サトウカウンセリングルーム

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サトウカウンセリングルーム

新潟駅南口近くでカウンセリングルームを開いています。 公認心理師・新潟市スクールカウンセラー。 https://www.satocounselingroom.com/

最近の記事

個別の心理療法について 1 ブレインスポッティング 2

・他の心理療法との違い ・ブレインスポッティングのメリット ・どのような仕組みでトラウマを解消していくのか ・ブレインスポッティングが向いている人。どのような種類のトラウマに効果があるのか? ・ブレインスポッティングを受ける際の注意点 ・まとめ 1.他の心理療法との違い ブレインスポッティングは、トラウマ体験に伴う強い感情や身体感覚に焦点を当て、それらを安全な環境の中で処理していく心理療法です。他の心理療法と大きく異なる点は、言葉によらない刺激を多く利用する点です。視覚的な

    • トラウマの心理療法について整理してみよう 4 個別の心理療法について 1 ブレインスポッティング 1

      現在、さまざまな心理療法があります。心理療法の世界も日進月歩ですね。そのため、近年は一つの心理療法だけが単独で用いられることは少ないと思われます。いろいろな知識や技術を取り入れてカウンセリングや心理療法が行われることが多いですね。 代表的な心理療法としては、認知行動療法、支持的心理療法、力動的精神療法、暴露療法、EMDR、などが挙げられます。どの心理療法もとても重要なもので、現代の心理療法、カウンセリングにおいて基礎となる大切な知識や技術です。 特にトラウマの心理療法では

      • トラウマの心理療法について整理してみよう 3 心理療法の効果

        トラウマを抱えているあなたは、決して一人ではありません。心理療法は、カウンセラーは、そんなあなたをサポートするためにいます。 トラウマの心理療法は、過去の傷ついた経験からこころを回復し、よりよく今の生活を送るための手段です。それではトラウマの心理療法には、どのような症状への効果が期待できるのでしょうか。トラウマの問題は多岐にわたりますので、その効果の期待の範囲も広くなります。 1.トラウマの症状の軽減 トラウマの症状の代表的もの ・記憶:フラッシュバック、うまく記憶が思い

        • トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その4 少しずつ進もう

          シートベルト、ブレーキ、エアバックは確認した。ライトも点くし、エンジンの調子も悪くない。地図はカウンセラーが持っているし、お互いの信頼関係も作りながら強化していこう、カウンセラーはこころと心理療法の、クライエントはクライエント自身の専門家として進んでいこうという気持ちも持てた。 トラウマの心理療法だけではなく、カウンセリングもそんなふうに例えられうのかなと思います。トラウマの心理療法は、きれいに整備されたトラックを回るスピードを競うレースよりも、道なき道を進みながら、無事に

        個別の心理療法について 1 ブレインスポッティング 2

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その3 クライエントとカウンセラーの間主観的関係

          クライエントとカウンセラーとの関係性。間主観的関係も、心理療法において、安全に大切な役割を持ちます。 カウンセリングにおける間主観的関係とは、「カウンセラーがクライエントを、そしてクライエントがカウンセラーを理解しようとする関係」のことです。主観と主観が出会い、交換し合い、それぞれに影響を受ける場面。カウンセラーとクライエントだけではなく、あらゆる関係性において間主観的関係が存在します。 特にトラウマの心理療法においては、程度はあっても傷に触ることが必要とされます。その際

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その3 クライエントとカウンセラーの間主観的関係

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その2 外的リソース

          わたしたちの生活を文字通り物理的に支える外的なリソースも大切です。あまりにも当たり前にあるので、普段意識に上らなくなってしまいがちです。けれども、外的リソースは文字通り、物理的に、現実的に、具体的に生活そのものを支え、そしてその結果としてこころも支えています。そのような外的リソースがあることを、それに気づくことそのものがまたリソースとして働きます。 外的リソースの難しいなという点は、そのリソース自体が実はトラウマの原因になることもあるということですね。頼りになる家族は大事な

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その2 外的リソース

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その1 内的リソース

          安全の技術にはどのようなものがあるか。前回は安全の技術にはカウンセラーとの関係性、自分の内的なもの、外的なものがあるというお話をしました。そこから話を続けていきましょうか。 はじめに今ある内部のリソース(自分のもつ資源)から考えてみましょう。とても苦しいことがあった生活の中でも、あるいはだからこそ、自分が忘れてしまうことも多い自分の中の強みを確認しておきたいです。また、なるべく機会を捉えて思い出したいものです。 カウンセラー: 内的なリソースにはいろいろなものがあります。

          トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その1 内的リソース

          トラウマの心理療法について整理してみよう 1 安全を大切に

          それはトラウマだけに限ったことではないですけれども、心理療法・カウンセリングにとって「安全である」ことは大切なことです。道路を歩くときに安全に気をつける。熱いものを扱うときに安全に気をつける、というのはわかりやすことですけれども、こころを扱う心理療法・カウンセリングにとって安全であるとはどういうことなんでしょう。 トラウマや強い落ち込み、不安など、こころに傷を負っていると、そこはとても敏感で痛みを感じやすくなってしまいます。傷があって痛みを感じやすくなっていると、そこはなる

