人には、「なんとかなるさ!」とお伝えしたいのです。
そう、まさに子育てのお金もそうなのだ。いいこというなぁ。
……とおもったら、これはわたしが企画・編集して本日ぶじに発売となった、ファイナンシャルプランナー・横山光昭せんせいの新刊『手取り20万円 子育て家族のお金の教科書』の「おわりに」の文章ではないですか! さっすが横山せんせい。
じっさい問題、お金のことでおおくのひとが不安になるのが「子そだて」と「老後」のことで、どちらも「足りない」とおもいこむことで不幸になっている典型例だろう。
この本には学資保険とか貯金術とかマイホームローンとか、お金にかんするテクニカルなことが書いてある。だけどそれらの根底にある横山先生のメッセージはもっと簡潔で、「だいじょうぶ、なんとかなる!」というものだ。
らんぼうにいえば、本書は「だいじょうぶ、なんとかなる!」というメッセージを、お金のプロであり6人のこどもを育てる親でもある横山せんせいにかたってもらうことで安心感をあたえることにこそある。
本書のつかいかた
ちなみに、わたしが期待している本書の使いかたは、読みおえたあと、さりげなくダイニングテーブルに置いて配偶者によんでもらうというもの。
たぶん子そだてでネックなのは、家族間でいしきに差があることだ。で、こういう本を手にとってくれるひとはそれだけ子育てとおかねに興味があるひとだとおもうが、その意識を配偶者にも共有してもらえるようにしたい。
そのため中身もめちゃくちゃ読みやすくしたし、マネー本に興味がないひとでもダイニングテーブルのうえにおいてあったら思わず手にとりたくなるような装丁にもした。
あと、帯をめくるとちょっとたのしいサプライズも用意した。これは、ぜひ実物を手にとってたしかめてみてほしい。
ちらっ
どうぞ、よろしくお願いします。
(了)
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