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こころが傷つくということ
こころは目で見たり手にとって触ってみたりすることができません。そのため「こころが傷ついた」と言った時に、それがどのくらいの深さと広さがあり、どのような質の傷なのか、周りにいる人にも傷ついた本人にも実はよくわかりません。けれども、目で見ることができずに手で触ることができないからといって、こころが傷つかないわけではありません。私たちはこころが傷ついたということを体感として「そういうことはある」と納得す
もっとみるトラウマについて整理してみよう 4 「トラウマの心理療法」
近年、たくさんの専門家の不断の努力によって、新しい心理療法が次々と生まれ、日本にも導入されています。また、日本で開発された心理療法もいくつかあり、トラウマへのパワフルな効果や、より安全・安心に配慮された心理療法が実際のカウンセリングの場に導入されています。
これまでの間、つらい体験や記憶に苦しむ人達には多くの誤解がつきまとってきました。症状の出方も様々で、同じような場面に遭遇してもトラウマ症状を
トラウマについて整理してみよう 3 「トラウマへの対処」
トラウマは安全の感覚自体をいためつけてしまいます。そのため、影響はこころとからだの関わる私たちの生活のあらゆる面に広がります。人によってそれは体の症状だったり、精神的な状態だったり、人間関係の問題として出たり、あるいはそれらを含む生活のほとんど全てに影響が出ることもあります。
このように、私たちの生活の多くの面に影響を与えるトラウマ症状になってしまったときに、どのような対応が可能なのでしょうか。
トラウマについて整理してみよう 2 「トラウマの症状」
トラウマによってつらい思いをしているひとはたくさんいます。トラウマは「自分の対処能力を圧倒してしまうできごと」から引き起こされるものであるのなら、対処能力が圧倒されてしまったとき、私たちには一体どういう事が起こるのでしょうか。トラウマの症状とはいったいどういうものなのでしょうか。
一口に「トラウマの症状」とは言ってみても、それはとても広く様々な症状として現れます。何と言っても、トラウマは、私たち
トラウマについて整理してみよう 1 「トラウマとは」
さて、この間実にいろいろな内容についてのカウンセリングを行ってきたなと思います。ひとが悩みを抱えるということは変わらないことですけれども、悩み方や何を問題とするのかということについては、その時々の大きな流れのようなものがあります。例えば、この間にたくさんの人達の相談の選択肢にカウンセリングが入ってきているな、とか。クライエントの性別のかたよりがほとんどなくなってきているな、とか。夫婦やカップルで悩
もっとみる子どもの頃の話をするということ
カウンセリングでは子どものころのこと、特に親との関係や重要な家族とどんな体験があったのか、今の課題とつながりがありそうな、初めてのエピソードを話してもらうことが多くあります。問題は今のつらさや、目の前の職場やパートナーとの関係、家族との問題だったとしても、一見直接は関わらなそうな過去のことをカウンセラーからたずねてみることがたくさんあります。
わたしたちはカウンセリングで起こっているコミュニケー
作業同盟がたいせつ 2
わたしたちが良い方に変わるときには、なるべく安心できてこころをオープンにできる関係があることが望ましいですよね。良い時には頼りになる、パートナー、家族、友人、同僚、あるいは関係の深い人達。そういう人たちであっても、あるいはあるからこそ、つらい時にこころをオープンにするのが難しく感じられることは多くの人が経験することです。
だめだと思われるのでは?責められたれたくない。また同じことを言っていてと思
作業同盟がたいせつ 1
なるほど、カウンセリングが効果があるというのはよくわかった。エビデンスで支持されていて、適切なカウンセリングにはこころのつらさや人生の問題やとても困っていることに対する効果があるんですね。
オンラインで検索してみると、たくさんのカウンセリングが表示されますよね。公的で無料な機関もあれば、病院でのカウンセリングも、私設のカウンセリングもあります。カウンセリングに効果が期待できるとのことですから、ど
カウンセリングの効果は「大きい」
カウンセリングに来て話をする。もちろんカウンセリングを利用するときには、さまざまな人生の問題や精神的な苦しみのまっ最中にいます。
カウンセリングというものがあるのは知っているけれども、一体どういうものなんだろう?カウンセラーに向かって話をすることにどんな意味があるんだろう?というのはもっともな疑問ですよね。今回のコラムでは、カウンセリングに「どのくらい効果があるのか?」を考えていきます。