          トラウマの心理療法について整理してみよう 1 安全を大切に

          夢の扱い

           夢は見ますか?カウンセリングで聞く場合はたいてい夜寝ているときに見る夢のことです。夢にはいろいろなものがあります。空を気持ちよく飛んでいる夢。自分がヒーローになっている夢。とんでもない悪夢。試験の終わりのチャイムが鳴っているのに、答案がまっ白であせっている夢。夢の詳細をよく覚えている人もいますし、めったに夢は見ない、みてもいつも忘れてしまという人もいます。  フロイト先生の言葉にもあるように、「夢は無意識への王道」です。いわゆる夢占いとかもあるように、人にとって夢は昔から

          ゆっくりと(少し長めに)息を吐く

          毎日の生活を送っていると、いろいろな問題に直面します。そういった時に落ち着いて冷静になれると、対処の幅がひろがりますよね。落ち着いて冷静になるために、体の力を抜いて筋肉の緊張を減らすことは、意外に思うほど効果のある対処方法です。 不安感やトラウマを抱えていると、体が緊張しやすくなってしまっていたり、こころも落ち着かなくなってしまいます。緊張するからどきどきするのか、ドキドキするから緊張するのかという問題は、体の側からもこころの側からもどちらからも見ることができます。現実的に

          ゆっくりと(少し長めに)息を吐く

          休むことって難しい

          休むことって難しいなと思います。カウンセリングに来ているいろいろな問題を抱えているクライエントの人たち。うつや落ち込みだったり、不安やパニックだったり、人格の問題、トラウマ、いろいろな人たちがいます。つらい状態が続いていますから、まず休みましょう。そして、もう少しだけでも全体を落ち着けつつ問題に対処していきましょうと伝えることから始まります。問題を抱えている人たちも、そうだよな、今はもう精一杯だし、ここらあたりで一休みをしなきゃなと理解はするわけですが、それでも実際に「休む」

          こころが傷つくということ

          こころは目で見たり手にとって触ってみたりすることができません。そのため「こころが傷ついた」と言った時に、それがどのくらいの深さと広さがあり、どのような質の傷なのか、周りにいる人にも傷ついた本人にも実はよくわかりません。けれども、目で見ることができずに手で触ることができないからといって、こころが傷つかないわけではありません。私たちはこころが傷ついたということを体感として「そういうことはある」と納得することができます。 もしこころの傷が見えるものなら、例えばレントゲンに映るとか

          こころが傷つくということ

          トラウマについて整理してみよう 4 「トラウマの心理療法」

          近年、たくさんの専門家の不断の努力によって、新しい心理療法が次々と生まれ、日本にも導入されています。また、日本で開発された心理療法もいくつかあり、トラウマへのパワフルな効果や、より安全・安心に配慮された心理療法が実際のカウンセリングの場に導入されています。 これまでの間、つらい体験や記憶に苦しむ人達には多くの誤解がつきまとってきました。症状の出方も様々で、同じような場面に遭遇してもトラウマ症状を見せる人もいれば見せない人もいます。そのため「苦しかったとしてもそれでもなんとか

          トラウマについて整理してみよう 4 「トラウマの心理療法」

          トラウマについて整理してみよう 3  「トラウマへの対処」

          トラウマは安全の感覚自体をいためつけてしまいます。そのため、影響はこころとからだの関わる私たちの生活のあらゆる面に広がります。人によってそれは体の症状だったり、精神的な状態だったり、人間関係の問題として出たり、あるいはそれらを含む生活のほとんど全てに影響が出ることもあります。 このように、私たちの生活の多くの面に影響を与えるトラウマ症状になってしまったときに、どのような対応が可能なのでしょうか。トラウマをかかえることは厳しいことではありますが、対処によって回復することもわか

          トラウマについて整理してみよう 3  「トラウマへの対処」

          トラウマについて整理してみよう 2  「トラウマの症状」

          トラウマによってつらい思いをしているひとはたくさんいます。トラウマは「自分の対処能力を圧倒してしまうできごと」から引き起こされるものであるのなら、対処能力が圧倒されてしまったとき、私たちには一体どういう事が起こるのでしょうか。トラウマの症状とはいったいどういうものなのでしょうか。 一口に「トラウマの症状」とは言ってみても、それはとても広く様々な症状として現れます。何と言っても、トラウマは、私たちの脳の働き、身体の状態、こころのあり方を変えてしまいます。トラウマの症状はさまざ

          トラウマについて整理してみよう 2  「トラウマの症状」

          変わることについて

          カウンセリングを通じて-もちろん多くのひとたちは普段の生活で-わたしたちは変化し、成長し、回復します。苦しいときには「本当にこの苦しさは変わるんだろうか?」「ずっとこのままなのではないのだろうか?」「この苦しさがこの先も続いていくなんて耐えられない」と考えてしまうことも納得のできることです。たくさんの人のお話を聞いていて「ひとは変わるんだ」と確信しているカウンセラーでもそのひとが「いつ・どんなふうに」変わるのかを予言することはできません。けれども、いずれわたしたちはよい方向へ