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私はTシャツが似合わない

大学の体育の授業の時に、確信した。鏡張りの部屋で、ダンスのレッスンを受けていた時だ。私はTシャツが恐ろしいほど似合わない。鏡に映る自分の姿を見て、洗濯ハンガーに吊るしたTシャツを見ているような気分になったのだ。もちろん、ハンガーとは私自身のことである。

似合う形、似合う服

「私がTシャツを着ると、ハンガーに吊るしている様にしか見えない…」そう自覚した日から10年以上が経つ。とは言え、Tシャツを着たい。それからTシャツを買うときは必ず試着をして吟味して買ってきた。「似合っていない気がするけれど流行っているから」という理由で買ってしまった(そしてほとんど着用せず流行が終わった)ものもあるのだけれど。

クルーネック、Vネック、Uネック、ボートネック、フレンチスリーブにパフスリーブ、七分袖に長袖にと色々着てみると、全てのTシャツが似合わないというわけではない、ということが徐々に分かってきた。

これまでに試着してきたTシャツの枚数は100枚は超えていると思う。その中で「普通のクルーネックTシャツ」というものが一番似合う確率が低く、しかし一方で似合う時はめちゃくちゃ似合う、ということが分かった。普通の白いクルーネックTシャツがものすごく流行った時があったが、そういう「普通なもの」が一番危険であり、それでいてクリティカルヒットの可能性もある。

さて、私が唯一似合うTシャツの形はこんな感じである。
・首が詰まっている、モックネックかクルーネック
・少しオーバーサイズ
・袖が肘より少し上くらい
・身体のラインを拾わないが大きすぎではないシルエット
・少し厚手、でも厚手すぎないもの
・化学繊維混よりは綿100%

「普通すぎる、そんなに拘らなくてもその辺で買えそうな条件じゃない?」と言われそうだが、「少しオーバーサイズ」「大きすぎではないシルエット」この2つが非常に重要な、言葉で表すことが難しい見た目・感覚的必須条件なのである。今はオーバーシルエットが流行っているので良いのだが、フィットタイプが流行になったらTシャツを買えなくなるかもしれない。

似合う形の服を見極められるようになると、服選びが楽になるし楽しくなる。もちろん、絶対これでなくてはダメ!ということはなく、流行のシルエットを取り入れてみたいと思えば試着して考えれば良いし(そうやって何十着も買ってきているし)、これが好きでどうしても着たい!という情熱がある服は着たら良いと思う。

「似合う」を制するのがおしゃれへの近道

なんとなく可愛い、なんとなく気に入った、そういう選び方で失敗してしまう人は、一度自分の「似合う」を徹底して研究してみて欲しい。アイテムごとに沢山の形を試着したいのであれば、ユニクロに行くのがおすすめ。スカートひとつ、デニムひとつにしても、ワンシーズンで何種類も作っているので色々な形を気軽に試着できる。

Tシャツの場合、私と同じ様に100着試着しろとは言わない。ユニクロに行って、今売り場にあるTシャツを数種類着用するだけでも、「この首元の形はちょっと似合わないかも」「こっちはシルエットが綺麗に見える」など、発見や気付きが必ず見つかるはずだ。

似合う形の服が全て自分を満たしてくれるわけではないが、自分をより格好良く見せたい場合や、私服の制服化を考えている人は、「自分の似合う服の形の条件」を知っておくと、少ないアイテムで最大限自分を良く見せられるようになるのではないかと思う。

「似合う」は、おしゃれな人への最短ルートなのだ。


服のことはスタイリストさんに学ぶ。

地曳いく子 服を買うなら、捨てなさい


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